(海風の駅に夕日差して@堀ノ内駅)
土曜日は休日出勤。まあ休日出勤と言っても日中のちょっとした仕事をやっつけるだけだったんで昼過ぎには終わったんだけど、そのまま家に帰るにゃちょっと日が高い。なぜか一応確信犯的にカメラは持って来たので(笑)、京急の800型を撮りモノにする事にしました。正月が終わり節分までのこの時期と言えば、関東のお寺さんとかお不動さんで「ダルマ市」が開かれる所が多いじゃないですか。そして鉄道業界の「ダルマ」と言えば、京急の800型ですよね。ホームから東京湾がチラッと見える堀ノ内の駅で、いつものように快特の接続待ち。
赤い車体と幅広のワイドな前面窓がとってもダルマ的なこの車両。窓周りが白く縁取られているのが余計にダルマ感…こんなズバリなニックネームを頂戴するのも仕方がない(笑)。昭和53年デビューと京急では最古参のこの車両に、年末に大願成就の黒い眼が入れられるよう、今年一年の願いを込めての縁起物。
まずは浦賀の駅を出て行く800型を浦上台の俯瞰から。最近は朝晩を抜かせば800型はほぼ品川~浦賀の間の運用に固定されていますね。奥に見えるのが浦賀駅で、日中は10分に1本普通列車が折り返すだけの駅ですけど、れっきとした京急本線の終着駅。浦賀は三方を山に囲まれており、風の影響を受けにくいため、古くから歴史に名を残す良港として発展して来ました。
中央~県立大学の間の22号トンネル(平坂トンネル)へ。京急らしい石積み複線断面のトンネルから、検査上がって間もないのか下回りの塗装も新しい821編成が飛び出して来ました。塗装もパリッとしてかっちょいいですね。ちなみに、普通で品川から浦賀まで乗り通すとそこかしこで退避があるせいで2時間くらいかかります。元々快特などの優等運用ではなく普通車の体質改善を目的に開発された車両なので、デビューから主要業務は変わりありません。
同じポイントで先ほどの821編成の折り返しを。京急の普通は、看板列車である120km/hで走る快特の邪魔をせず、各駅で乗客を素早く拾いつつ退避駅まで逃げ込んで快特を先行させる能力が求められます。そのため、京急の現役車両では唯一の4ドア&オール電動車と言う仕様。都心部の短い駅間でも重い鋼体車両がフルノッチ&フルダッシュを繰りす様は豪快。そのモーター音はかなりの迫力で正直一般客には騒音以外の何物でもないのだが、おススメは京急田浦~安針塚間ですね。駅間距離が結構あるので800型の一番いいサウンドが楽しめますw
逸見駅にて。追浜~県立大学間は三浦半島の丘陵部がそのまま東京湾に落ち込む急峻な地形で、トンネルとトンネルに挟まれた駅が続きます。逸見駅は待避線を持つ2面4線の構造ですが、朝くらいしか通過待ちはやんないですね。ちなみにJRの横須賀駅は逸見駅から歩くのが一番近い。以前追浜でがけ崩れがあって京急が不通になっちゃった時、復旧するまで浦賀・三崎口~逸見折り返しってのをやってた記憶がある。
逸見駅俯瞰。逸見駅の構造は2面4線でもいわゆる「新幹線型」の駅で、中線2本は完全な通過線なのが特徴。完全に山肌にへばりつくように、段々畑かの如く住宅地が続く横須賀の街。この辺りのかなりの住宅が、家の前に車も通れないような急な階段の細道沿いに建っている。ちなみに横須賀市は全国でも有数の人口減少都市なのだが、正直ヘタな山村より急峻な地形に暮らしているこの地域が(逸見から田浦あたりね)「歳を取ったら住めない過酷な住環境」というのも一因としてあると思われ。結構住む人いなくて空き家になってしまった家、多いからねえ。
逸見から800型に乗って浦賀へ。今でこそ相応の車両数で運用に就いているものの、さすがにロールアウトからは35年を経過した鋼製車。ボチボチと初期ロットから久里浜工場の裏手でバラされているのを見てもいるので、そう長い事はないんだろうなって思います。車内に扇風機が付いていて、片開き扉の車両なんて基本スペック自体が貴重なもの。またこの椅子の藍色のモケットがとっても座りごこちがいいんだな。
浦賀駅にて。京急本線の終点でありながら、すっかり顧客の流動を久里浜線に奪われた落日の終着駅であります。朝しか特急も発着しないしね。かつては浦賀船渠(浦賀ドック)と観音崎の砲台を擁した首都防衛の拠点。近年までも造船大手の住友重機械工業が工場を構えていましたが、今は追浜に移ってしまったのよね。それでも古くからの首都防衛の拠点としての軍部との結びつきは強く、走水の防衛大学校の生徒がホームを歩くのも浦賀ならでは。
夕日を浴びる浦賀駅のホームを、優しい顔のダルマさんが出発して行く。ちなみに普通で品川まで乗り通しだとここから堀ノ内、金沢文庫、南太田、子安、京急鶴見、平和島で優等に追い越されます(笑)。個人的な意見ですが、普通乗ってる時の南太田の退避ってすげー長く感じる。小田急線で言うところの昔の東北沢的な…。
去ってゆく ダルマに願う 大願成就。
字余り。
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