春にはなったけれど、カメリアのその後。
結論からいえば、ほとんど何も変化がない。不順な春という感じのこの頃だが、暖かい日は玄関をあけっぱなしにして朝日が入るわずかな時間だけ日光浴をさせている。首をもたげたり、横に曲げたりをゆっくりゆっくりとやる。
そんな時は、食欲だって出てきてもおかしくないだろうとジャブンと水没させて、引っ込めた首をゆるゆると伸ばしたあたりに餌を浮かせてやる。何度も何日もやったが、今のところ食べない。一度なんぞ、引っ込めても口は何とか奥に見えるからピンセットで強制的に押し込んだりしたが、吐き出してしまうのか流れ出てしまうのか摂取しない。もっと強制的給餌が必要なのだろうか。
水辺に連れていくことは出来ても、無理に水を飲ませることはできない・・・ということだ。以前にフォアグラを作る映像を観たことがある。ガチョウの口へ餌を強制的に詰め込むシーンだ。自転車の空気入れを改造したような器具でガチョウの首根っこを掴まえてはぎゅっと詰める。目を白黒させてはいなかったけれど、よたよたとその場を離れるガチョウや哀れ・・・と感じたものだった。
カメリアの左眼は全く視えていないようだ。甲羅に触ったりしようものなら、すばやく首をひっこめるし持ち上げると「フーッ」という威嚇のような音を発するのに、眼の周りに手をかざしても、指をくるくる首の周りで回しても反応しないから確定的だ。今のところ視力回復はしていないがいずれは・・という希望は持ちたいのだけれど、もうカメリアは全盲の亀だ。視えていてこそ片目と言えるのだからタイトルも換えなければならないのか・・。
ときどきカメリアは前脚の甲で眼をこする。画像はその瞬間をとらえたもの。時々にしか動かないし、驚いて引っ込める以外は超緩慢なので、なかなか撮れなかった。眼をこするというような動きは、やはり基本動作ではないので、ゆっくりのようでいて割合に素早い。偶然モノにしたがピンボケで残念だ。無い方の右眼辺りをこすることもある。何らかの事情で手足を切断した人は、無い筈の部分が痛んだり痒かったりするそうだが、亀だってそうなのだろう。 未だ絶食中。(151日目)