原題:『The Left Handed Gun』
監督:アーサー・ペン
脚本:レスリー・スティーヴンス
撮影:ペヴァレル・マーレイ
出演:ポール・ニューマン/リタ・ミラン/ジョン・デナー/ジェームズ・コングドン/ジェームズ・ベスト
1958年/アメリカ
「ボニー(Bonney)」と「ボニー(Bonnie)」について
後にアメリカン・ニューシネマの代表作とされる『俺たちに明日はない』(1967年)を撮ったアーサー・ペン監督のデビュー作で、主人公のウィリアム・ボニー(=ビリー・ザ・キッド)を無法者という雰囲気では描写していない。
ビリーは自分を雇ってくれた牛商人のジョン・タンストールを銃殺した犯人を追いかけていくのであるが、相棒となるチャーリー・ボウドレーとトム・オフォリヤードに翻弄されてしまう。ビリー自身はあくまでも「正攻法」でタンストールの仇を討とうとしながらも社会に適応するために保安官のパット・ギャレットの結婚式に出席したりするのだが、「慎重派」のトムと「過激派」のチャーリーに挟まれて自分でも思いがけない展開を強いられ、ついには「自滅」のような形でギャレットに撃たれる。それはまるで『俺たちに明日はない』でも描かれたように袋小路に追い詰められたボニーとクライドと同じような運命をたどることになるのである。