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「日本に住んでる世界のひと」金井真紀

2023年02月09日 08時03分44秒 | 読書(現代事情)


「日本に住んでる世界のひと」金井真紀

日本には、多くの外国人が住んでいる。
いったいどんな経緯で日本に住むようになったのだろう?
その一端でも知りたくて読んでみた。

ネット上の紹介を見ると、『日本で暮らしている外国人は276万人余。そのほんのひとすくい、18組20人のストーリー』と書かれている。
読んでよかった、おそらく今年のベストの1冊。

P37
「華僑は日本企業に勤めることができなくて、だいたい床屋、料理屋、洋服屋のどれかになるの。三刀(サンダオ)って、な、聞いたことあるだろう?」
カミソリを使う床屋さん、包丁を使うコックさん、それに裁ちバサミを使う仕立屋さん、つまり「三つの刀の仕事」というわけだ。

P72
1910~20年代生まれの在日コリアン女性のインタビュー集では「女の子は字を知らなくほうがいいと言われて育った。なまじ字が書けると、嫁入り後の苦労を手紙に書いて送ってきて、実家の親を悲しませることになるから」というエピソードがたびたび語れていてびっくりする。

P166
ミャンマーの役人、ホントに腐ってる。(このエピソードを読んでみて。賄賂をもらいつづけ平然としている役人が描かれていて、激しい憤りを感じる)

P219
当時アメリカには白人と異人種(黒人やアジア人)の結婚を認めない州がいくつもあった。理由は「白人の優秀な血を守るため」だって。(中略)異人種間結婚禁止法がある州に赴任する可能性があるため、軍関係者は日本人と夫婦になることが許されなかった。多くの日本人女性が米兵と恋仲になり、ときに子どもを授かりながらもアメリカについていけなかった背景にはそうした理由もあるのだった。

【参考リンク】
「戦争とバスタオル」安田浩一/金井真紀

【ネット上の紹介】
一人ひとりの話を、のんびりじっくり聞いてきた。いろんな国から来た、隣人たちの生活物語。日本で暮らしている外国人は276万人余。そのほんのひとすくい、18組20人のストーリー。
いろんな国から来た、隣人たちの生活物語。 アイスランド、南アフリカ、スペイン、バルバドス、メキシコ、中国、イタリア、ミャンマー、セネガル、モルディブ、韓国、エストニア、フィリンピン、アルメニア、東ティモール、北マケドニア、アメリカ、中国・内モンゴル自治区、コンゴ民主共和国…来日した理由はさまざま。暮らしぶりも十人十色。 一人ひとりのストーリーを通して見えてくる普段の生活、そして難民問題、地球温暖化、ジェノサイド、民主化運動、差別の歴史など。 ●北マケドニア ペレ・ヨヴァノフさん上野公園のチェリスト ●フィリピン 長谷川ロウェナさん労働組合のリーダーとして仲間を守る ●モルディブ ラシード・モハメドさん海面上昇で故郷はがらりと変わった ●日本生まれ、中国籍 黄成恵さん 横浜中華街育ち、元不良の料理人 ●バルバドス スプリンガー・ドーン・エイミーさん カリブ海から来た語学の達人 ●アルメニア グラント・ポゴシャンさん ジェノサイドを経験した国の大使 ●韓国 崔命蘭さん すぐ帰るつもりが75年、川崎のハルモニ ●アイスランド アルナ・イェンソンさん人口が少ないから、いろんな仕事を掛け持ちする ●スペイン、イタリア ドメリコ・ヴィタリさん、アントニオ・ガルシアさん、泉類治さん長崎のキリスト者たち ●中国・内モンゴル自治区 エンゲルさん 東京で起業したひと、ルーツは草原の遊牧民 ●東ティモール マイア・レオネル・ダビッドさん 12歳で山岳ゲリラへ、いまは広島弁の父ちゃん ●セネガル パパ・ダウダ・ンゴムさんサッカーボールを追い続けた青春 ●ミャンマー キンサンサンアウンさん1988年の民主化デモの後、17歳で日本へ ●エストニア ペーテル・パウル・ハッラステさん両親はレジスタンスの闘士だった ●メキシコ 長谷川ニナさんスペイン内戦で亡命した一家の子孫 ●コンゴ民主共和国 ポンゴ・ミンガシャンガ・ジャックさん入管法改悪デモで出会った、難民申請中のひと ●アメリカ ルーシー・クラフトさん 戦争花嫁の娘はジャーナリストになった ●南アフリカ ジョゼフ・ンコシさん アパルトヘイト時代を生きたジェンベ奏者

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