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壁画で知られる高松塚とキトラ古墳/毎日新聞「かるたで知るなら」第31回

2021年11月28日 | かるたで知るなら(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は同会が制作した「奈良まほろばかるた」を題材に毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「かるたで知るなら」を連載している。先週(2021.11.25)掲載されたのは〈人物、星宿図鮮やかに/高松塚とキトラ古墳(明日香村)〉、執筆されたのは生駒市在住、奈良まほろばソムリエの会副理事長の小野哲朗さんだった。小野さんはガイドに講演にと、精力的に活動されている。では、記事全文を紹介する。

〈壁画で知られる高松塚とキトラ古墳〉
明日香村の高松塚、キトラの二つの古墳は石室に壁画が描かれており、国の特別史跡(壁画は国宝)に指定されています。高松塚古墳は下段23㍍の円墳で、地元民がショウガ貯蔵のため穴を掘っていたところ、奥に古い切石が見つかったのが発端です。1972(昭和47)年の調査で棺(ひつぎ)を囲むように石室内壁の漆喰(しっくい)に鮮やかに彩色された壁画がみつかりました。

男女16人の人物像が細かく描かれ、玄武・青龍・白虎の図や日月像、星宿図なども発見されました。飛鳥時代の服装などを知る貴重な資料でもあり、連日のように報道され、日本中に考古学ブームが巻き起こりました。被葬者は出土した人骨などから熟年男性で有力皇族と推定されています。壁画は近くの修理施設で修理をし、「高松塚壁画館」で壁画の復元図が紹介されています。

キトラ古墳は下段14㍍の円墳で83(昭和58)年、ファイバースコープによる調査で内壁の漆喰に獣頭人身十二支像や四神図、極めて精巧な天文図(世界最古)、日月像などが発見され、第2のブームに。被葬者は皇族に関係する人物と推定されています。カビの発生で変質を防ぐため壁画ははぎ取って修復され、保存管理して定期的に公開もされています。

「キトラ古墳壁画体験館 四神の館」では壁画や出土品が展示されています。二つの古墳は共に山の稜線(りょうせん)を少し下がった斜面に築造されており、7世紀末から8世紀前半の風水思想に基づく終末期古墳とされています。(奈良まほろばソムリエの会副理事長 小野哲朗)

【高松塚古墳】
(住所)明日香村平田
(電話)壁画館 0744-54-3340
(交通)近鉄飛鳥駅からバス停「高松塚」下車
【キトラ古墳】
(住所)明日香村阿部山
(電話)四神の館 0744-54-5105
(交通)同駅からバス停「キトラ」下車


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