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「お勝手のあん」①②柴田よしき

2020年08月03日 18時35分45秒 | 読書(歴史/時代)
「お勝手のあん」①②柴田よしき

『柴田よしき、初の時代小説シリーズ』 、ってことで手に取ってみた。
現在2冊刊行されている。
タイトルからして、モンゴメリ「赤毛のアン」を意識している。
つまり、時代小説版「赤毛のアン」だ。

品川宿の老舗宿屋「紅屋」を営む吉次郎は、二年ぶりの長旅から、見知らぬ女童を連れ帰ってきた・・・これが発端。

P19
「ああ、あの子ねえ。実はちょっと困ったことになっているんですよ」
「ほお?」
「実はね、口入れ屋が男と女を間違えたんだ」
「はあ?」
「力仕事ができる小僧が欲しかったんだよ。九つか十くらいの丈夫な小僧を、と頼んであったんだが、どこでどう間違ったのか、連れて来られたのがあの子だった。(後略)」

この導入からして、「赤毛のアン」そっくり。
この女童・おやすには、嗅覚の才があった。
こうして、お勝手女中見習いとして引き取られることになる。

【感想】
今後、おやすは料理人として才能を伸ばしていくことになるが、
女料理人のシリーズとしては、高田郁さんの「みをつくし料理帖」がある。
どの作家にとっても、「みをつくし料理帖」を超えるのは、難しいと思う。
それでも、ベテラン・柴田よしきさんが、あえてこのテーマに取り組んだのは、考えるところがあるのだろう。今まで、何冊か柴田よしき作品を読んできたが、ハズレはない。いったい、このテーマをどう料理するのだろう?、と期待は大きい。
①②ともに面白かった・・・今後の展開も楽しみだ。

【ネット上の紹介】
品川宿の老舗宿屋「紅屋」を営む吉次郎は、二年ぶりの長旅から、見知らぬ女童を連れ帰ってきた。吉次郎は、女童・おやすの類まれな嗅覚の才に気づき、「紅屋」のお勝手女中見習いとして引き取ることに―。拾って貰った幸運をかみしめ、ゆるされるなら一生ここにいたいと、懸命に働くおやす。研究熱心な料理人・政一と、厳しくとも優しい女中頭・おしげのもと、年下の奉公人・勘平、「百足屋」のお嬢さま・お小夜とともに日々を過ごすなかで、人間として、女性として、料理人として成長していく。柴田よしき、初の時代小説シリーズ第一弾!
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