鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

傷ついても(その3)

2008年08月31日 11時54分46秒 | 随筆或いはエッセイ


じっくり
休みながら
回復待つつもり
傷ついたとこが痛くて
耐えられないほど辛くても
待ち望むその日になれば
きっと多分癒えるはず
待ちつづけていれば
元に戻らなくても
きっと生えるさ
どこへだって
飛べる筈の
強い羽


↑何となく最初に書いたものに、(その2)を書き、今度は意識して(その3)を書き
歌詞ができました。
誰か作曲してくれないかなぁ・・・などと思うのであります。

今回の画像はクロイトトンボのヤゴです。ヒメダカの水槽に発生して成長してるのですが、
メダカは臆病だけれど好奇心もあり襲ったりします。
たぶん、めだかにやられて6本の足のうち2本を失ったヤゴ。

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ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)の情緒的観察

2008年08月26日 19時25分39秒 | 随筆或いはエッセイ

出先で水を張った休耕田があった。水を張らないと田んぼの底が抜けて水漏れするようになるということを聞いたことがある。耕作放棄は永年培ってきたものの大変な損失になるらしい。話はそのことではない。その何もない水田にジャンボタニシが、畦の草にも何のために刺してあるのか竹の棒にもピンクの卵塊を産み付けている。

隣あった稲の植わっている田にも沢山いた。稲を食って害を及ぼすこともあるということだったが、別に稲に支障はなさそうだった。稲にしっかりと足(吸盤?)を巻きつけてよじ登っているのもいる。でも何と言っても二匹がぴたりとくっ付いて交尾しているのが目についた。

ためしにその一対を手にとってみたが、離れない。無理やりはがしてみた。お互いにくっ付きあって、精子のやりとりしているのかと思ったら、片方だけが交尾器(と言うより長いペニスだ)を差し込んでいる。無理やり引き離されて双方とも、殻に引っ込んで蓋を閉じるのだが、長い交尾器を垂らした方は殻と蓋の間にそのナニを挟んでしまう。アイタタッ!である。

面白いので何組も拾い上げてやってみると、みな一様に交尾器を挟んでしまう。想定外の事態には同じ反応をしめすようだ。その後どうするか見届けないでしまったが、ほとぼりが冷めた頃合を見計らって、そろそろと蓋を開け、さっと引っ込めるのかどうか。

よそで数日前に、農業用水路に入ってジャンボタニシを見つけては、縁のコンクリート上で潰してる農家の人を見た。退治してるのだと言っていたが、ここでは何とも繁殖し放題だ。卵塊を取ってみた。鮮やかなピンクだが、表面は少し色あせている。1粒の直径は2mm位で、粒を巨大にした焼きタラコみたいだ。

親の方はジャンボと言うだけあって、4~6センチ位もあって、ツノが異様に長い。サカマキガイもそうだが、外来のヤツはみな角が長くて、図体ばかりか態度もデカイ。それでいて殻は透き通る程で弱い。サカマキガイもピンセットで強く挟むと潰れるし、このジャンボも軽く用水路のコンクリート壁に投げつけたらすぐに潰れた。

何だかもったいないなぁと思う。何かの餌にならないのか? ブタでもニワトリでも喜んで食うだろうに、と思いながら帰ってきてネットで調べてみた。何と大変なことが書いてある。食用で日本に持ち込まれたものでありながら広東住血線虫がいる可能性があるので『素手で触るのは厳禁』なんて書いてある。

私は帰宅して手はいつもの習慣で石鹸を使いよく洗いましたが、素手でしっかり卵も貝も触ってきました。肉や交尾器には決して触っていませんが、もし私におかしな言動が起きましたら、それは線虫が脳に入ったからということになりましょうか? もうとうの昔から脳の中に線虫はいるようですけど、と一人ツッコミをしてみる。

雌雄同体かと思っていたが、オスメスがあるのだという。納得した。しかも蓋の凹んでるのが雌で、出っ張ってるのが雄だそうだ。判りやすい。卵は水に浸かると孵化しないので、高いところによじ登って上から下に産み付けていくのだそうだ。探偵ナイトスクープという番組で、ヤツとその卵を食べるという企画を以前やったとか。観てみたかった。

画像は水面から50センチ程も上に産み付けた卵塊。隣に写ってるのは、トンボに羽化したヤゴの殻。何トンボかはわからない。

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ミナミヌマエビの情緒的観察

2008年08月25日 20時03分38秒 | 随筆或いはエッセイ
お盆休みに友人の別荘で遊ばせてもらった。川のそばで、すぐに釣りもできるという立地条件で探したと言うだけのことはある良い所で一昨年、昨年、今年と三年連続で世話になっている。

今夏は水棲生物を探ろうと小さい網と観察水槽を持っていった。玄関から徒歩30秒程の川に行き、網を一回入れて驚いた。小魚とエビと知らないモノがうじゃうじゃと入っていた。生活廃水は多少流れ込んでいるようだが実に豊な川だった。

浮き草びっしりの田んぼに友人が網を入れてみると、ゲンゴロウにマツモムシにヤゴがひとすくいで何匹も入っていた。彼の地では人を刺す蚊がいない。おそらくボウフラは育つ間もなく食われ、運よく羽化までいっても、ハグロトンボにヤンマにアカトンボにシオカラとトンボは各種飛んでいるから直に食われてしまうのだろうと友人と話した。

カワムツの稚魚らしき小魚とミナミヌマエビとハナアブの幼虫と今だにわからない幼虫の蛹を持ち帰った。ミナミヌマエビだとどうして断定(同定と言うのだったか?)できたかと言うのが、ここに書きたい一番の事だ。

エビは大中小と色んなサイズがいた。大体は緑がかっていてとても奇麗だ。格好はホームセンターで買ってきて飼っているヤマトヌマエビとそっくり。目立つハサミがないからヌマエビの仲間ということになる。

一匹しかいない大と、中のうちの一匹が黒に近いこげ茶色で、背中に縦一直線の白っぽい筋が入っていた。他とはまるっきり違う種類に見える。しかも大は横から見ると、高さの低い逆三角形みたいで腹が出っ張っていた。

このエビは室内で飼っているヒメダカの水槽に入れた。ネットで調べてみると、ミナミヌマエビのメスは色の変種が多く成長した大きさは3センチ位とあり、ピタリと当てはまる。抱卵している場合は透けてみえるらしいのだが、ウチのヤツはなにせ地黒なものだから判らない。

何かの拍子で抱卵していても脱皮してしまうことがあるらしい。脱皮したら抱いてる卵は脱いだ方に付いたまま駄目になってしまう。ヤマトヌマエビと違い淡水だけで一生過ごし、幼生の期間がなく卵からいきなりエビの姿なのだという。

孵化したら、稚エビは即ヒメダカに食われてしまうだろう。これはまずいと、プラスチックケースを買ってきて隔離した。一匹だけでは落着かないかも知れないので、連れて来た仲間の中小エビと合わせて六匹を同居させた。

隠れ家用にアングル金物を屋根状に沈めた。エビに限らず何でも生き物は新しい環境に置かれると、周りを探索して、自分の居場所を決めることが多い。抱卵?中のヤツは直ぐに身を隠すように屋根の下に入った。エビは細い隙間なんかをくぐるのが好きというのか、狭い開口があると入らないではいられない性質があるようだ。間仕切り板の隙間なんかを中小エビは平気でくぐって出入りする。

その金物には縦長の切れ込みが入っているのだが、しばらくして抱卵?疑惑エビが、その切れ込みにはまり込んで立ち往生していた。長いヒゲで隙間の巾から何から測っているのではないのか? 自分の腹のでかさを認識できていなかったようだ。抜けられず、戻るに戻れずの状態になっていた。

針金で突いたら、大慌てで抜け出した。腹の卵?は大丈夫かと心配したが、そもそも抱卵しているのかどうかもわからないし、網で捕まえて手で触ったりもしたし、何度も違う容器に移し替えたりしたのに、別に体型に変りはない。元々こういうデブエビか?とも思われた。

連れ帰ってきて1週間が過ぎた昨日、ふと思いついて水槽ケースに懐中電灯を当てて反対側から見てみた。腹が透けて見えるかもしれないと思ったから。それでも、丸いぶつぶつと言うか粒粒なんか見えない。ただ腹のビラビラはしょっちゅう動かしている。

デブエビの前で何かきらりと光って泳いだ。逆光だからはっきりと見えた。ミニミニのエビの形そのものだった。他にも二匹いた。間違いなく孵化した稚エビだった。いい加減な水生生物飼育の初心者が、いきなりこれだ。ビギナーズラックというやつなのだろう。何となくネットの皆様にすまない気もする。

これでミナミヌマエビであることは間違いないと確信が持てた。一年の命だという。ネット購入でも釣具屋さんなどでも買うとなると、バカみたいに安い金額で大量に買えるようだけれど、何たって肉眼でやっと見える小さいエビだ。逆光で飽かず眺める。これは簡単に手に入らないと思う。かわいいのである。とても安らいだりする。画像の親エビの前にいるのが稚エビ。

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サッカー日本チームのそれぞれの戦いを観て思ったこと

2008年08月22日 21時10分58秒 | 勝手に応援
ナデシコジャパンは実に素晴らしかった。女性があそこまでやれるのかと感心したり、西洋人とのガタイの違いにがっくりきたりだったが、中心選手の沢の頑張りには驚嘆した。
しかし・・である。なぜメダルを取れなかったのか。それは監督が男で、スタッフの多くが男のサッカーをついつい求めてしまったからだ! と思う。華麗なパス回しは世界一だ。でもゴールできない。ゴール付近でもパス回しで突破しようとしてしまうから相手方の長い手足と大きい身体にボールをクリアされたり、身体を押しつぶされたりするのだ。
そして、無理な突撃をして、あわよくばファールを誘い、転んで審判を見つめるということが目立った。これは日本の男子サッカーの悪いところをそっくり真似ているのだ。そして何と言っても皆女性なのだ。あからさまなファールなんか、どこの選手だってやってはこない。審判も心得ていて、あまりファールをとらない。それなのに男子なみのサッカーをナデシコに求めた。だからメダル争いの試合になったら破れたに違いない。

オリンピック代表の戦いは、やはりナイジェリア選手の身体能力のすごさや、欧米選手のトラディッショナルなスポーツに対するセンスを感じた。一勝もできないのは当たり前だと思った。まして、オーバーエイジ枠を使わないなんて、始めから勝負を投げていたとしか思えない。後だしの後付けみたいだからこういうことは、言いたくないけれど、オリンピックのサッカーそのものが変だ。年令制限をもっと上げて、せめて全日本クラスの選手が半分は入らないと試合が面白くない。反町監督は辛い監督業だったろうと同情を禁じ得ない。ナデシコジャパンのヒロインが沢選手だとしたら、男子オリンピックジャパンのヒーローは、紳士のスポーツと言われるラグビーから別れ、手を使ってはならないという禁欲的スポーツの監督として終始感情を抑えて冷静さを保った反町監督で間違いない。

全日本とウルグアイの親善試合もちらちらと観た。やはりオリンピック代表とは、全くレベルが違うなぁ・・・と頼もしかった。でもゴールを奪う決定力がないんである。先日話題になった月亭可朝の、あの歌なんかを想いだしてしまうほど、ないんである。オウンゴールだってなんだって、相手のディフェンスを壁に見立ててのゴールだから入った1点はすばらしかった。でもその後3点も入れられた。世界ランクが上だからしょうがないと言えばしょうがない。岡田監督も、しっかり現状を把握しているコメントだった。最近の岡田監督は少し大人になったようだ。感情を抑えて冷静さを保つ努力が見え見えだけれど、よくやっていると思う。偉そうに、そういうお前は何様だ? と言うなかれ。何を隠そう、禁欲をこよなく愛す一人のサッカーファンなのだ。で、全日本のヒーローは何といってもキーパーの楢崎だ。あの精悍な顔で、ファインプレーでゴールを守っても、シレッと表情を変えないでプレイに集中する。彼は守護神という尊称がしっくりふさわしい。ワールドカップでは頑張って欲しい!!

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メダカとカジカの情緒的観察

2008年08月20日 12時39分53秒 | 随筆或いはエッセイ
以前に野生のメダカを見つけて飼いはじめたと書いた。私は行く先々で、あそこでもここでもという具合にメダカを見つけることができて『メダカが絶滅危惧種だって? うそだろう?』という感覚を持った。ヒメダカに対してクロメダカとして売ってさえいるというのに違和感さえ感じた。

子供の頃は、よくメダカを手拭で掬った。しかしそれを飼ったことはない。学校の教室でも、フナとかコイは飼ってもメダカなんて小モノは飼わなかった。そこに問題があったようだ。子供の頃にメダカと言っていたのは本当にメダカだったのだろうか?

私が今飼っているメダカだと信じて疑わなかったモノに疑問が生じてきた。友人がメダカだと思って飼っていたのが、カダヤシらしいということがあった。それでカダヤシについて調べたり、友人にちょっかいを出したりしていたのだ。

自分の飼っているクロメダカを観察するのだが、何しろすばやくてスイスイと動くので見極めができない。尾びれだけは、カダヤシのような丸さはない。むしろ、真ん中でくの字に切れ込み気味だ。そしてメダカにしては何だかスマート過ぎるような気がして、尻びれで見極めようといつも眼を凝らしていたのだ。

動体視力は少しだけ自信がある。どうも尻びれがヒメダカと較べると三角形程度で櫛状ではない。そう疑ってくると、口がヒメダカのように受け口ではない。目もヒメダカは飛び出しているように目高目高してるのに、ウチのクロメダカ(?)はつぶらで大きめの目の納まりが良すぎるようだ。腹もメダカみたいにデブッとしていない。

もうここまで来ると認めなくてはならない。私はメダカを三箇所の川で見つけたと書いたが間違いだった。メダカと思い込んでいたが、カワムツかハヤの稚魚のようだ。子供の頃にメダカだメダカだと思い込んでいた小魚でさえも何であったかわからない。私はヒメダカを昨年買ってきて、今年になり何となく観察するようになって、初めてメダカを見たのかも知れない。

もうこうなったら、連れ帰ってきて飼っているヤツラが育って何になるか見極めなければ格好が付かない。メダカは違う川で獲ったものを混ぜて、それが繁殖したら自然界を乱すことになるとか・・・。もうウチのはメダカと違うのだからいいだろう。別々にしていたのを一緒にした。一匹だけ違う種類と思われるのがいたが、そいつは元気が良すぎた。自由を目指したか、蓋の形状を見極めたかのようにわずかな隙間から飛び出して果てていた。今のところカワムツ稚魚もどきは15匹だ。これだけ仲間がいたらあきらめて腰を据えるだろうと思いたい。『メダカの餌』という餌をやると、はしゃぎまくる泳ぎを見せるようになった。条件反射なんだろうけれど、馴れたようで安心だ。

カジカが元気に育っている。正式な名はわからないけれど、カジカだと思う。これも大きくなったら判るだろう。お七と名前をつけた。何しろ赤いものを見たら興奮するのである。赤虫をピンセットでつまんで水面に持っていくと狂喜乱舞だ。跳び付くのだけれど、たいてい目標を外れてピンセットの先に当たり、そのあと自分の作った水面の泡に突進を繰り返すというあわてモノ。

何しろ眼の位置が悪い。上に付いていてしかも寄り眼だからか、水底に赤虫を落とすと右往左往してからようやくかぶりつく。私の気配を察すると、すぐに隠れ家の上に上がり上目遣いにこちらを見る。なかなかに、『ういヤツよの~』なのである。赤虫を入れた小瓶を見せたら、はっきりと認識してはしゃぎまくる。ガラス越しでも、二つの壁面越しで10センチ位離れていても理解するようだ。赤くてチロチロとうごめくものには気もそぞろになってしまうのだ。

お七は連れてきた時のおよそ二倍の大きさになった。ヤツは他のモノと同居させられない。ヒメダカを小さいタモで掬って移動させているときに、ガラス壁とタモの縁に挟んでしまって瀕死になったのを、お七の水槽に入れたことがある。少しメダカの方が小さかったか・・でも余り違わない寸法だったのに、食いついて振り回して半分に千切ってしまった。残りの半身も当然ながら、数時間後には無くなっていた。お七の欲望は激しいのだ。独特のにおいがする。カジカのにおいというのがあるのかも知れない。

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ユスリカとヤゴの情緒的観察

2008年08月14日 18時08分00秒 | 随筆或いはエッセイ
外に置いている水槽の底には赤虫がいる。泥のトンネルのような棲み処を作り、それをこそげ剥がすと中に必ずいる。ネット仲間によれば、自宅で赤虫を調達できるのはすごいことらしい。ウチは食卓に置いている水槽にさえユスリカの幼虫である赤虫が発生しているのだ。

赤虫は釣り具店で釣り餌として生きているのを扱っているほかに、熱帯魚の餌用にペットショップで冷凍赤虫や乾燥赤虫などとして売っているようだ。家庭排水の流れるドブ溝に大量発生していて、泥の中から半身を出してゆらゆらしているのを子供の頃によく見たので、買ってまでという気にどうしてもなれない。

家の中の水槽の赤虫は発見次第、スポイトで吸い取る。このスポイトは家庭用石油ストーブを仕舞う時に石油タンク内に残る少量の油を吸い取るためのもので百均店で見つけたもの。

吸い取った赤虫はカジカにやるのだが、いつもと違う赤虫がいた。普通は美しいヘモグロビンの赤と言おうか鮮血色なのだが、暗赤色に濁った採血の時の色で、マッチの軸のような黒い頭?から白いカビが生えたような形状なのだ。いかにも蛹になってる途中です・・・という感じだ。

違う赤虫なのだろうか?調べても判らなかったので、カジカにはやらずに、蛹から羽化するまでを観察することにした。泥の巣にいる赤虫の大きいものと比較するとサイズが3分の2程度しかない。しかし頭が大きくなっているから変態途中でこのようになるのかも知れない。

ボウフラに似ている。ユスリカとカは全然種類が違うのだそうだが、成虫が似ているからには途中で似てくるわけだ。U字になって、尻と頭をくっつけようとする屈伸運動をずっと続けている。

やがて、いつのまにかその動きもやめていて、真っすぐの寸足らずのマッチ棒になった。蛹になったようで、動かずに浮いていた。カビが生えたように白いオーラが出ている。これは、しかし2~3日して気づいた時には抜け殻になっていた。

以前にコガタスズメバチの幼虫が蛹になりそうになるまで育てた。あの時は蛹になったかなと思っていたら、死んで干乾び黒くなってしまっていたのだが、今回はさっさと羽化してしまったようだった。だったというのは、観察するための箱を手造りして、紙を載せて羽化したのが逃げないようにしていたつもりだったのだが・・・。実はまた2匹オーラの出たヤツを見つけたので、観察を始めたところだ。

水槽をぼんやり観ていた時に、異様な動きの奇妙なものが泳ぐのをみつけた。天女が羽衣をなびかせて空中を舞う感じなのだ。一瞬、妖精!とひらめいた。ファンタジーな勘違いだ。しかしようせいではあった。

何かの幼生。薄茶色で、身体全体を横にしなわせて泳ぐ。しっぽには3本の毛のような長い飾り。大きさは全長で1.5センチ余り。虫眼鏡で見れば、前の方に細い足が6本。頭の両側に唐子人形のように髪を丸くしたのが付いていて・・・とこれは眼のようなのである。イトトンボのヤゴであった。

これは、水槽内のヒメダカが目敏く見つけて、手を出したが、いや、口を出してくわえようとした。一瞬吸い込まれそうになりながらも、ヤゴは事なきを得た。そうかそういうことなのかと納得するものがあった。

イトトンボの長い尾。あれはヤゴの時には横に振る推進装置であり、その先の長い毛は身体を大きく見せるためであり、あの張り出した眼や身体全体が他の水生生物に飲み込まれにくくするためである、のだなと思った。

それにしても、外に水槽を持ち出した時に、イトトンボが卵を産みつけたか、沼で採ってきた水草に付いてきたか、これは放ってはおけない。掬い上げて隔離した。この水槽にいては危ないと判断した。

オニヤンマなんかのヤゴなら逆にヒメダカがどんどん食われそうだ。ヤゴという音は、あのシェークスピアの悲劇『マクベス』のイヤーゴを想いだすではないか。あの卑劣漢。それにしてはイトトンボのヤゴのなんと、かそけくたおやかな姿。ウチで救われた妖精のヤーコは見守っていくつもりだ。だんだん色が焦げ茶になってきて少し容色は落ちてきた。

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サカマキガイの潜水と浮上のしくみ(その2)

2008年08月05日 13時51分47秒 | 随筆或いはエッセイ
自然観察科学コンクール】入賞作品の中に『水面を逆さまにはうサカマキガイの秘密』というのがあった。なるほど、こういうやり方で研究をして考察するのかと感心した。教師の助言も的確で役立ったのだろう。

水面での動きに彼らは着目し研究して成果をあげたのだが、私の観た潜水、浮上については研究していない。あまりないことなのだろうか? 水槽を横から観ていないと気づかないから、彼らは見落としたのか? それとも、ある一定条件下でないとやらないのか?  ある個性というのか、ある個体群で始まったことなのか? などと思ったりするが、どう調べようか途方にくれる。

一定条件下で、垂直潜水と浮上は行われると考えるのが妥当だろうと思う。その条件とは、という仮説を立てて検証するのが科学的態度・・・か。水質、水底の状態、深さ、流れの有無、水草等の水中障害物の有無と多寡、他の生物の生息共存状態などなど、きりがないから、即私は諦める。

観察しながら夢想するだけにとどめたいと思う。さて、観ていると2匹が親亀小亀状態で潜水する場合がある。仮に名付けた粘糸は一本の筈だから、背中のヤツは便乗しているのだ。交尾しながらということはないだろう。ガラス壁をよじ登っているヤツを観ても、便乗しているのがよくいる。孫亀状態で3匹同時ということもしばしばある。尻尾を足のようにして殻全体をひょいと浮かして他の貝の背中に乗るシーンを見た、偶然とか何となくではなしに、しっかりとした目的意識をもった行為に思われる。どこの世界にも、こういうヤツラはいるのだ。

【愉「貝」な仲間たち!】によれば、『通常、外套膜と呼ばれる器官を通して、空気中から直接酸素を得て呼吸を行っていますが、水中の溶存酸素を利用して呼吸を行うことも可能です。』とあるから、サカマキガイが溺れることはないのかも知れない。溶存酸素が零でしかも水面にたどり着けない迷路状態でもなければ、だいじょうぶだということになる。シジュフォスの実験は気にせずやってもよさそうだ。根気比べにしかならないかも知れない。

画像は、ウチにいる最大級のサカマキガイ。1センチ以上あって、よく観るとなかなかにおしゃれな模様だ。小さいのも同じ形をしている。たらいにサカマキガイだけをぽいぽい入れているのだが、ウンコがいっぱいだ。リングを部分的に切ったような糞をする。排出口まで螺旋になってるのだろうか? どこもかしこも逆巻きなのかも知れない。糞をバクテリアが分解し、その汚泥をまたサカマキガイが食うだろう。循環がどこまでも繰り返される。右横のホテイアオイの腐りかけにゼラチン状の卵塊が産み付けられている。また、ここでも大量に次世代が控えている。卵塊の世代・・というわけだ。

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サカマキガイの潜水と浮上のしくみ

2008年08月04日 18時35分29秒 | 随筆或いはエッセイ
何となく水槽を観ていたときのことだ。この水槽はキャスター台に載せて食卓の上に置いているので、座っていると横から観る格好になり、ノートパソコンの画面から目をそらして、ついついぼんやりガラス越しに水槽内を観てしまうのだ。

ゆっくり垂直に潜水していくサカマキガイが、がくんと上下に小さく動いた。まるで、エレベーターが急停止したみたいな動きでとても違和感を感じた。その時、水槽内のヒメダカの稚魚が数匹近くを追いかけっこのような動きをしていたのだ。

もしかしたら何かヒモの様なものがあるのか? とすぐに思った。どう目をこらしても見えないけれど、ヒモのようなものにぶら下がっているのかもしれないので、針金の先を少し曲げて、水中に浮かぶ貝の上を横に払ってみた。何も起こらない。それでは、と下を払ってみた。何とぷつんと糸が切れたようになって、貝はぷかりと水面に浮いてしまった。見えない糸が確実にあるのだ。

浮上中のサカマキガイで今度は試してみた。やはり見えない糸は水底から貝までで、貝から水面までは何も無い。これも糸を切るとぷかりと貝は浮いた。糸というほどのものではない。粘るヨダレのようなものなのだろう。仮に粘糸と名付けよう。

ガラス壁を降下している貝を剥がしてみた。これは二通りある。すぐに剥がされてしまった場合はぷかりと浮いてくる。なかなか剥がせなくて無理に剥がそうとすると、泡を出して沈んでいく。これは肺呼吸のサカマキガイが水面で出来る限りの空気を溜めて潜水を始めるということだ。無理に剥がそうとすると、これは危険回避のために空気を排出して沈んで逃げるのだろう。

ガラス壁を上昇中の貝を剥がすと、これはほぼ間違いなく泡も出さずに沈んでいく。空気を使い果たしての上昇中ということだ。そうして水底に沈んだサカマキガイは直ぐにかなりのスピードですいーとガラス壁を上昇してくるのだが、運悪くブクブク装置に取り付いてしまう場合がある。ブクブクの口まで上がり縁を一周してあきらめて、また下がり、途中で引き返して上がり、また下がりをしたあと、何とかガラス壁にたどり着き上昇した。ここでもう一回落としてみるのはできなかった。サカマキガイにシジュフォスの神話は酷だ。溺れるサカマキガイもいるのだろうか。今のところ死んだ貝殻はみつからないけれど。

ガラス壁から遠ざかって水底を這い回る場合は、まだ浮力のある内に水底の小石などに粘糸をくっつけ、、それを口から出すのか、排泄口からか、特別の粘糸溜りの口からか出して、すーと浮上するのだ。その場合は水面に浮いたと思ったら1~2秒で潜水沈下を始める。上る時は姿勢良く、尻尾を垂らして厳かな感じだが、降りる時は頭を水底に向けて真逆さまの格好だ。何かに巻きつけているはずもないから、粘糸を吸い込んでいるのだろう。上っている時に水草に当ったり、ブクブクの水流で流されてもちゃんと加減して糸が切れないようにしているようだ。空気を吸い込んで、元来た通りに、流れに逆らい、水草を迂回して水底に降りて行く。

何だかとっても面白い。以前に潜水艦のようなしくみで潜水浮上をするのだろうと書いたが、間違っていた訳だ。昨日、今日と色々計画していたのだが、すっかりこれで時間をつぶしてしまった。インターネットで調べたが、この件は判らなかった。専門家が当然調べて研究しているだろうけれど、興味がつきない。仮に勝手に名前を付けた粘糸はどんな成分なのだろう。ガラス壁や水草に産み付ける卵塊のゼラチン質もなかなか千切れないし、何しろ異常に繁殖している粘っこいやつらだ。

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キアシナガバチ

2008年08月03日 09時18分43秒 | 随筆或いはエッセイ
コガタスズメバチ、キボシアシナガバチに続いてキアシナガバチの巣が見つかった。ガレージに立てかけてある木製はしごに、止っては表面を削り取っていくのが何回か見られた。どこかで巣を作っているんだな、と思ってはいたのだが、あまり気にしなかった。一ヶ月足らず前だ。

暑い日が続くようになって、今度は水を飲みに来るようになった。それがかなりの頻度なのだ。10分と間が空かない。教えあって一つの巣の仲間が順繰りにやってくるのか、一匹の働き蜂が水汲み係りとなってやってくるのか、顔をみても個体識別ができないので判らない。

気温が暑い時に成長途中の幼虫に水を与える、というシーンをあるテレビ番組で観たことがある。飛翔力はすごいが、あんまり水は多く運べないだろうと思われるけれど、もしかしたらあの尻には、かなり空洞部分があるのだろうか。

画像の水飲みシーンは毎回同じ場所で同じポーズだ。これは外に置いているメダカ水槽が水漏れしていて、常にじわじわと出て一定量の水が表面張力によって保たれている場所なのだ。アオコが発生して薄い緑色の水なのに何ともないのかと心配になる。バクテリアもかなり発生しているだろうに。もしかして、いつも漏れていることにより水質が一定に保たれて、それが案配いいのかも知れない。

水を飲んでは家の裏手に曲って行く。空中の全く同じコースをたどる。デジカメを撮っている時は、飲んでから飛び立ち、いざ加速をかけようという位置に私がしゃがんでいた。殆んど私の顔に直線的に向ってきたのだ。通いなれたコースだと蜂も注意散漫になるらしい。5センチと離れていなかっただろう。『おっとっと、何だこの障害物は・・危ない危ない』そんな感じで私の鼻先でブレーキをかけ、垂直上昇をして頭をかすめて飛んで行った。

裏手を曲っていく時もかなりの速さなので、まさかウチに巣を作っているのではないだろうと思っていたのだが、フェンスの外側に作っているのが見つかった。前に見つかった小型のキボシアシナガバチの巣とは6m程離れているので問題は起きないのだろう。それより裏にお住まいの方が、気付いて不安にならないかが心配だ。

巣が8センチ以上になっていて、働き蜂も沢山巣に群れていた。昨日確認したところ、もう10センチ以上になっている。漫画などに描かれる典型的な形状で蓮の枯れた台を逆さまにした格好。私は子供の頃一度だけ蜂に刺されたことがあるのだが、それがこのキアシナガバチだ。サワグミの実を採りに行って巣があるのを知っていながら不用意に近づいたからだった。こめかみのあたりを刺されてそうとうひりひり痛かったのを覚えている。

テレビや新聞で、ハチに刺されてショック死とか入院などと夏になるとよく報道される。一度刺されて抗体ができる人が1割で、2%がアナフィラキーショックを起こす危険があるなどと、過剰に喧伝される。

オオスズメバチの大きさ、あの飛翔スピード、面構えには本当に身の危険を感じるが、蜂には私は殆んど怖さを感じない。巣の近くで急激な動きをしない。常に蜂の動きを見ながら間合いを取る。これさえ守っていれば大丈夫だ。でも攻撃を受けたときの反撃体制はしっかりと保ち、一撃必殺の構えも怠らないことだ。

退治する時は用意周到に一気呵成に逡巡なくやらなければならない。今のところさしたる不都合はないので退治する気はない。蜂の子料理を是非食べたいという客が来たら、その時はどうするかわからない。ますます夏真っ盛りで暑いのに、別のよい水場を見つけたか、キアシナガバチはここしばらく水汲みにやって来ないので何となく寂しい気がしている。

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