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「ふたつの日本 「移民国家」の建前と現実」望月優大

2020年04月12日 17時33分38秒 | 読書(現代事情)
「ふたつの日本 「移民国家」の建前と現実」望月優大
 
なぜ急激に在留外国人が増えたのか?
生産年齢人口と総人口のピークアウトに15年近いタイムラグがあったから、とある。そして、安倍さんは言い出した。
女性や高齢者は「活躍」するように、と。
外国人労働者も、この流れにある。
選挙の都合で、「保守」と「財界」でバランスを取ってきた自民党だが、両者にいい顔をするにも、限界が近づいてきた。どうする自民党?どうする日本?どうする我々?
 
P21
日本の人口が1億人を割り込むのが2050年前後。対して外国人人口は2012年から2017年までの5年間で50万人以上増加して300万人へと近づいている。
 
P29
「教育」の本質は新しい人間が古い世界の中に生まれてくるという事実のうちにある。古い世界は子どもという「新参者」を統合するために教育を行うわけだが、同じように移民という「新参者」にも統合の試みが必要だ。繰りかえすが「統合」=「同化」ではない。
 
P36
自国から外国へと移住するのが「emigrant」で、その逆に外国から自国へと移住するのが「immigrant」である。
 
政府の本音・・・
P201
グローバルな経済の論理にもとづいて外国人労働者の受け入れを拡大する。低賃金で働いてくれる外国人労働者にはできるだけ長く日本で働いてもらいたい。だが、いつかは帰ってもらいたい。外国人が定住という形で日本社会に浸透していくことは可能な限り阻止したい――。
 
P217
今、目の前にふたつの道がある――撤退ではなく関与の方へ、周縁化ではなく包摂の方へ、そして排除ではなく連帯の方へ。これは「彼ら」の話ではない。これは「私たち」の問題である。
 
【蛇足】1
パリやロンドンには、多くの移民が暮らしている。これは、植民地の宗主国だった関係だ。植民地の甘い汁だけ吸って、来るな、と言えない。
 
【蛇足】2
外国人が増えると、混血が増えるかも。
○○系日本人、とか、アメリカのようになるかもね。
でも、政府は日本人を和牛のしたい?
秋田犬は好きだけど、雑種の方が元気だ。(とりとめもない感想でスマン)
 
【参考リンク】
「コンビニ外国人」芹澤健介
 
「私たちの国で起きていること」小熊英治
 
「移民大国アメリカ」西山隆行
 
【ネット上の紹介】
日本はすでに「移民国家」だ。この30年間で在日外国人の数は94万人から263万人へと約3倍に増加し、永住権を持つ外国人も100万人を突破した。2019年春からは外国人労働者の受け入れがさらに拡大されることも決まっている。私たちは「平成」の時代に起きたこの地殻変動を正しく認識できているだろうか? いま必要なのは、この「遅れてきた移民国家」の簡単な見取り図だ。「日本」はどこから来てどこに向かうのか?
はじめに 「移民」を否認する国
第1章 「ナショナル」と「グローバル」の狭間
第2章 「遅れてきた移民国家」の実像
第3章 「いわゆる単純労働者」たち
第4章 技能実習生はなぜ「失踪」するのか
第5章 非正規滞在者と「外国人の権利」
第6章 「特定技能」と新たな矛盾
終章 ふたつの日本
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