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「怖くて眠れなくなる植物学」稲垣栄洋

2023年01月27日 05時47分14秒 | 読書(科学)


「怖くて眠れなくなる植物学」稲垣栄洋

P17
昆虫は、情報を処理する脳が、足の付け根にも分散しています。そんため、素早く動くことができるのです。人間の脳のように、迷ったり悩んだりすることもありません。

P127
ヒガンバナは毒があります。この毒が遺体を食い荒らすネズミや盛り土に穴を空けてしまうモグラを寄せ付けない効果があると言われています。(中略)ヒガンバナの球根には毒がありますが、水にさらして毒を抜くと豊富なでんぷんを得ることができます。そのため、飢饉や天災など、いざという時の食糧にするために、植えられたのです。

P160
魔女は英語で「witch」と言います。これは、もともと「wicca」という「賢い女性」を意味する言葉に由来します。

魔女の手先としてネコが大量に殺された結果・・・
P163
中世から近世にかけてヨーロッパではペストが大流行し、無数の人々が病に倒れることになってしまいました。ペストの伝染源はネズミです。ネコを殺しすぎたためにネズミが大繁殖したこともペストが蔓延した原因の一つとなってしまったのです。

P170
トリカブトの塊根は、「附子(ぶす)」と言います。トリカブトを口にすると、神経系の機能が麻痺して無表情になります。これが、「ブス」の語源であると言われています。
ブスというのは、顔が醜いことではありません。表情がないことがブスなのです。

P186
7月7日の頃に妊娠していると、もっとも忙しい稲刈りの時期に大きなお腹で動けなくなってしまいます。無理に重労働すれば流産の危険があるばかりか母体も危なくなります。
そのため、7月7日にはホオズキを飲んだり、ホオズキの煎じた汁を子宮にいれて堕胎したのです。
昔はどこの農家の庭先にもホオズキが植えてありましたが、ホオズキにはこんな利用法もあったのです。

P189
華岡青洲は麻酔手術で人々の命を救いたいと、麻酔の研究をしました。このとき用いたのが、チョウセンアサガオというナス科の有毒植物です。チョウセンアサガオは、別名を「きちがいなすび」と言います。誤って食べると、幻覚を見て、泣きわめいたり、踊りだしたりと狂乱状態になることから、そう名付けられているのです。(中略)日本麻酔学会のロゴマークはチョウセンアサガオが用いられています。

【関連図書】

「オスとメスはどちらが得か?」稲垣栄洋

「なぜ仏像はハスの花の上に座っているのか」稲垣栄洋

「生き物の死にざま」稲垣栄洋

「世界史を変えた植物」稲垣栄洋 

【ネット上の紹介】
食虫植物ハエトリソウ、死骸の花ラフレシア、絞め殺し植物ガジュマル、百獣の王を殺すライオンゴロシ、美しき悪魔ホテイアオイ、植物の毒の誘惑…。読み出したらとまらないおそろしい植物のはなし。
1 植物という不気味な生き物(何度でも蘇る
不老不死の生き物 ほか)
2 奇妙な植物(もし、あなたが虫だったら
人食い植物の伝説 ほか)
3 毒のある植物たち(毒の森でリフレッシュ
毒を使うプリンセス ほか)
4 恐ろしき植物の惑星(共生の真実
操られしもの ほか)

 

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