以前、人間ドックに行った話をこのブログに書いた。
(11月16日付 「正暦寺」)
実は、あの日にはPET(ペット)検査というガン検診も受けていた。会社の健保組合の斡旋に応じたもので、検査費用は10万円以上もする。
申し込みには少し迷ったのだが、私の祖父は胃ガンのため40代で亡くなっており、父も肝臓ガンで60代で死んだ。昨年のドックでは私も「便潜血反応が出ているので、念のため内視鏡検査を受けてはどうか」と言われていた。つまり大腸ガンの検査だが、私は放っておいた。今回、これらの心配を一掃しようと、この検査を受けることにした。
PET検査とは、ブドウ糖を注射し、その吸収度合を見る検査だ。ガン細胞は通常の細胞より糖分を多く吸収するので、透視するとそこだけが黒く写る。これで、たいていのガンが早期発見できるらしい。
PET検査自体は楽なものだが、ドックと合わせて申し込んだので、この日はまる1日検査漬けだった。保健婦さんにも「平日に休みを取ってドック、土曜日にPETと分けるのが普通ですよ」と言われてしまった。
朝の10時に検査が始まって、最後にPET検査の結果が出る。瞳孔の開いた目にフラッシュを当てられたり胃カメラを飲まされたりと、体はヘトヘトだった。
PETの結果を知らされたのは夕方の5時だった。パソコン画面に映し出された透視図を前に、医師の語った言葉は
「甲状腺ガンの疑い」
だった!
甲状腺(首の部分)に約3.5ミリの黒い点が写っていたのだ。
しかし「これだけではガンと断定できないので、別の日に首の超音波検査(エコー)を受けなさい」と言われた。
ショックだった。ガンだとしてもごく初期なので切れば良いのだが、入院とか手術とか縫合という言葉が浮かび、暗澹とした気分になった。もはや「ほぼ好日」などとは言っていられない。
それから1か月がたち、いよいよ今日が再検査の日だった。休暇を取り、朝から病院に出かけた。妻も心配してついて来てくれた。
エコーはすぐに済んだ。写真には虫食い穴のような模様が写っていた。
妻と一緒に聞いた医師の診断は
「ガンではありません。軽い炎症のようなので心配は要りませんが、念のため血液だけ調べておきましょう」
だった!
嬉しくなって、思わず妻と顔を見合わせた。あーよかった、よかった。
家に帰ると、庭の山茶花が、今日はひときわ輝いて見えた。
(11月16日付 「正暦寺」)
実は、あの日にはPET(ペット)検査というガン検診も受けていた。会社の健保組合の斡旋に応じたもので、検査費用は10万円以上もする。
申し込みには少し迷ったのだが、私の祖父は胃ガンのため40代で亡くなっており、父も肝臓ガンで60代で死んだ。昨年のドックでは私も「便潜血反応が出ているので、念のため内視鏡検査を受けてはどうか」と言われていた。つまり大腸ガンの検査だが、私は放っておいた。今回、これらの心配を一掃しようと、この検査を受けることにした。
PET検査とは、ブドウ糖を注射し、その吸収度合を見る検査だ。ガン細胞は通常の細胞より糖分を多く吸収するので、透視するとそこだけが黒く写る。これで、たいていのガンが早期発見できるらしい。
PET検査自体は楽なものだが、ドックと合わせて申し込んだので、この日はまる1日検査漬けだった。保健婦さんにも「平日に休みを取ってドック、土曜日にPETと分けるのが普通ですよ」と言われてしまった。
朝の10時に検査が始まって、最後にPET検査の結果が出る。瞳孔の開いた目にフラッシュを当てられたり胃カメラを飲まされたりと、体はヘトヘトだった。
PETの結果を知らされたのは夕方の5時だった。パソコン画面に映し出された透視図を前に、医師の語った言葉は
「甲状腺ガンの疑い」
だった!
甲状腺(首の部分)に約3.5ミリの黒い点が写っていたのだ。
しかし「これだけではガンと断定できないので、別の日に首の超音波検査(エコー)を受けなさい」と言われた。
ショックだった。ガンだとしてもごく初期なので切れば良いのだが、入院とか手術とか縫合という言葉が浮かび、暗澹とした気分になった。もはや「ほぼ好日」などとは言っていられない。
それから1か月がたち、いよいよ今日が再検査の日だった。休暇を取り、朝から病院に出かけた。妻も心配してついて来てくれた。
エコーはすぐに済んだ。写真には虫食い穴のような模様が写っていた。
妻と一緒に聞いた医師の診断は
「ガンではありません。軽い炎症のようなので心配は要りませんが、念のため血液だけ調べておきましょう」
だった!
嬉しくなって、思わず妻と顔を見合わせた。あーよかった、よかった。
家に帰ると、庭の山茶花が、今日はひときわ輝いて見えた。