tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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御所愛はぐくむ契機に!「御所検定問題集」2021

2021年04月09日 | 奈良にこだわる
先週(2021.4.3)の奈良新聞に、《目指せ!「御所博士」検定問題集を作成 市内の児童ら挑戦へ 御所市商工会青年部》という記事が出ていた。冒頭部分は、

御所市商工会青年部(田中曜平部長、25人)は2日までに、小学5・6年生を対象にした「御所検定問題集」(A4判16ページ)を400部作成した。問題集は市立小学校7校に届け、各校で児童が問題に取り組む。地域の歴史や魅力を知ってもらおうと、昨年5月に企画立案。12月ごろから会員が手分けし、問題集に仕上げた。同市では4年生までに市の歴史を学ぶ授業があり、児童らは力試しに取り組む。

これは良い試みだ。御所市商工会のHPを見てみると、問題集のPDFデータが載っていた。例えばこんな問題だ。

3.毎年11月の第2日曜日に御所まちで山伏おねりや町屋の特別公開が行われる祭りは何でしょう。
a.霜日祭 b.霜月祭 c.霜星祭 d.霜雲祭

9.「玄関の鍵をおとした。」鍵をおとしたはこの辺りの方言ですが、どのような意味でしょう。
a.鍵を落とす b.鍵を閉める c.鍵を開ける d.鍵を拾う

14.「蛇穴」の読み方はどれでしょう。
a.へびあな b.じゃあな c.さらぎ d.くじら


記事の末尾では《東川裕市長は「御所を愛してもらう契機になる」とした上で、「昔は家庭でおじいちゃんが話していたような内容だが、今はテレビやネットの普及で途絶えているのでは。大人にはまちの魅力を伝えていく責任がある」と喜んだ》。この記事をもとに、同紙のコラム「国原譜(くにはらふ)」がこんなことを書いていた。

以前、関西キーの某ラジオ放送でアナウンサーが、御所市を「ごしょし」と発音し、訂正もなかった。同市が舞台の葛城王朝説を踏まえているなら博識だが、単なる読み違いだったのだろう。葛城王朝説は、いわゆる大和朝廷以前に、葛城王朝が実在していたとする。

通説ではないものの、御所市内で古代の豪族、葛城氏の大規模な住居跡が発掘されている。御所市を担当していた記者時代に分かったのだが、市にはこのように歴史のロマンあふれる史跡、名所が数多い。全国的な知名度があまり高くないのが惜しい。

地域の歴史や魅力を知ってもらおうと、御所市商工会青年部が小学5、6年生を対象とした「御所検定問題集」を作成した。市内小学校7校の児童が問題に取り組む。御所は市民によるまちおこしの活動が活発だ。

江戸時代の町屋が残る市中心部「御所まち」をPRする11月の霜月祭(昨年はコロナ禍で中止)も、すっかりおなじみになっている。奈良のブランド力は全国屈指なのに、地元の良さを自覚しない県民が目立つ。郷土愛に乏しいとされる県民性の改革を。(栄)


私は和歌山県出身・奈良市在住の身であるが、これまでに2回、御所市民からのご依頼で御所市内で御所市民対象に、御所の歴史や社寺に関する90分の講演をさせていただいた。最初は不思議に思ったが、「ははーん、御所は歴史が奥深すぎて、市民でさえ理解するのが難しいのだな」と納得した。この問題集で市内の小学生の地元理解が深まり、ひいてはそれが郷土愛につながることを大いに期待している。

御所市商工会青年部さん、とても良い企画でした、ありがとうございました!





コメント
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