(スタンプラリー・ファイナル@鬼怒川温泉駅)
大桑でのSL撮影の次は、10月から始めた「私鉄10社スタンプラリー」の最終ポイントである鬼怒川温泉駅へ。駅構内にスタンプ台を見つけた我々、とうとうここまで来たかという若干の感慨はあるね(笑)。10社で2駅のスタンプポイント、最後の20駅目で押すスタンプ。せっかくなので子供に私の分も押してもらったのですが、スタンプラリーの期間も終盤のためかスタンプ台のインクがカスカスで上手く押せなかった…ここまでカネかけておいて、最後の最後で画竜点睛を欠くというしょっぱい終わり方になってしまいましたw
SL大樹の運行に合わせて、下今市駅同様転車台が設置され駅舎も大規模にリニューアルされた鬼怒川温泉駅。なんとなくこの手のリニューアルって、どこのデザイナーがやっても木をふんだんに使った内装に暖簾とロゴマークの和風仕上げで、これにアルファベットとおもちゃの飾り棚が加わったらほとんどミトーカデザインじゃねえか的な既視感があったりなかったり(笑)。
鬼怒川温泉駅には明日も来る予定なので、とりあえずスタンプを押したら先を急ぐことにします。お次の列車は快速会津マウントエクスプレス3号会津若松行き。会津若松~東武日光というゴールデンルートを繋ぐ、会津鉄道自慢の快速列車。以前は名鉄の特急北アルプスで使われていたキハ8500系を使用しておりましたが、カミンズ社製の高速エンジンを搭載した名鉄の特急車両は丙線規格の会津鉄道では過剰スペックだったようで、譲渡後僅か8年で廃車となってしまいましたね。
現在AIZUマウントエクスプレスに使われている車両は、会津鉄道のAT-700型気動車。最近の三セク向け気動車のスタンダードである新潟トランシス製造の「NDC」ですから、天竜浜名湖とかいすみ辺りでさんざん見慣れた顔。さっき鬼怒川温泉に到着したスペーシアからの乗り換え客が乗車します。大きく「30」のヘッドマークを付けたAME3号、1987年に国鉄会津線から第三セクターに転換した会津鉄道は今年でめでたく開業30周年なのだとか。
見た目は没個性ながら、「AIZU」の名を背負って走る観光列車だけあって内装のしつらえはなかなかハイスペック。出入口とはガラスのパーテーションで仕切られた座席は、ゆったりめのフルリクライニングシート。車内販売の会津のオネーサン(みのもんた基準)から冷やの地酒を買い求める老夫婦、グラスのおちょこで美味しそうに飲み始めた。思わずこちらもオネーサンを呼び止めそうになってしまうけども、子供がいるのでとりあえずはホットコーヒーで我慢(笑)。
鬼怒川の渓谷沿いに大きなホテルが立ち並ぶ鬼怒川温泉。団体客や企業の慰安旅行が減少して元々斜陽化していたところに東日本大震災が追い打ちをかけ、何年かは相当に客入りが悪くなったそうだ。一部の有名旅館は安泰なのだろうけど、大部分の大型ホテルは外資に買収されたり、インバウンド受け入れに躍起になったり、廉価路線に活路を見出したりと生き残りに必死でしょうね。川沿いに立つあさやホテルの大迫力。どこかの国の航空母艦のようでもありますが、その先にはかつては栄華を誇ったであろう大型ホテルが無残にも廃墟化した姿も見えたりして、昭和の大温泉地の悲喜こもごもであります。
鬼怒川公園を出ると鬼怒川の谷もいよいよ狭まり、切り立った山裾の下を車輪を軋ませながら制限25のカーブを回って行くと東武電車最北端の駅・新藤原。ここから野岩鉄道会津鬼怒川線に入り、一気に線形が高規格なものに変わって会津西街道沿いの深山幽谷を高架とトンネルで突き抜けて行きます。轟々とトンネルを抜けて龍王峡、トンネルを抜けては川治温泉、温泉街を高架橋で見下ろして川治湯元、そして線内最長の葛老山トンネル(4,250m)の出口付近にある地下駅・湯西川温泉に到着すると、約半数くらいの客が降りて行きます。平家落人の隠れ里として有名な湯西川温泉はここからバスで30分程度。
本当は湯西川温泉駅で降りる予定だったんですよね。駅に併設して温泉&道の駅もあるみたいだし、五十里湖でも見ながら温泉&食事でも…と思っていたんですが、出発する何日か前のニュースで現在の五十里湖は何十年ぶりかの大改修でダムの水を抜いてしまっている事を知りましてねえ。ご飯食べてから野岩線の一番の撮影ポイントである五十里湖を跨ぐ鉄橋のアングルでも行ってみようかと思ってたんですが、水のない湖を見ても面白くもなんともないだろうってんで先に行く事にしました。
湯西川温泉を出ると渡る五十里湖の橋、ニュースで流れてた通り全く水がない。
テレ東の「池の水全部抜く」じゃないけど、最近そう言うの流行ってるんですか?(笑)。