(1日2便のバスが待つ@上総鶴舞駅前)
ここも大銀杏が美しい上総鶴舞の駅前。上総鶴舞の駅は、大多喜街道(国道297号線)沿いに駅前広場を持ち、小湊鉄道バスの停留所があります。駅前から発車するバスは茂30系統の茂原駅南口行きですが、平日が朝夕2便、土休日が朝の1便のみと極めて少ない。駅の利用者数からしてやむを得ない本数ではありますが、こうして駅前にバスが止まっているのも極めてレアな風景ですね。実際初めて見たし(笑)。
「関東の駅100選」に認定され、その「田舎の駅」然とした佇まいからCMやドラマなどでもよく使われる上総鶴舞の駅。確かに日本人の心象風景に溶け込むような懐かしさを持っている感じがするのでありますが、その一つはこの駅のホームから見た養老渓谷方面の風景にあると思う。緩やかにカーブするホームから、田園の向こうに果てしなく伸びて消えて行くような線路。何だか物語的な雰囲気がありますよね。
駅から田んぼのあぜ道を歩き、その線路の向こうを見に行ってみる。線路は右カーブから4種踏切を抜け、緩く丘を下って上総久保の駅へ向かっているのだが、この秋空と大地の拡がりは何だか北海道のようだ。一応列車を入れたカットも撮ったんだけど、この風景には列車を入れても野暮になっちゃうかも。
振り返れば、大銀杏と上総鶴舞の駅。さっき目の前を通り抜けて行った単行の五井行きがホームに止まっている。転轍機の矢羽がいい感じ。上総鶴舞の駅には使われなくなった農業倉庫と何本かの貨物側線が残されているのですが、大多喜街道沿いの立地からしても往時は周辺の集落からそれなりの物量の農産物が集められたのでしょう。
秋の日に舞い散る大銀杏の枯葉と鶴舞駅舎。鶴舞駅の大銀杏は駅舎の北側にあるので、なかなか列車と絡めて撮影するのは難しいですね。銀杏の葉は半逆光に透かし気味、駅舎と列車を入れ込んで一枚。アタマの上から落ちて来るギンナンの匂いがちょっとアレだが、いっぱいに秋を感じるカットにしてみました。
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