「なぜ宗教家は日本でいちばん長寿なのか」島田裕巳
P94
日本の歴史を振り返ってみると、寺や神社は必ず土地をもっていました。これは、皇族や貴族、武家など、上層階級からの寄進によるものです。昔は、「国に税金を取られるくらいならお寺に寄進したほうが良い」という考えが強かったのです。
興福寺などは、藤原氏の氏寺ですから、大和国のすべての土地を寄進されていたほどです。ですから、大和国は鎌倉幕府も室町幕府も守護地頭を置くことができず、税金はすべて興福寺が代わりに徴収していました。
P124
ムハンマドはもともと商人で、中年になったとき悩みを抱え、洞窟で瞑想しているときに天使があらわれて、神のメッセージを伝えられました。
その後、ムハンマドは家庭をもったまま、俗人として神のメッセージを周囲に伝えていきました。このように開祖が俗人であることを貫いたわけですから、その後のイスラム教では出家した聖職者は1人もあらわれなかったのです。(「婚姻の書」アナスによると「預言者ムハンマドは9人の妻を持ち、一晩のうちに数人の妻を訪れる習わしであった」「預言者は当時9人であった彼のすべての妻たちと一晩のうちに交わった」。これを読むと仏教やキリスト教と異なり、性に対する禁欲、ってのがない。「性(セックス)と宗教」より)
P126
カトリックには、ローマ教皇のように、イエス・キリストの地上における代理人とされる存在がいて、それが頂点に立っていますから、神の前での平等には反しています。
【長寿の秘訣】
規則正しい生活(ゲームやTVなど、夜更かししない)
食事も適正(暴飲暴食しない)
ストレスも少ない(穏やかな生活、人から敬意を払われる)
適度な運動(歩き回ったり、座禅を組んだり)
お経を読んで腹式呼吸
【コメント】
「なぜ宗教家は長寿なのか」より、
「なぜ宗教家は絶倫なのか」を書いて欲しい。
【ネット上の紹介】
休禅師(88歳)、親鸞(90歳)、天海僧上(108歳)…彼らはなぜ長命だったのか。その生活スタイルに学ぶところはあるのか?“戒律”にこめられた長寿の秘訣とは?宗教学の第一人者による異色の健康論。
第1章 宗教家は長生き―職業によって差が出る平均寿命(八〇歳超の大台に乗った日本人の寿命
驚異的な戦後の寿命の延び ほか)
第2章 宗教家が長生きである根本的な理由とは(僧侶、神主、牧師と神父
本来の出家は結婚もしないし家庭ももたない ほか)
第3章 仏教以外の宗教家はどうなのか(神主は俗人という神道のあり方
神社で僧侶が経を唱えていた時代 ほか)
第4章 宗教家が長生きする理由(生活が規則正しい
お経を読み呼吸法を実践する ほか)
第5章 私たちが宗教家から学べること(世俗を超越した人の話にふれてみる
プチ修行を経験する人たち ほか)