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恵心僧都源信が開いたぽっくり寺/毎日新聞「なら百寺参り」第18回

2019年08月10日 | やまと百寺参り(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は『奈良百寺巡礼』(京阪奈新書)の刊行を記念して毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「やまと百寺参り」を連載している。

今週(8/8)掲載されたのは「源信ゆかりのぽっくり寺/吉田寺(きちでんじ 斑鳩町)」、執筆されたのは奈良市在住の大久保衛(まもる)さんだった。斑鳩町の住宅地の中にひっそりとたたずむお寺だが、本堂にはたくさんの木魚が並び、多くの人の信仰を集めていることがうかがえる。では、全文を紹介する。

吉田寺は永延元年(987)に恵心僧都(えしんそうず)源信(げんしん)が開きました。源信は『往生要集』を著した日本浄土教の先覚者で、「法然や親鸞も、源信がいなければ存在し得なかった」とまでいわれている高僧です。

母の臨終に際し、源信が念仏を唱えながら衣を着せかけて「南無阿弥陀仏」と唱えたところ、安らかに極楽往生をとげました。母の三回忌に源信は阿弥陀如来像の造立を発願、それが本尊の木造阿弥陀如来坐像(重文)です。木造では県下最大で「大和のおおぼとけ」と呼ばれます。

初めて吉田寺にお参りの方は、本堂にずらりと並べられた多くの木魚に驚かれるかも知れません。源信の母にならい、長わずらいせず、下の世話にもならず、安らかに旅立ちたいという人々の祈りの場所なのです。

日本は世界でも最速で12年前に超高齢社会(高齢者人口が全体の21%超)を迎えました。遅かれ早かれ皆に平等に訪れる臨終を安らかに迎えたいと祈る寺、それが別名「ぽっくり寺」と呼ばれる吉田寺です。

(宗派)浄土宗
(住所)生駒郡斑鳩町小吉田1-1-23
(電話)0745-74-2651
(交通)JR法隆寺駅から徒歩約20分。またはJR・近鉄王寺駅からバス「竜田神社」下車、徒歩約5分
(拝観)9:00~16:00
(駐車場)有(無料)


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