(画像:奥秩父 黒い蒸気と ソバの花)
秩父市の奥の旧荒川村は昔からソバの里として有名なところですが、収穫を控えて真っ白なソバの花の中を走るパレオエクスプレス。国道際のソバ畑で三脚を立てて汽車を待っていたら、散歩しに来た初老の地元氏が「今年のソバは暑さでダメだったねぇ」との話。結構ソバってのは出来不出来で味が変わるみたいですが、被写体としては充分。白いじゅうたんのようで、可憐できれいな花ですよね。秩父鉄道は三峰口に向かってほぼ一方的な登り勾配になるんで、ドレーンを切りながら煙をたなびかせて駆け抜けて行きます。
武州日野駅付近でなかなかいい感じのアンダートラスの鉄橋を見付けたので構えてみました。武骨な作りのこの鉄橋は安谷(あんや)川橋梁と言い、元々磐越西線の鹿瀬付近にあった鉄橋がダムによって付け変えられるのを機に移設されたものなんだそうだ。磐越西線も秩父鉄道も「復活蒸気」の舞台となっているのも何かの縁なんでしょうかね。三峰口に向かって一方的な登り勾配と言う事は、帰りの熊谷行きは一方的な下り勾配になる訳で、下りのパレオは煙もなくゆっくりと惰性で山を下って行きます。
煙がないと迫力に欠けるなあと言う事で、帰りは花園ICに近い寄居駅で発車シーンを。
寄居は秩父盆地から山峡を流れて来た荒川が関東平野に出る場所に開けた街で、街の規模の割には東武東上線、八高線、秩父鉄道が交わる交通の要衝。
大きな汽笛一声、広い駅構内に白煙を上げて出て行くC58です。