「花の命はノー・フューチャー」ブレディみかこ
初期の作品。
英国ブライトンでの日々が綴られている。
まだ保育師になる前の話。
P123
そもそも、最も気持ちが落ち込む時というのは、他人が気に入らんとか、他人にどういう事をされたとか、そういう時ではない。自分に対して絶望した時である。自分という存在の無能さやくだらなさを改めて認識し、それに向き合うことが極めて困難な時である。
P199
そもそも、子供には人生における挫折の経験がない。(中略)駄目で無能なのはわたし自身だ。自分の責任である。という動かし難い真実に直面したことがないのだ。
だから、子供には他人の痛みとか、他人と自分の間には一定の距離が必要であるとかいう常識が、さっぱりわからない。
【おまけ】
全編に、『ピストルズ・愛』、が満ちている。
私も学生の時によく聴いた。
今もレコードを持っているが、プレイヤーがない。
どこかにCDもあるはずだが、見つからない。
しかたがないので図書館に予約を入れた。
【ネット上の紹介】
絶版だった名著に、新たな書き下ろし、未収録原稿を約200頁も加えた最強版!移民、パンク、LGBT、貧困層…地べたからの視点から“壊れた英国”をスカッとした笑いと、抑えがたい抒情ともに描く。「花の命は…苦しきことのみ」の言葉とともに渡った英国ブライトンで、アイリッシュの連合いと過ごす、酒とパンクロックの日々。
第1章 日々の泡編(花の命はノー・フューチャー
DSSオフィス ほか)
第2章 ジョン・ライドン編(ジョン・ライドン 再考して再興とあらば最高論
No Irish,No Blacks,No Dogs レノン、ライドン、ギャラガー兄弟の系譜 ほか)
第3章 アナーキー・イン・ザ・パブ(未収録エッセイ)(物凄く暗い気持ちになったら
国辱電車 ほか)
第4章 10 Years after(書き下ろし+α)(恋愛とPC
二日酔いのベテラン ほか)