原題:『笑う招き猫』
監督:飯塚健
脚本:飯塚健
撮影:山崎裕典
出演:清水富美加/松井玲奈/落合モトキ/荒井敦史/浜野謙太/前野朋哉/岩松了/戸田恵子
2017年/日本
女性が模索する「男」の生き様について
2016年12月23日、結成5年目の女性漫才コンビ「アカコとヒトミ」の高城ヒトミと本田アカコは共に27歳の東京学院大学の同級生で、ライブ前でカラオケボックスで練習中にいつもの大喧嘩になり、ヒトミは飛び出していく。どちらかと言えばヒトミが「女役」でアカコが「男役」のように見える。それはアカコがわざわざヒトミの実家に行って漫才を一緒にやらせて欲しいと頼んだからでもあろう。
中学生の上杉慎太は同級生の安達泉にそそのかされてヒトミの自転車を盗もうとするのであるが、未遂に終わる。上杉の話を聞いた2人は友人の蔵前慎吾と大島洋次を連れて夜の学校に忍び込み、泉の机を校庭に投げ落とす。あるいは同級生の和田栄はかつての輝きを失い今は年下の上司である三上のご機嫌をうかがう生活なのであるが、酒場で2人は奮起を促す。漫才コンビ「きんぴら」は初の単独ライブでナーバスになっており、客席から聞こえた携帯電話の音で緊張の糸が切れてしまい舞台から降りてしまうのであるが、そこをシークレットゲストで出演予定だった「アカコとヒトミ」がつなげる。2人の担当マネージャーで「アカコとヒトミ」を事務所に入れてくれた永吉悟は母親の介護で事務所を辞めてしまう。
どうも物語の全体的な印象は女性を主人公とした意図とは裏腹に様々な世代の「男」の生き方の模索のように見える。だから「女役」のヒトミが辞めると言ってもすぐにコンビは復活するが、「男役」のアカコがヒトミの男関係に難をつけ辞めると言い出すとなかなか関係が修復しないのであろう。ようやくコンビが復活し、2018年1月のライブの漫才は清水富美加と松井玲奈の勘の良さもあって素晴らしいものだった。
意外と浜野謙太と前野朋哉の区別が付きにくいと感じたのは私だけだろうか?