原題:『Gold』
監督:スティーヴン・ギャガン
脚本:ジョン・ジンマン/パトリック・マセット
撮影:ロバート・エルスウィット
出演:マシュー・マコノヒー/エドガー・ラミレス/ブライス・ダラス・ハワード/コリー・ストール
2016年/アメリカ
「ゴールド」に対するこだわりがない探鉱者について
本作は1993年の「Bre-X鉱山事件」を基にしているのだが、意外とストーリーが弾けない原因は主人公で探鉱者のケニー・ウェルスが破産寸前の自身の会社を1988年9月8日の株式取引所への上場させたことを頂点として最後のオチまでストーリーに「ブレ」がないためにテレビドラマとして見るならば良質なものであるにしても映画的な驚きを観客に与えないからであろうし、なによりもケニーに自身が言うほどゴールドに対するこだわりが無かったことが残念な感じをもたらすからであろう。
敢えてオチは書かないが、最後にケニーが家に帰ってきた時、ケニーに声をかけてきた隣人がマイケル・アコスタだったら面白いと思った。
それよりも気になったことは本作の主題歌である。イギー・ポップによって歌われた「ゴールド」という曲は、本当はそれほど良い曲ではなく、どれだけ低いのかというくらいのイギー・ポップの歌声に魅了されてしまっているのかもしれないが、とりあえず本作のストーリーを暗示しているので和訳はしておこう。
「Gold」 Iggy Pop 日本語訳
大丈夫だ、心配ない
今夜、口約束は物事を置き去りにするが
今度こそ
組んで行なおうと思っても
また仲間割れだ
もう俺には方向転換する時間は残されていなかった
泥棒に万歳
これ以上得るものはおまえにはない
泥棒に万歳
俺たちは今夜残されたものを慈しもう
多少の信念と、ちっぽけなプライド
俺たちはそれを正しく扱えたことがあるだろうか
今夜、タイミングを探し続けているが
組んでしようとしたことが
また仲間割れに陥った
もう俺には方向転換する時間は残されていなかった
泥棒に万歳
これ以上得るものはおまえにはない
泥棒に万歳
俺たちは今夜残されたものを慈しもう
泥棒に万歳
一致協力すればおまえたちが好機を逸することはないだろう
泥棒に万歳
俺たちは今夜残されたものを慈しもう