(快適だったよ急行列車@下今市駅)
子供と広げたお菓子をつまみ、刻々と変わる車窓の風景を眺めていたら、あっという間に下今市の駅に着いた。南栗橋から下今市までの間に栗橋・板倉東洋大前・新大平下・栃木・新栃木・新鹿沼と6駅しか止まらないのは3月までの快速と変わらないのですが、距離にして77kmを1時間08分ですからさすがに速いですね。ホームに降りたらやっぱり北関東って感じで、自宅周辺に比べるとだいぶ寒い。今は急行も東武日光行きしかなくなってしまったので、鬼怒川方面へは必然的にここで乗り換えになります。
「SL大樹」の運行開始に合わせて、駅全体をレトロ風にリニューアルした下今市駅。独特のフォントで書かれた木製の駅名票もそうですけど、頭上を見れば2本のワイヤーに吊るされた優等列車の乗車口を示すホーロー板とかなかなか芸が細かいです。レトロ調と言うよりは民芸調の弁当の売店に、国鉄の長距離列車が発着するホームにあった水色のタイルに鏡張りの水飲み場まで作ったりして、ここらへんはさすがに東証一部上場の大手私鉄、本気出した1/1のジオラマを見る思い。
東武日光行きの6050系急行がホームを出て行きます。上りホームで発車待ちの新栃木行の2連は6050系、側線で憩う鬼怒川温泉行きのシャトル便も6050系という6050系天国。しかも冬場になると6050系の両パン車は霜取り対策で前パンを上げるのでさらにカッコよさがマシマシになります。どうも霜による離線対策で2連の運用には優先的に両パン車が回されてるっぽいですね。
さて、お次の鬼怒川温泉方面の列車は特急リバティ会津111号。せっかく下今市まで特急料金をケチったのに、こっから特急乗るの?とお思いでしょうが、リバティは下今市~会津田島間の利用に限り特急料金が不要。かつての会津直通快速は下今市から先は普通列車として走っていたので、浅草から全席指定の特急のまま下今市から先を走らせると、特に野岩線内は実質減便になってしまうための措置かと思われます。
浅草から6両で来たリバティはここで3両ずつに分割されて東武日光行きと会津田島行きに。が、そもそも鬼怒川方面に行きたい人が乗っているリバティ会津から下今市で下車する人はほとんどなく、そこに先ほど我々が乗って来た急行から鬼怒川方面に乗り継ぎたい人がどっと押し寄せるものだから車内はデッキから通路から難民船のようにスシスシのツメツメになってしまいました。
下今市を発車したリバティ会津111号。デッキがほぼ旅行姿で大荷物を持った人間ですし詰めという劣悪な環境ですが、4両の急行を受けるのが3両の特急(各車1ドア)なのでそらこうなるわな、という感じもする。東武もその辺りは心得ていて、リバティの7分後に下今市から救済電っぽい鬼怒川温泉行きの普通列車が出るダイヤになっているのですが、惜しむらくは下今市のホームでの案内がなかった。「次の列車は特急だけど料金いらないです」と言われたらフツーの人はそりゃリバティ乗ってしまうよなあ。鬼怒川から先に行かない&別に急いでない人には後続の電車の利用をもうちょっと案内しても良さそうな気がしましたね。
そんなすし詰めのリバティに乗って、下今市から2駅目の大桑駅で下車。
決して混雑に嫌気がさしたわけではなく、もともとからここが目的地だったからいいんです。