青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

奥久慈御見舞行

2019年11月03日 17時30分00秒 | 水郡線

(季節は過ぎる足早に@奥久慈のリンゴ)

9月に富山に行った後、10月は・・・まっこと天気が悪かった。ただ天気が悪いだけじゃなく、東日本に大規模な災害をもたらした台風と大雨の襲来という余計なオプション付き。10月の報道はほぼこれ一色だったと言っても過言ではありませんでしたが、そんな10月から時は流れて早くも11月。ようやく天気も落ち着いたかなという三連休の初日に、茨城県は奥久慈を訪ねて来ました。一応「今年の秋の紅葉は水郡線と箱根登山鉄道でも」なんてざっくりと考えていたのに、今シーズンの紅葉を待たずしてその2路線が被災してしまうとは思わなかった。別に方針撤回でも良かったんだけど、どうにも気持ちの整理が付かないので、いわゆる被災地支援?みたいな感覚も兼ねての訪問となりました。どうせ支援するならボランティアくらいやれよと言われそうですが・・・あちこちと撮影しながら、子供と一緒にこの地域の名物である「奥久慈リンゴ」をリンゴ狩りして来たんだけど、リンゴ園も久慈川のそばにあったので、駐車場の一部が陥没したりと大変だったらしい。それでもリンゴ園の人たちは水害以降観光客の足がぱったり止まったことを危惧していたので、若干のお役に立てたのが救いであった。

各種SNSでは、水郡線も一部区間を除いて11月1日(前日やんか)から運行を再開したというし、川沿いの被害が甚大だった地区以外は産業も観光もほぼ通常通りという話を聞いての訪問でしたが、いざ現地に行ってみると水害の爪痕はそこかしこにあって、その有様を生々しく確認することが出来ました。道の脇の空き地には水没して使えなくなったであろう災害ゴミが山のように積まれていて、それでも捨てきれない泥にまみれたゴミを焼く煙があちこちから立ち上っているような、そんな状況でありました。災害復旧対応のために、頻繁に大型ダンプが行き交う国道118号。被災地である事は知りながら観光目的で訪れた我々ですが、大子駅前の福祉会館はボランティアの受付センターになっていて、食事場所を探していた我々親子にはちょっと後ろめたいものがありましたね。

袋田と常陸大子の間の鉄橋(第六久慈川橋梁)が落橋しているため、水戸から来た列車が折り返している西金の駅。訪れた日の前日からようやく常陸大宮~西金間の運転が再開されて、水郡線沿線最大の町である常陸大子へはここからの代行バスになります。大子町内の南端である西金の駅は列車の交換設備こそありませんが、ここから線路に敷くバラスト用の砕石を積み出すための貨物列車が発着しており、上下両方向の出発信号機が設けられています。現状は袋田駅に折り返し設備がなく西金止まりになっているようですが、運休長期化なら袋田駅へ設備を設置しての休止区間の縮小も検討の余地がありそうです。

「チビロク」ことDD16が牽引する事で人気のある「西金工臨」。財源であるバラストを載せて走るはずのホキ車も、水害以降は運休のまま。西金までの運転再開に伴ってバラスト出荷の条件は整っているように思いますが、来週あたりからこちらも再開になるのかな。休みが長引いているせいか、心なしかホッパ部分がうっすらと錆び付いているような気がしましたね。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« さよならお山のモノレール | トップ | 常陸路の鮮色彩 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

水郡線」カテゴリの最新記事