(暗き森に鮮やかに咲く@川根小山)
朝方訪れた川根小山、この駅に咲く桜の雰囲気が忘れがたく、再び戻って参りました。朝方の光に照らされた華やかな雰囲気とはまた違って、山影の薄暗がりに沈む森をバックに咲くその姿も良いコントラスト。見方を変えると、朝の光よりも暗い森をバックにしたほうが印象としては強いような気もします。簡素な丸太で組まれた待合室のみが残る川根小山の駅ですが、ここも沢間の駅みたいに昔は駅舎があったのかなあ。ここで狙うのは井川線の最終列車。17時前でもう最終列車になってしまうのが井川線。
列車接近を告げる構内のブザーが鳴り、トンネルの向こうから千頭行きの最終列車が川根小山の駅に進入して来ました。大きな桜を暗い森に沈めると、その姿がまるで花札のように浮かび上がります。DDのヘッドマークと合わせれば、それはまさに奥大井櫻屏風、といった風合い。
最終列車は井川線らしいDD先頭の客車5両の基本編成。小さくても機関車先頭の客レと言うのは風格を感じるものですが、残念ながら車内にほとんど乗客の姿はありませんでしたね。最終に乗っても千頭で金谷行きが1時間待ちになってしまうのがツライところ。本線の普通列車も減便するんであれば、もう少し井川線の接続には気を配ったダイヤがあっても良いと思うのだけど。ちょっと前までこの後にもう1本接岨峡温泉発17時台の最終区間列車があって、秋から冬の日の短い時期にはバルブっぽい撮り方が出来た覚えがある。まあ完全に観光鉄道と化した井川線に、景色の見えない日没後に列車を走らせる意味があまりないのかもしれない。
ただ、本線ではSLナイトトレインなんて銘打って「SL&旧客で夜汽車の旅」を味わうツアーも開催されてたりするんですよね。割とナイトアドベンチャー的な趣向で、夏の夜の井川線ツアーとかやってみても面白いのではないでしょうか。さすがに宿泊はしないと日程的にきつそうなので、そこは寸又峡温泉の旅館とタッグを組んだりしてね。