(夏草の築堤を@上総中野~養老渓谷間)
養老渓谷駅手前の朝生原の大築堤。名残りの夏の空を背負って、ベージュと朱色の気動車が駆けて来る。この築堤の背後に迫る小丘陵地が、養老川と夷隅川の分水嶺。この辺りは小湊鐡道でも一番の山深い場所で、人家もめっきり少なくなります。ここの大築堤は盛り土の量が多いせいか、豪雨によってたびたび崩れてはこの区間が不通になったりすることも。
築堤の下には沢水が流れ、おそらく以前は水田が広がっていたものと思われますが、既に耕作放棄地となった谷間は自然に還り始めています。申し訳程度に植えられた栗の木には栗のイガが青々と実っていて、熱を帯びた風に揺れる竹林とともに正しく房総の晩夏。BGMに久石譲の「Summer」とか流したくなる、そんな風景だと思う。朝生原の晩夏。