ウチの会社の先輩・OBが作る「京都食べ歩き同好会」は、記念すべき第20回目を迎えた。ほぼ年2回(春と秋)のペースなので、10年続いた計算になる(私は5年前から参加)。これは、ひとえに幹事のKさんのご尽力の賜(たまもの)である。
Kさんはいつも雑誌などで銘店・新店をこまめにチェックして、とっておきの店に連れて行って下さるのである。集合写真の撮影や会費の集金、報告書の作成などすべてKさんのご厄介になっている。ここに深く感謝申し上げる。
白川べり。向かって左端が「ル サルモンドール」
フレンチとは思えない店構え
記念すべき20回目は、初のフレンチだった。「ル サルモンドール」は、京都市東山区新橋通・辰巳神社の東側(祇園・一力茶屋から真っ直ぐ北に5分)にある。私たちは4/12(日)、7人で訪ねた。
Kさんはこのお店を『茶の間』という雑誌で知ったという。なお「ル サルモンドール」は「猿門通り」だと思っていたら、そうではなく「黄金の新芽」という意味なのだそうだ。しかし「猿門通り」と覚えた方が圧倒的に覚えやすい(実際には「新橋通り」にあるのだが)。
オープンキッチンが見渡せる。これは楽しい
スープの中に春がある
『茶の間』によると《白川にかかる巽橋といえば、祇園の中でもとくに風光明媚な場所。桜の季節には多くの人が訪れる、素晴らしい立地にこのお店はあります》。オーナーシェフの上島康二(うえしま・こうじ)さんは、長年「ピトレスク」(京都ホテルオークラ)のシェフをされていた。
《店のコンセプトは「ワインと料理サロン」。「料理が50、ワインが50。両方あって100になるんです」と上島シェフ。常時800種類もあるワインは、シェフのよき理解者である「天橋立ワイナリー」オーナーの山浩孝氏が揃えている》。野菜は上賀茂の農家の京野菜、魚介類は丹後の吟味されたものを使っている。
窓辺のカウンター席。大きな桜が見渡せる
《窓辺の席からは、大きな桜の木が正面に見え、桜の季節には、春の瞬間を切り取ったような風景を独り占めする気分。オープンキッチンから漂うおいしそうな匂いを楽しみながら、ほっこりと寛いで、素敵な春フレンチを満喫してみませんか》。
巨大なフォアグラを焼く上島シェフ
ランチコースは5250円から、ディナーコースは15000円から。この日Kさんは8000円のランチを予約されていた。飲み物は、ビール1000円(グラス=小ジョッキほどのサイズ)。ご自慢のワインは、グラス一杯が1800円から、ボトルは1万円から。同好会の会費はひとり1万円なので、多少の積立残高があるにしても、お酒はグッと引き締めなければ、相当ヤバい。
野菜の間にフォアグラがある
上島シェフが料理の嗜好を聞いてくれたので「1人、魚介類が苦手なメンバーがいます」と申し上げると、わざわざ1人分、魚介抜きのコースを作って下さった。これは有り難い。
こちらは「魚あり」コース。天然スズキがたっぷり
このお店は「ワイン・カントリー日本語ガイド」というHPでも紹介されていて、そこには《格子戸をガラガラと開けて中に入ると、シェフ上島氏が「ようこそ、いらっしゃいました」と、御登場。靴を脱いで上がるダイニング・ルームは、オープン・キッチン前のカウンター席が6席ほど、白川を向いたカウンター席が2~4席のみ。2階に、「桜の間」と名づけられた畳の個室があり、4~8名収容可能。これだけの座席数であれば、予約がなかなか取れないというのもうなずけますし、桜の季節など、本当に席の取り合いになるだろうなあと思いました》。
http://winecountryj-guide.com/winecountryj-guide/food&spot/LeSarment.htm
フランス製ロースター
《オープン・キッチンを目の前にするカウンター席で頂きました。シェフの調理の様子を拝見できるし、シェフとあれやこれやとお話できるし、フランスから取り寄せられたキュートな赤いロースターが動く様子も見られるし、で、この席はとてもエンターテイニング》。この日のコースは写真の通りであるが、食材や味はもちろん、季節感を巧みに取り入れた料理は、目にも鮮やかだ。
表面をローストされた鳩肉
この日の圧巻は、フォアグラと鳩だった。ロースターに吊された鳩肉の丸焼きから、丁寧に包丁で骨を取り除き、もう一度鉄板で焼くのだ。鳩はフランスで飼育されたものを使っている。初体験の鳩肉は臭味も脂味もなく、ちょうど鴨肉のような具合である。
鳩肉は鮮やかな赤。「鳩の血の色」(ピジョンブラッド)とはルビーの最高級品のことだ
最近は「ジビエ」(狩猟で得た食肉)料理が人気を集めている。自然の餌を食べて育った野性のイノシシ、シカ、カモ、ウサギ、キジなどは、ローカロリー・高タンパクで、味も濃い。最近は天敵の減少で個体数が増えているイノシシやシカがたくさん出回るようになり、ブームに拍車をかけている。この日いただいた鳩は天然物ではないが、若鶏や牛肉にはない野性味を感じさせるものだった。
鳩肉料理の出来上がり。左上は手羽だ
結局この日はビールと、上島シェフお薦めのブルゴーニュの赤ワイン(フィサン・クレイス・デ・シェーネ)を1本(=1万1千円)空けた。お酒の注文を監視していたおかげで何とか予算内に収まった、やれやれ…。
「ワイン・カントリー日本語ガイド」の紹介は、次のように締めくくられている。《店のたたずまい、靴を脱いでの食事、シェフの声が届く程度の大きさ、カウンターでの語らい、ゆったりチェアでのディジェスティフ(食後酒)…と、「ル・サルモン・ドール」は、食事のひととき全体が「京都のフレンチならでは」に、コーディネートされています。本当に、「ああ、京都で食事しているんだなあ」「こんなことができるようになったのだなあ」と心から思え、こうして楽しくおしゃべりしながら過ごせることの幸せを、じっくり味わいました》。
デザートと締めのコーヒー(私は酔いをさますため、エスプレッソのダブルを注文)を飲んで外に出ると、周囲は観光客でごった返していた。
※参考:祇園白川さくら吹雪(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/6f68de495d90ab343f56da2ed4cc700d
賑やかな祇園の北町にありながら、静かで時間がゆっくり流れる「ル サルモンドール」で、ほっこりと寛(くつろ)いでいただきたい。
※京都市東山区新橋通・辰巳神社の東側 (新橋通大和大路東入ル)
℡075-531-3606(要予約)
http://www.le-sarment-dor.com/
Kさんはいつも雑誌などで銘店・新店をこまめにチェックして、とっておきの店に連れて行って下さるのである。集合写真の撮影や会費の集金、報告書の作成などすべてKさんのご厄介になっている。ここに深く感謝申し上げる。
白川べり。向かって左端が「ル サルモンドール」
フレンチとは思えない店構え
記念すべき20回目は、初のフレンチだった。「ル サルモンドール」は、京都市東山区新橋通・辰巳神社の東側(祇園・一力茶屋から真っ直ぐ北に5分)にある。私たちは4/12(日)、7人で訪ねた。
Kさんはこのお店を『茶の間』という雑誌で知ったという。なお「ル サルモンドール」は「猿門通り」だと思っていたら、そうではなく「黄金の新芽」という意味なのだそうだ。しかし「猿門通り」と覚えた方が圧倒的に覚えやすい(実際には「新橋通り」にあるのだが)。
オープンキッチンが見渡せる。これは楽しい
スープの中に春がある
『茶の間』によると《白川にかかる巽橋といえば、祇園の中でもとくに風光明媚な場所。桜の季節には多くの人が訪れる、素晴らしい立地にこのお店はあります》。オーナーシェフの上島康二(うえしま・こうじ)さんは、長年「ピトレスク」(京都ホテルオークラ)のシェフをされていた。
《店のコンセプトは「ワインと料理サロン」。「料理が50、ワインが50。両方あって100になるんです」と上島シェフ。常時800種類もあるワインは、シェフのよき理解者である「天橋立ワイナリー」オーナーの山浩孝氏が揃えている》。野菜は上賀茂の農家の京野菜、魚介類は丹後の吟味されたものを使っている。
窓辺のカウンター席。大きな桜が見渡せる
《窓辺の席からは、大きな桜の木が正面に見え、桜の季節には、春の瞬間を切り取ったような風景を独り占めする気分。オープンキッチンから漂うおいしそうな匂いを楽しみながら、ほっこりと寛いで、素敵な春フレンチを満喫してみませんか》。
巨大なフォアグラを焼く上島シェフ
ランチコースは5250円から、ディナーコースは15000円から。この日Kさんは8000円のランチを予約されていた。飲み物は、ビール1000円(グラス=小ジョッキほどのサイズ)。ご自慢のワインは、グラス一杯が1800円から、ボトルは1万円から。同好会の会費はひとり1万円なので、多少の積立残高があるにしても、お酒はグッと引き締めなければ、相当ヤバい。
野菜の間にフォアグラがある
上島シェフが料理の嗜好を聞いてくれたので「1人、魚介類が苦手なメンバーがいます」と申し上げると、わざわざ1人分、魚介抜きのコースを作って下さった。これは有り難い。
こちらは「魚あり」コース。天然スズキがたっぷり
このお店は「ワイン・カントリー日本語ガイド」というHPでも紹介されていて、そこには《格子戸をガラガラと開けて中に入ると、シェフ上島氏が「ようこそ、いらっしゃいました」と、御登場。靴を脱いで上がるダイニング・ルームは、オープン・キッチン前のカウンター席が6席ほど、白川を向いたカウンター席が2~4席のみ。2階に、「桜の間」と名づけられた畳の個室があり、4~8名収容可能。これだけの座席数であれば、予約がなかなか取れないというのもうなずけますし、桜の季節など、本当に席の取り合いになるだろうなあと思いました》。
http://winecountryj-guide.com/winecountryj-guide/food&spot/LeSarment.htm
フランス製ロースター
《オープン・キッチンを目の前にするカウンター席で頂きました。シェフの調理の様子を拝見できるし、シェフとあれやこれやとお話できるし、フランスから取り寄せられたキュートな赤いロースターが動く様子も見られるし、で、この席はとてもエンターテイニング》。この日のコースは写真の通りであるが、食材や味はもちろん、季節感を巧みに取り入れた料理は、目にも鮮やかだ。
表面をローストされた鳩肉
この日の圧巻は、フォアグラと鳩だった。ロースターに吊された鳩肉の丸焼きから、丁寧に包丁で骨を取り除き、もう一度鉄板で焼くのだ。鳩はフランスで飼育されたものを使っている。初体験の鳩肉は臭味も脂味もなく、ちょうど鴨肉のような具合である。
鳩肉は鮮やかな赤。「鳩の血の色」(ピジョンブラッド)とはルビーの最高級品のことだ
最近は「ジビエ」(狩猟で得た食肉)料理が人気を集めている。自然の餌を食べて育った野性のイノシシ、シカ、カモ、ウサギ、キジなどは、ローカロリー・高タンパクで、味も濃い。最近は天敵の減少で個体数が増えているイノシシやシカがたくさん出回るようになり、ブームに拍車をかけている。この日いただいた鳩は天然物ではないが、若鶏や牛肉にはない野性味を感じさせるものだった。
鳩肉料理の出来上がり。左上は手羽だ
結局この日はビールと、上島シェフお薦めのブルゴーニュの赤ワイン(フィサン・クレイス・デ・シェーネ)を1本(=1万1千円)空けた。お酒の注文を監視していたおかげで何とか予算内に収まった、やれやれ…。
「ワイン・カントリー日本語ガイド」の紹介は、次のように締めくくられている。《店のたたずまい、靴を脱いでの食事、シェフの声が届く程度の大きさ、カウンターでの語らい、ゆったりチェアでのディジェスティフ(食後酒)…と、「ル・サルモン・ドール」は、食事のひととき全体が「京都のフレンチならでは」に、コーディネートされています。本当に、「ああ、京都で食事しているんだなあ」「こんなことができるようになったのだなあ」と心から思え、こうして楽しくおしゃべりしながら過ごせることの幸せを、じっくり味わいました》。
デザートと締めのコーヒー(私は酔いをさますため、エスプレッソのダブルを注文)を飲んで外に出ると、周囲は観光客でごった返していた。
※参考:祇園白川さくら吹雪(当ブログ内)
http://blog.goo.ne.jp/tetsuda_n/e/6f68de495d90ab343f56da2ed4cc700d
賑やかな祇園の北町にありながら、静かで時間がゆっくり流れる「ル サルモンドール」で、ほっこりと寛(くつろ)いでいただきたい。
※京都市東山区新橋通・辰巳神社の東側 (新橋通大和大路東入ル)
℡075-531-3606(要予約)
http://www.le-sarment-dor.com/
それとオープンキッチンってのも、凄いです。厨房と云うのは、基本的に裏方なので、雑多になりがちなのですが、こうなると御客様の目に触れる訳で、ごちゃごちゃしていると、御客様がよりつかなくなってしまいます。で、このオープンキッチンと云うのは、シェフには負担では有る訳です。
また、オークラの料理人をしていただけ有って、「鳩」を使っているのは、流石です。ちょっとしっかりした、良い料理人の食材だと感じます。へたなモノを使うと、固くて食べにくいので、料理法も腕が試されてしまう訳で、差がキチンと出てしまいます。
またワインが良いですねぇ。山崎さんとこのワインにこんな所でお目にかかれるとは・・・。山崎氏は、「千歳」と云う旅館を橋立で経営されて居り、別にワイナリーも所有され、自身の旅館でもセラーの中に沢山のワインを所有されています。ビンテージモノからテーブルワインまで、ワインをキチンと研究され、また自身の旅館の食事時にも適切なワインを出されています。
旅館の仲間でお会いした事も有り、また青年部の旅行で御邪魔も致しました。tetsudaさんも一度如何ですか???
> これは美味そうな店ですねぇ。また京都って雰囲気で、食材にもこだわって…
味も雰囲気もおもてなしも抜群でした。予約が取りにくいのは当然かと。
> ワインが良いですねぇ。山さんとこのワインにこんな所でお目にかかれるとは…。
> 旅館の仲間でお会いした事も有り、また青年部の旅行で
> 御邪魔も致しました。tetsudaさんも一度如何ですか???
「天橋立ワイナリー」の山氏をご存じだったのですね。さすがにお顔が広い! 私はワインにあまり詳しくないのですが、どうやって提供し、お客さんの反応はどうなのか、興味があります。いちどお邪魔したいですね。