鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

田母神発言は矮小個人テロを誘発する(1)

2008年12月03日 04時59分16秒 | 個人的主張など
元空幕長の懸賞論文及び国会での証言その他の発言の真意を要約すれば、以下になるだろう。
1、戦争に負けた日本は、勝った側に都合のよい一方的な歴史観を押し付けられている。
2、日本は侵略国家ではなかったし、よい国であった。
3、憲法9条を廃し、自衛隊は自由に武器を使える自立した軍隊になるべきだ。
4、日本は核武装も視野に入れ、武力を背景にしての強気の外交をすべきだ。

田母神氏の最大の誤りは、国というものを人間一人の感情レベルであつかい、話を展開することだ。

1、歴史的事実が様々な角度から検証され、多くの証言が成されているにも関わらず、日本の敗戦が悔しくて堪らないという感情から発した希望的意見を述べているに過ぎない。

2、日本という国をあの大戦に引きずりこみ泥沼の深みに導いたのは、外部要因を別にすれば、民主的ではなかった国の体制と指導者の失政と軍部の独走だ。国民は踊らされ、我慢を強いられ、インチキの報道を伝えられて理不尽に統制されていた。その戦前戦中の体制をあれで良かったというのだろうか? 良い国家体制だったというのだろうか? 日本人が日本にいて、『日本は・・・』と語るときは個別の風景や風土や慣習や政治などを外国と較べるときであって、よい国あるいは悪い国と曖昧に全部を含めるように語るのは騙しのトリックでしかない。

3、憲法9条と自衛隊の存在は完全に矛盾しているということを、誰よりも感じているからこその発言なのだろう。イラク派遣時の〈かんけーねぇ発言〉もそうだが、彼は軍隊が持つ属性をさらりと正確に表現する素直な人間なのだろうと想われる。軍隊は経済や文化や外交を無視して、軍備を尺度とした単純な構図だけで国際関係を推し量り自国の不利を訴え、組織強化増殖をひたすら目指す宿命にあるのだろう。

4、日本政府は唯一の被爆国として、核軍縮、核兵器廃絶を何をおいても叫び続けなければならない立場にある。核戦争は何としても防がなければならない。地球を全く人の住めない星にしてしまうに十分な核爆弾を人類はすでに保有している。核戦争が起きたら、もう世界は終わりだということが知れ渡っている筈なのに、外交の具としてまだ核兵器が必要だと主張するのはあまりに愚かだ。

核戦争は決して起きない。狂気に駆られた独裁者あるいは大統領がボタンを押す決断をしても、必ずやそれは阻まれる。なぜなら誰の得にもならない壊滅的破壊を望む人間が大多数を占めることはないからだ。     つづく

追記;せっかくのインターネットだ。趣味の世界での個人的発見の喜びを書くだけではなく、井の中からだって大空を見上げ大海を想ってのことも主張していこうと思う今日この頃。

コメント (6)
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