(鶴舞の一本の木@上総鶴舞~上総久保間)
上総鶴舞の駅から、列車が上総久保に向かって緩やかに田んぼの中のスロープを下って行くその途中。田んぼのあぜ道の間の堀割りの横に、大きく目立つ一本の木があります。鶴舞駅の南側にある柳町踏切から眺めるとよく見える。房総の里山を背景に、大きく葉を茂らせるその木。いつもは遠目からこんな感じで小湊キハと絡めて構図のアクセントに使うことが多かったのだけど、たまには間近まで寄って見てみましょうか。
柳町踏切から、お寺さんの脇の農道をぐるっと歩いて一本木のたもとに来てみる。間近で見ると、思ったほどは大きくない。北海道の美瑛辺りにこういう草原の真ん中の一本木みたいなのがあって有名だけど、あれはなんつったかな、そう、ケンとメリーの木。スカイライン(ケンメリ)のコマーシャルに出て来て一世を風靡した、あのポプラの木のようでもある。それとも我々世代には、「世界!ふしぎ発見」で流れる「日立の木」のCMのほうだろうか。この木なんの木気になる木。
牛久以南の小湊沿線、基本的には列車の運行が1時間~1時間半に上下1往復くらいなので、早くも夏っぽい房総の空を見ながら列車が来るまで木陰に寝転ぶ。すぅーと青空に綿のような雲が流れ、そして体をそよそよと風が抜けてなおのこと心地よい。木陰でスマホをポチポチといじりながら、何の木だろう?と調べてみたら、どうやらこの木は「榎(えのき)」の木らしい。低い位置から枝分かれし、木陰を多く作りながら大きく育つので、神社の御神木や公園などの木としてポピュラーな樹木だそうで。エノキ、ボンバイエ。
小一時間、榎の木の下でぼんやりと優雅な時間を過ごした後に現れたのはキハ214。プレスドアなし、尾灯回転板なしのキハ200グループ一番の新車。新車って言っても車歴40年を超えてはいるんですけどね。パチクリ目玉がないので、何となくスッキリした顔回りが特徴。キハ40の投入はあれど、やはり小湊はキハ200の牙城であって欲しい。いずれそうではなくなる時代が来るのだとしても、それまではこの丸みのある、いかにも日車標準型らしいキハの姿を愛でていたいものです。
笑ってしまいました(電車の
中です)