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アカダマ元店主の大槻旭彦さんが「奈良新聞文化賞」受賞!(2021 Topic)

2021年11月06日 | お知らせ
奈良市小西町にあった喫茶名店「可否茶座(コーヒーちゃざ)アカダマ」元店主の大槻旭彦(てるひこ)さんが、2021年度の「奈良新聞文化賞」に選ばれた、おめでとうございます!
※トップ写真は、奈良新聞(2021.11.3付)から拝借。中央最奥が大槻さん

大槻さんはNPO法人「奈良まほろばソムリエの会」の前身、「奈良まほろばソムリエ友の会」の立ち上げメンバーのお1人で、発足当初の役員(幹事)として、広報部会をご担当いただいた。奈良新聞(2021.11.3)の8面に載った特集記事は末尾の画像をご覧いただくとして、1面の冒頭には〈奈良新聞文化賞授賞式 木下さんら3氏表彰〉として、次のように紹介されていた。

文化、芸術、スポーツなど県内の各分野で活躍する個人・団体を表彰する第26回奈良新聞文化賞の授賞式が2日、奈良市法華寺町の奈良新聞社で行われ、東京学芸大学名誉教授で明日香村文化財顧問の木下正史さん(80)、天理大学ラグビー部監督の小松節夫さん(58)、奈良市の高畑地域の歴史を本にまとめた郷土史家、大槻旭彦さん(76)の3人に賞状と記念品が贈られた。

式には受賞者3人と奈良新聞社役員らが出席。田中篤則社長は「奈良新聞は歴史やスポーツを中心に、深掘りした記事をデジタルで発信しようと改革を進めている。その中で文化、スポーツ分野の皆さんにこの場に来ていただけるのは大変ありがたい。この賞が皆さんの今後の活動に少しでも役に立てば」とあいさつし、賞状を手渡した。


「アカダマ」閉店時には、当ブログでも紹介させていただいた。「世界一美味しいコーヒー」と言われたこともある、素晴らしいコーヒーだった。なお受賞理由となったのは『奈良 高畑町界隈~その歴史と伝承~』(私家版 税込み1,500円)。本書の「著者紹介」には、

大槻旭彦(おおつきてるひこ)さん
1945年 奈良市生まれ。
1967年 同志社大学経済学部卒、考古学研究会所属。
2013年 奈良大学文学部文化財歴史学科卒。
奈良市で祖父の創業した昭和4年創業のアカダマ薬局を受け継ぎ、1973年から父の後を継ぎコーヒー店アカダマを40年経営。
元南都楽所楽師、前奈良県かるた協会会長、奈良まほろばソムリエ。


本書の内容は、奈良の情報ブログ「鹿鳴人のつぶやき」に詳しいが、大槻さんご自身が運営される「アカダマブログ」には、次のように紹介されていた。

奈良 高畑町界隈~その歴史と伝承~
長年の夢であった標記の本を、この度刊行いたしました。私は奈良生まれの奈良育ちですが、生まれたのは奈良の中心街、東向商店街の真ん中で、そこで20歳まで過した後、高畑に転居しました。それでも、もう高畑に暮らして半世紀以上が立ちます。

春日大社との変わりは高畑に転居するより古く、父が戦後の最初の春日大社の宮司であった水谷川忠麿氏と親しく、戦後、全く未知の土地に引っ越し、土地の人たちとも交流のなかった水谷川氏と奈良の人たちとの交流の場をもうけようと、十日会という宮司を囲む会を立ち上げたことから始まります。この会は今でも存続してはいますが、発起人はすべて鬼籍に入り、メンバーも入れ替わり、当初の趣旨を知る人もいなくなっています。

それはさておき、そういうことで、春日大社に父に連れられ子供の頃から出入りしていましたが、さらに、大学に入った年に、何を思ったのか、その当時の春日古楽保存会今の南都楽所に入り、雅楽を始めてしまったので、稽古もあり以前にもまして、春日に出入りする機会が増えました。

そういうわけで、春日大社というのは私にとっては、むしろ意識にない空気のような当たり前の存在でしたが、退職後奈良大学に入り、卒業論文のテーマを選択するにあたり、春日大社を取り上げようと思ったのは自然な流れでした。

ところが、そこで思いもかけず、担当の寺崎教授よりこのテーマは難しすぎるからやめておけと言われ、逆に火がついてしまいました。後で聞くと、先生は、最初覚悟を試すため誰にでも一度はクレームをつけたそうで、私も見事にその罠にはまったようです。

こうして春日大社の成立について卒論で取り上げたのですが、やはりあまりにも奥行きが深く、とても調べつくすことはできず、卒業後も継続して色々調べていたのですが、こうした時、高畑の自治会長の役が回ってきました。

その年の地蔵盆、町内の地蔵さんの由来について話を聞く機会があり、興味に惹かれ調べ始めたのですが、これが意外と奥が深く、高畑町の歴史を知らべる必要があり、いわゆる社家(しゃけ)町の歴史、そして社家の歴史、そして春日大社の歴史と結局、気が付けば元の卒論のテーマへと戻ってきました。

さらにはその過程で、鏡神社の先代宮司が集めた伝承の数々を見せていただく機会もあり、ますますテーマが広がっていき、その時に調べたことを本にしたのが今回の本です。本の詳細については下記をクリックしていただければと思います。
http://nara-furukoto.shop-pro.jp/?pid=157046346


いろんなご縁と偶然が積み重なって生まれた『奈良 高畑町界隈~その歴史と伝承~』、あまり土地勘のない私にはやや難しかったが、春日大社や高畑町、社家町の歴史を知るには格好の本だった(私は啓林堂書店奈良店で購入した)。大槻旭彦さん、おめでとうございます、今後ますますのご活躍を祈念しています!

コメント (2)
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