歌舞伎十八番と猿之助を関連付けて少しだけ思うことを書きたいけれど、時間がとれないので、本日中に・・・。
16、7歳のとき、歌舞伎十八番「毛抜」というのをテレビで観て、奇妙な場面と演目名の印象が忘れられずに残っている。
主役の男が訪れた先で、子役の小姓を羽交い締めというのか、後ろから馬乗りのような格好でからかうシーンがあった。
美形の小姓を侍らせておくのは、信長と蘭丸のことも時代劇で知っていたから、何やらそのような世界があるというのは感じていた。
三島由紀夫と森田某のことは数年後のこととなる。
男色は今で言うLGBTQ+のなかでは、GであったりBであったりということだろう、おそらく。
「毛抜」においては主役が男色を仕掛けるシーンが、当たり前のように演じられていた。
そこで、心中事件を起こして自分だけ生き残ってしまった猿之助のことを連想した。
猿之助のやっていたのは、双方に合意のないパワハラということのようだ。
記事の抜粋などを読む限りにおいては、男色を仕掛けはするけれど、性の発散というよりは力の誇示、いじめ、いたぶりのようだ。
嫌がることだからやる、という歪んだ、性欲というより征服欲だったような印象を受けた。
そうすると、やはり歌舞伎十八番の「毛抜」の場面が思い出される。
女形もそうだけれど、淫靡な世界も芸に昇華すると、おおらかな伝統芸能になるのだ。