青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

湯船で汽笛を聞きながら

2017年12月11日 18時00分00秒 | 野岩鉄道・会津鉄道

(湯野上、宵闇@湯野上温泉駅)

会津田島からディーゼルカーに揺られる事30分。今回の旅の目的地である湯野上温泉駅に到着した頃には、もう日もとっぷりと暮れてしまいました。湯野上温泉駅は、南会津の観光地として有名な大内宿の最寄り駅で、駅は全国でも珍しい茅葺き屋根の駅舎になっています。駅前に出るとさすがに日の落ちた会津は寒い…子供が吐く息が白くてSLみたいだと無邪気にはしゃいでいる。今日はここ、湯野上温泉の民宿に泊まる事になっています。


乗ってきた列車は、湯野上温泉で下り列車と交換待ちのために10分少々停車。後ろの土手に植えられているのは桜の木で、春には茅葺き屋根の駅舎と駅を囲むように桜が咲き、なかなかフォトジェニックな撮影スポットなんだそうだ。車内に会津田島から一緒だった会津っぽの爺さん二人組がいる。話を聞いていると、今日はこの先の芦ノ牧温泉で同窓会らしい。田島から芦ノ牧なんて普段だったらクルマなんだろうけど、飲んだら乗れないものね。


民宿に到着した旨の電話をして、駅まで車で迎えに来てもらう事に。湯野上温泉の中心街は駅から少し離れていて、歩いて15分程度の場所にあるんだけど、もう日も暮れて寒いのでね。子供に暗い道歩かしたくないし。と言う事で子供と駅の隣に併設された足湯で待つ事にします。この足湯、足湯にしてはエラい立派な作りで、小っちゃい子供だったらそのまま湯船にしてもいいくらいの大きさがあります。

 

今宵のお宿は、会津訛りの中国から来た元気なお母さんが切り盛りする湯野上温泉の民宿。夕飯に会津名物の馬刺しキター。おろしニンニクとゴマ油の合わせ技は至高。なんか煮魚とか餃子とか海老の炒め物とかすごく家庭的な雰囲気のおかずも次々と出て来るのも民宿っぽいね。子供には変に凝られた食事とか冷たくなったお子さまランチとか、大して食べるものもなく終わってしまいがちな旅館の夕食よりは全然こっちの方がいいよ。普通に美味しいおかずを受け止める白米がまた美味い。会津のコシヒカリの新米らしいけど、家で食ってるコメも新米だと思うんだがまるで別物だ。子供も「ご飯がおいしい」と炊飯器にお代わりを取りに行くほど。


小ぢんまりとした民宿なので、お風呂は内風呂だけで露天風呂などはありませんが、蛇口をひねれば純然たる湯野上温泉のお湯を使い放題。線路に近いので、湯船の窓を開けておくと時折思い出したように会津鉄道のDCが宿の裏を通過して行く音が聞こえます。子供と二人で浸かる湯野上の湯に今日の長旅の疲れを洗い流して、明日に備えてゆっくりと休むことに致しましょう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする