(桜は、いつまでも待っている@旧名鉄谷汲線・更地駅跡)
4月。2024年の桜は、樽見鉄道を中心にした根尾谷の桜を愛でに行きました。岐阜県美濃地方の北部、根尾川の周辺は「根尾の薄墨桜」で有名な桜の名所。樽見鉄道では、谷汲口駅の桜が有名ですけど、そこにお邪魔する前に立ち寄ったのがこの駅の桜。名鉄谷汲線・更地駅跡。平成中期に全廃された「名鉄600V区間」のうち、最北の路線であった名鉄谷汲線は、谷汲山華厳寺へ向かう参詣鉄道として、廃線まで戦前生まれの旧型ツリカケ電車がのんびりと走っていた路線です。谷汲線が現役だった頃は、春になるとこの一本桜とオールドタイマーの赤い電車の組み合わせを求めて、多くの鉄道ファンがこの駅を訪れたそうです。この駅の春の情景を旧型電車と収めた写真の情景が素晴らしくて、いつか訪れたいと思っていたんですけどね。谷汲線の廃止って2001年(平成13年)9月のことなので、それこそ笠松競馬に行くついでにでも岐阜で一泊して訪れることは出来ていたのではないか。そう思うと、戻らない時計の針を無理矢理でも戻したくなる。
春は更地の桜、夏は根尾川に作られる赤石の簗(やな)、秋は谷汲山の紅葉、そして冬は根尾谷を白く染める雪景色。
四季折々を走る谷汲線の鉄路の風景を思い浮かべながら、今なお残されたのっぺらぼうのキロポストに語り掛ける、更地の春の朝です。
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