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元禄年間の醤油蔵を改装した「NIPPONIA 田原本 マルト醤油」、8月29日開業!(2020 Topic)

2020年08月15日 | 観光にまつわるエトセトラ
「奈良最古のしょうゆ蔵ホテル、29日開業 ファンドも投資」という記事が、日経新聞電子版(2020.8.14 15:00)に出ていた。元禄年間の1689年に開業した奈良県で現存最古の醤油蔵が、ホテルに生まれ変わるのだという。南都銀行などが出資した「奈良古民家まちづくりファンド」が投資した。全文を紹介すると、
※トップ写真は、同ホテルの公式HPから拝借した

しょうゆ醸造のマルト(奈良県田原本町)は県内最古のしょうゆ蔵を改装した宿泊施設「NIPPONIA(ニッポニア)田原本 マルト醤油」(同)を29日に開業する。築130~140年の建物を全7室(収容人数は約30人)の宿泊施設に改装した。しょうゆ蔵は江戸時代の1689年に醸造を始め、1950年ごろに閉鎖したが、最近になって再開している。大和の食文化の歴史を発信しようと、しょうゆを使った料理を楽しめるレストランも併設する。

改装費は総額約2億円で国や県の補助金も活用した。南都銀行と古民家再生のNOTE(ノオト、兵庫県丹波篠山市)、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)が100%出資するSMFLみらいパートナーズが設立した「奈良古民家まちづくりファンド」が6000万円を投資した。マルトが発行した無担保社債を引き受けた。


老舗の醤油蔵が客室数7室のホテルになるとは、驚きだ。同ホテルのFacebookには、

1689年(元禄2年)に創業した、マルト醤油醸造所。 奈良最古となるマルト醤油は、地元産原材料と天然醸造製法にこだわって、丁寧に醤油づくりを続けてまいりました。 ⾵味豊かなお醤油は皇室御⽤達でもありましたが、⼤戦後、⾷糧難により閉業。 それから70年を経たいま、眠っていた蔵元の再興をかけて、宿として新たに開業いたしました。

また同ホテルの公式HPには、

天から稲穂を携え舞い降りた「三穂津姫(みほつひめ)」を祭る土地、田原本。“生命”と“成⻑”を司り、日本の食文化の原点となったこの地には、300余年の歴史を刻む醤油蔵が眠っていました。1689年に創業した『マルト醤油蔵元』。かつてこの蔵では、光・水・土に恵まれた地の利と人の和に、時を重ね合わせ、天然醸造の醤油を育んでいました。

古から変わらない田畑の原風景。大和の伝統的工法を用いて建築された歴史ある醤油蔵。今なお息づく地域の営み。こののどかな地で、醤油蔵に70年眠り続けた菌が命を宿し、新たな穣り(みのり)を味わう時をつくります。


三穂津姫は『日本書紀』に登場する神で、高皇産霊(タカミムスビ)尊の娘で、大物主神(大国主神)の后。マルト醤油から徒歩3分の「村屋坐彌冨都比賣神社」(むらやにますみふつひめじんじゃ)、通称「森屋明神」に祀られている。

江戸時代の田原本は、大和川の水運を利用した農商工業が発達した町だった。マルト醤油は地元産の大豆や小麦を使った美味しい醤油を醸造し、大阪へ運んだのだろう。そんな醤油蔵に泊まり、古い歴史に思いを致すのは最高の贅沢だ。奈良県の新しい観光資源として、大いに期待している。


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