青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

時を超えてもいい湯っこ

2019年02月11日 17時00分00秒 | 温泉

(津軽の名湯・日本の名湯@新屋温泉)

尾上高校前の地吹雪の中で約2時間。すっかり冷え切った体を温めるために、平賀の町はずれにある新屋(あらや)温泉にやって来ました。「みどりの天然温泉」のキャッチフレーズでツウ(マニア)な温泉愛好家の方々の高い評価を一身に集める津軽の名湯であります。一般的な旅行好きの人に「津軽の名湯」って聞いたら酸ヶ湯とか青荷とかそーいう話になるのかもしんないけど、ほら、ここはそーいう一般的な話をするブログではないのはココをお読みの紳士淑女にはお分かりいただけるはず…


この新屋温泉が「名湯」と評されるのは、やはりその泉質の良さに他ならない。浴場については撮影禁止になっていたため貰って来たパンフレットで失礼させていただきますが、まずこの湯の美しさ。クリアなミントリキュールを思わせるエメラルドに輝くお湯。そしてお湯から放たれる芳醇な硫黄臭と、少しガソリンを思わせる揮発性の刺激臭の合わさった複雑な香り。入ればツルツルと滑らかな肌触りで、湯上り後はポカポカと温まる。あまり温泉の良さを伝える語彙力に乏しいのであるが、ここの良さは入ってみなけりゃわがんねなあという事で(笑)。


ちなみにココに来たのは15年ぶり。当時のデジカメ画像を引っ張り出してみる。基本的な浴室の作りは今も特に変わっていない。浴槽の真ん中から突き出る温泉のボーリング用のケーシング管から、噴水のようにサワサワとお湯が注がれている光景もあの頃のままであった。平日の真昼間ではありましたが、浴室には私の他に常に2~3人の客がいて、代わる代わる湯あみを愉しんでいる。パンフレットにはエメラルドグリーンに輝くお湯が紹介されていますが、今回は少し白濁してクリームメロンソーダのような色。体を洗って少し深めの浴槽に身を沈めると、地吹雪で冷え切った足先からジワジワと溶けていくようで、思わず「あ゛ぁ~」と声にならない声が漏れた。


湯上がりに休憩所で飲む炭酸飲料の美味さよ。番台で番をしていたおかみさんと目が合って少し話をしたのだが、「お湯が『いつエメラルドグリーンになるんですか?』ってよく電話がかかって来るんですけど、こればっかりは分からないんですよね~」と言って笑っていた。神奈川県から夜行バスに乗って15年ぶりに訪れた事を伝えたら「それはそれは遠いところから…」とエラく驚いていたのだが、おそらく私のようなマニアは決して少なくないハズだ(笑)。


青森はとにかくこの新屋温泉のような温泉を使った銭湯がそこかしこにあるのだが、そのどれもが信じられないほど朝早くから開いていてそして安い。だいたい朝5時半からやってて料金350円と言うのがスタンダードか。そんな朝早くから開けて客なんか来るの?と思うんだけど、それがガッツリ客がいてオヤジどもがザッバザバお湯を使っているのだよね。「エクストリーム出社」なんて言葉が世に出る前に、青森の人々は「エクストリーム銭湯」をガッツリ決めて颯爽と仕事に向かっていたのであろう。ちなみにココ新屋温泉はさすがに冬の時期は9:00開店で朝湯はやってないそうだが、4/1からは朝5:30のオープンだそうだ。しかも朝湯だと湯銭は200円。そら毎日来る人が来るのも頷ける。

15年前の外観と今の外観を、ほぼ同じ位置から撮影してみる。
変わってないなあ~!!なんて思っていたのだが、よくよく見ると細かいところは変わっているね。
変わらないのはお湯の良さだけ、か。
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