(信仰の道に立つ@本宮集落・念法寺)
本宮集落にある念法寺の大伽藍。本宮集落の「本宮」とは、この寺のはす向かいにある立藏神社がかつては立山の雄山神社の本宮とされたことによるもの。この本宮集落と対岸の芦峅寺の集落は、立山信仰の信徒が住む信仰に篤い土地で、立山開山の祖と言われた佐伯有頼(さえきありより)の出身地でもある。富山地方鉄道の祖でもある富山電鐵の創始者・佐伯宗義も、雄山神社の神職を務める家の後継者として、立山は芦峅寺の集落に生まれています。
大伽藍の裏に回ると、小さなお堂と親鸞聖人の像があった。親鸞聖人と言えば浄土真宗の開祖。北陸地方は浄土真宗の信仰の強い地域として有名ですが、北陸への布教の広がりは、室町時代に後継の蓮如上人によって行われたそうです。立山信仰は山岳信仰と仏教信仰のハイブリッドとも言われ、浄土真宗の思想も大きな影響を与えていて、例えば称名滝の「称名」というのは浄土真宗の「南無阿弥陀仏」という題目を唱えながら祈りを捧げる「称名念仏」から取られていますし、室堂に繋がる「弥陀ヶ原」なんてのも阿弥陀如来がその地名の起源だったりします。
森閑とした念法寺の境内。
信仰の山を降りて行く地鉄の電車の輪音が、束の間の静寂を破ります。
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