tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

世界最古の木造建築 法隆寺/毎日新聞「かるたで知るなら」第39回

2022年02月08日 | かるたで知るなら(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は同会が制作した「奈良まほろばかるた」の各札を題材に毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「かるたで知るなら」を連載している。

先週(2022.2.3)掲載されたのは〈貴重な現存古代寺院/法隆寺(斑鳩町)〉、執筆されたのは奈良まほろばソムリエの会会員で画家の佳山隆生さんだった。佳山さんは「奈良の画家 佳山隆生」というサイトも運営されている。では、記事全文を紹介する。

〈世界最古の木造建築 法隆寺〉
2021年は聖徳太子の1400年忌の節目の年となり、太子建立の法隆寺では、遠忌(おんき)法要が厳かに行われました。法隆寺の西院伽藍(さいいんがらん)には金堂や五重塔など世界最古の木造建築物群が現存し、1993年に日本で初めて「法隆寺地域の仏教建造物」として世界遺産に登録されました。

仏教は中国大陸・朝鮮半島から伝わりましたが、大陸では度重なる戦乱や天災で当時の建造物は失われており、法隆寺こそが、東アジアの古代木造寺院の姿を今に伝える貴重な存在なのです。その中でも、ひときわ古い建物が世界最古の木造建築とされる国宝・金堂。その威厳ある風格と堂々たる姿には、随所に飛鳥時代の建築様式を見ることができます。

深い軒を支える雲のような形をした雲斗(くもと)や雲肘木(くもひじき)と呼ばれる組物(くみもの)が特徴ですが、それだけでは支えきれず、二重目の屋根の四隅に支柱がたてられ、後に龍の彫刻が取り付けられました。

また、寺のシンボルとなる五重塔は日本最古の塔です。塔は上層になるほど塔身の幅が細くなりますが、法隆寺の場合は、五層の幅が初層(しょそう)のちょうど半分になっているため、その安定感と優美な姿に、他の塔にはない魅力を感じます。

高さは約31㍍。地震が多い日本で1300年以上も倒壊していません。塔の中心を貫く心柱(しんばしら)が建物から独立して他の骨組みと直接つながっておらず、制振装置として揺れを吸収することが耐震性の秘密の一つです。このように、法隆寺の伽藍には、先人の知恵が集積しているのです。(奈良まほろばソムリエの会会員 佳山隆生)

【法隆寺】
(住所)斑鳩町法隆寺山内1-1
(交通)JR法隆寺駅から徒歩約20分、またはバス「法隆寺参道」下車すぐ
(拝観)8〜17時(11月4日~2月21日は16時半まで)、一般1500円
(駐車場)周辺に民営あり
(電話)0745・75・2555


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「餅商一ツ橋」(五條新町)... | トップ | 田中利典師の『よく生き、よく... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

かるたで知るなら(毎日新聞)」カテゴリの最新記事