鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

下あご無し顔も欠けて片目の亀(その9)

2010年04月30日 16時21分03秒 | 盲亀カメリアの近況

春にはなったけれど、カメリアのその後。
結論からいえば、ほとんど何も変化がない。不順な春という感じのこの頃だが、暖かい日は玄関をあけっぱなしにして朝日が入るわずかな時間だけ日光浴をさせている。首をもたげたり、横に曲げたりをゆっくりゆっくりとやる。

そんな時は、食欲だって出てきてもおかしくないだろうとジャブンと水没させて、引っ込めた首をゆるゆると伸ばしたあたりに餌を浮かせてやる。何度も何日もやったが、今のところ食べない。一度なんぞ、引っ込めても口は何とか奥に見えるからピンセットで強制的に押し込んだりしたが、吐き出してしまうのか流れ出てしまうのか摂取しない。もっと強制的給餌が必要なのだろうか。

水辺に連れていくことは出来ても、無理に水を飲ませることはできない・・・ということだ。以前にフォアグラを作る映像を観たことがある。ガチョウの口へ餌を強制的に詰め込むシーンだ。自転車の空気入れを改造したような器具でガチョウの首根っこを掴まえてはぎゅっと詰める。目を白黒させてはいなかったけれど、よたよたとその場を離れるガチョウや哀れ・・・と感じたものだった。

カメリアの左眼は全く視えていないようだ。甲羅に触ったりしようものなら、すばやく首をひっこめるし持ち上げると「フーッ」という威嚇のような音を発するのに、眼の周りに手をかざしても、指をくるくる首の周りで回しても反応しないから確定的だ。今のところ視力回復はしていないがいずれは・・という希望は持ちたいのだけれど、もうカメリアは全盲の亀だ。視えていてこそ片目と言えるのだからタイトルも換えなければならないのか・・。

ときどきカメリアは前脚の甲で眼をこする。画像はその瞬間をとらえたもの。時々にしか動かないし、驚いて引っ込める以外は超緩慢なので、なかなか撮れなかった。眼をこするというような動きは、やはり基本動作ではないので、ゆっくりのようでいて割合に素早い。偶然モノにしたがピンボケで残念だ。無い方の右眼辺りをこすることもある。何らかの事情で手足を切断した人は、無い筈の部分が痛んだり痒かったりするそうだが、亀だってそうなのだろう。 未だ絶食中。(151日目)


コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鼻から内視鏡 (その6)

2010年04月10日 22時46分19秒 | 健康ネタ
最後に医師は、「内視鏡を年に1回やってもらうのが、我々内科医の願いです」と言った。わが住宅地では唯一の内科開業医なので、一日一人ということは年に延べ250人しか胃カメラはできない。それなのに私が毎年やってもらってもいいものかどうか、などと心配しなくてもいいか・・・そうしようと思う。

パンフには胃カメラのほかに、大腸カメラ、超音波断層検査、呼吸機能検査、心電図検査、レントゲン検査、血管脈波検査もやっていると書いてある。一人でこれだけの装置を操る千手観音のような医師なんである。でも実は彼、別の業界から転職した医師だ。

他の職業を持っていたのに一念発起して医学生からやり始めたのだから努力の人である。才能にも恵まれ、愛されて繁盛しているのだ。しかし医師としての経験値は低いかも知れないので、別の見方をするなら、地域でこの医師を盛り上げ育ててもいる格好だ。この人に色んなところを診てもらって、治療してもらうのは、身を捧げて地域に寄与することにもなる・・・筈。そう華岡青洲の妻である。

「下の方からの内視鏡はまだ経験がないんですが、どうでしょう」と聞いてみた。「しんどいですよ、胃カメラと違って腸内を空っぽにしなくてはならないから・・・」と言う。『あまりやりたくないのか?』と思った。直ぐに軽い調子で言うには、「大腸などの異常は検便検査でかなり正確に把握できるんですよ・・・」

私は業界の健康診断で検便や検尿やレントゲンをやるので、そこでの要精密検査というカードをもらってからでいいか・・・と結論づけた。でも彼に大腸カメラをやってもらうのは、華岡青洲の妻気取りをしたくても、ケツの穴の小さい私はかなり尻込みしそうだ。

以前に住んでいた団地のご近所さんで夫婦共に献体登録をしている方がいた。私も死後、献体をしようと思って調べたことがある。最近は献体登録希望者が多くて、登録制限をしている大学病院が増えているそうだ。しかたないので私は今のところ、死後はどこにでもいいから散骨して欲しいと思っている。近頃、死後のことも準備しておかなければ、と思うようになった。

つい先日、私淑していた恩師が亡くなった。未亡人となった人と通夜が始まる前に少し立ち話をした。「あの人のおじいさんが亡くなったのが80歳だったから、それを越えた時に『オトウサン!お爺さんを抜きましたで・・』言うたら、『もう少々お待ち下さい』なんて、言うてたんやけどねぇ・・・」と言われ、通夜に行ってお悔やみを述べるところなのにふっと和んでしまった。横道ばかりになったけれど、これはこれで〆としたい。         (おわり)

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鼻から内視鏡 (その5)

2010年04月06日 00時14分21秒 | 健康ネタ
医師は「じゃ診察室に来て下さい」と言い置いて処置室をそそくさと出ていった。診察室に入ると、前回来た時に気付かなかった大きい液晶デスプレィがある。医師のノートパソコンのものが患者にも見えるようになっているのだ。一年前はノートパソコンを横から覗き込んでいたのだが、行き届いた設備だ。時流でもあるのだろうけれど『流石!』と思った。

小さな小さな小瓶に入れた先ほどの細胞片を見せてくれる。黄色っぽい液体に入っている。振ってみせてから「ピロリ菌がいると直ぐに赤く変わるんですが、さっきから全然変わりませんね・・ピロリ菌は居ません・・内視鏡見てた時に、これは居ないなと思ったんですが、居ません・・陰性です」と言う。

何だか拍子抜けしてしまった。40歳以上の7割が感染しているなどとネットでは書いてあったのに、私はヘリコバクター・ピロリと縁が無かったということになった。私の身体を構成していた、滅多に得られない、あの一つまみはどう処分されるのだろう・・別にどうでもいいけれど。

さて、次は血液検査の数値がディスプレィに表示してあって説明をしてくれる。問題のPSA検査の数値は4以上だと前立腺の異常が疑われるのだが、半分以下の数値だから全然問題ないと言う。基準値を超えていたのは中性脂肪だけだった。僅かに超えていただけだったが食生活を質問された。

ちょっと言い訳がましく「ついついもったいないと思って何でも残さないで食べてしまうから・・」などと答えたが、中性脂肪が多いというのは自分でも十分納得できる結果だ。自覚がある。しばらく前に、いい歯科医が見つかって治療してからというもの、何でもおいしくて飯粒の一粒一粒がおいしいんである。善玉コレステロールが少なめで、悪玉コレステロールが多めだとも言われる。口が卑しいと非難されているようなものだ。

血圧管理手帳の結果も最低血圧が少し高めだが何も問題ないと言う。逆流性食道炎も治療するほどではないとのこと。悪くなったらいい薬があるから大丈夫とも言う。食後に水分を少し多めに摂ることと、休憩をできるだけ取って、下向きの姿勢にならないようにしたら自然に治るというアドバイスをもらう。

総評としては全くノープロブレムということになった。そして内視鏡の画像もディスプレイに出して、見ながら「意外にきれいですね~」と感心した風に言うのだ。「意外に品行方正だったということですか?」と聞いてみた。「いやまぁそういうことではないですが・・・」と苦笑めいた表情をみせる。

意外とはどういう意味だったんだろう。『どう意外なんじゃ~い!?』とツッコミたかったがもちろん止めておいた。品行方正と言う意味を、私にしてみれば暴飲暴食もしないつましい食事のつもりで言ったのだが、医師はいわゆる行状の品行不品行の方にとったフシがある。不本意である。それにしても、田舎では上下水道共になかったので、決して清潔な環境で育った訳ではない。虫だって腹に湧いたことがあるのに・・除去の申し込みをするつもりで鼻息も荒くして来たのに・・ピロリ菌の居なかったのが何だか寂しくテンションが急激に下がってしまった。
            (つづく)

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鼻から内視鏡 (その4)

2010年04月05日 00時28分25秒 | 健康ネタ
「あーポリープがありますね~幾つかありますね、小さいものですゎ」と言う。示してくれるのだが、ポリープなら突起突起しているのかと思えば、よくこれがポリープだなどと断定できるものだなぁ・・という感じ。丸い輪郭は何とか認められるが出っ張りは感じられない。「これは大丈夫なんですゎ、見ただけで分かるんです、数があるからなおさら大丈夫なんです」と言ってくれる。

さぁいよいよ、ピロリ菌の何とかかんとかとなるかと思えば、「これが胃の出口です、さぁ十二指腸に入ります」と進むんである。『え?そりゃまぁできるだけ診てもらうのはありがたいけど、胃の中のピロリ菌検査っちゅうことで申し込んだ筈なんだけど・・・』と思いつつ、やはりされるがままになる。『行けるとこまで行っちゃって下さい』

「小さい穴がありますね、これは胆汁が噴出する穴です」と言う。穴と言っても小さな小さな『アスタリスク!』 『*』こんな感じだ。 「前に入院されたことがありましたね!?あの時はここの癌の疑いがあったんです・・・・・」と言う。この*を確か乳頭と言うのだ。結局熱中症による急性肝炎だったのだが、この医師は乳頭癌を疑い紹介状を書き入院手続きもしてくれて、病院に即入院となった10年前の事件だ。

膵臓の方の*も示してくれたようだが、10年前の思い出に一瞬浸ってしまったので見逃した。「十二指腸も大丈夫、さぁ戻ります、胃に戻りました、このあたりにピロリ菌はよくいるんです」と言う。後で知ったことだが、ピロリというのは幽門のことで胃の出口だそうだ。幽門にいる菌なのだ。

「さぁ、ここらへんを少しだけ摘まみます」と言いつつ細いワイヤーを管の中に通していく。細い先が画面に現れる。スーッとワイヤーが伸びたあと「はい!とれました!!」で一瞬の画像の停止があって痛みもなく終わっていた。もう一度胃のポリープを示して、するすると管を抜く。映像は逆回しとなって完了した。鼻血は止まっていた。
      (つづく)

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鼻から内視鏡 (その3)

2010年04月04日 00時04分05秒 | 健康ネタ
「血はすぐ止まりますから・・」てな軽いジャブで先に進むのだ。違和感はあるものの、私は10代後半に蓄膿症治療をさんざん経験しているので、鼻の中をいじられるのはさほど苦にならない。のどに届いたときに『ウエッ』となった。「ここが喉頭です。この三角に見えてるのが声帯で、気管支への弁がこの突起・・・」などと説明してくれるのだが、吐き気で涙目になっているし画面を見るのもやっとだった。

バリウムで要精密検査となって、最初の胃カメラをやったのは15年程前だったけれど、その時は途中で管を無理やり引き抜こうと思った位に辛かった。二度目は麻酔液を咽喉に留めておくのがうまくいったのと、途中で少しづつ飲みこんだのがよかったらしくて、最初と較べたらかなり楽だった。もっとも10年前の二度目は、熱中症による急性肝炎で40度の熱だったから、身体全体がしんどくて胃カメラを辛いと感じる余裕もなかったかも知れない。

喉頭癌の心配は全くないなどとと言われつつ、えずいて涙を出し涎も垂らしながら、自分の声帯が縮んだり開いたりするのを見た。今どき風に表すなら、しんど面白いとでも言うのだろう。そして食道に進み、すぐに「あ~かなりこれは炎症がありますね~・・・」と言う。画面には白い炎症が両側にあった。画面一杯に見えるので大きいように思えても本当は拡大されて映ってるのでさほどではない筈。冷静にそんなことをその時に思ったわけではないけれど・・。

医師は緊張してる様子もなく「この炎症は逆流性食道炎ですね。大丈夫です大丈夫です・・」と言う。けっこう辛かったが、えずきよりもゲップが出るようになり「飲み込むよりどんどん出す方がいいです、そのほうがしんどくないですよ・・」との助言もあってだんだん楽になってきた。涎のような泡がたくさん見える。ときどきジュルジュルというような音がするのは細部画像を見やすくするために吸引してるのだろう。

胃に到達した。わたしの腹の中はシンプルに奇麗だ。かなり皺があるけれど美しさも感じられるのは手前味噌か。胃に入ったあたりから余裕もでてきたので「かなり皺があるもんですね」と言ってみる。「こう言うのもなんですが、ホルモン屋さんで食べるアレと一緒ですわ・・・」などと医師は言う。『ここで食欲刺激されたんか~い!?』とここもツッコミたいところだった。もちろんわたしは涎垂らしながら『ふむふむ』と拝聴していたんである。
              (つづく)     

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鼻から内視鏡 (その2)

2010年04月03日 10時31分25秒 | 健康ネタ

前日の夜九時以降は、透明な飲み物以外摂らないようにとのことだった。トマトジュースや牛乳なんかを飲んではいけないのだろう。嘉門達夫の『鼻から牛乳』を思い出した(そうかそれが頭の端っこにあってのタイトルか・・・と自分を他人事みたいに評したり・・・)。

朝は絶食して8時30分に来るようにとの事と、タオルを一枚用意してくるようにと、その部分には赤丸をしてあった。それなのにタオルを持って行かなかった。絶食と夜9時と朝の8時半の時間だけで頭が一杯になっていた・・・というより注意書きパンフさえ読まないでいたのだ。非難もせずにタオルは貸してくれた。トホホの人はいくらでもいるのだろう。

さて先ずは一杯の半濁した飲み物を渡される。朝から口を濡らす程度の水しか摂ってなかったのでおいしい。説明パンフに書いてあるのだが、胃の中の粘膜を除去するためのもの。ちょっと甘いのは意図的味付けか、そのものの味か。横になってから数分おきに体位を変える。まんべんなく胃壁を洗うためだろう。

次にどちらの鼻の穴にするかを聞かれて、通りの良い右にした。鼻血止めのスプレーをする。何ともない。ゼリー状麻酔薬を注入する。少し顔を上向きにして麻酔の効きを待つ。テッシュを渡されて垂れてきたら拭く。のどに下がって気持ち悪いし苦い味もする。我慢して飲み込まないようにしていたが何回か飲み込む。後で少しだけ後悔するのだが、積極的に飲み込んだら良かったのだ、たぶん。

内視鏡の太さと同じやわらかいチューブでリハーサルをする。表面には痛み止めが塗ってあるそうだが、つかえ気味で少し痛い。OKということで横になり、借りたタオルを口元にあて、テッシュを片手に、ディスプレイを見やすいようにセットしてもらい挿入開始となった。医師は別のディスプレーを見るのだ。液晶薄型で画面も大きい。今までに2回したことがあるので、時代の推移を感じた。

入れ始めてすぐに、「あ~、さっきのチューブで傷つけてますね・・鼻血が出てますゎ」と言う。確かに出血している。『おーい、はなっからこれか~い』と突っ込むところだが、これは後から思い付いたギャグ。その時は少なからぬ不安に小さくもない胸を痛めて、なされるがままになっているしかなかったんである。
                 (つづく)

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鼻から内視鏡 (その1)

2010年04月02日 20時04分36秒 | 健康ネタ
毎年の健診ついでに、PSA検査とピロリ菌検査を申し出た。近所の開業医で一応主治医になってもらっているお付き合いなので話しやすいのだが、個性というか考え方がかなりはっきりあらわれて具合の悪いこともある。二年程前に前立腺癌への不安を話したのだが、『まだその歳じゃないですよ』と一蹴された。でも今回は、死んだ父も長兄も前立腺癌だったことと、次兄も従兄弟も今その病気で闘病中だと伝えて検査項目に前立腺特異抗原PSA検査を入れてもらうことにした。

ピロリ菌検査については、NHKの《ためしてガッテン》も観たし、検査も除去も簡単だと思って申し出た。ところが、世間で言われている簡単な検査では駄目で内視鏡を入れての検査でないとちゃんとした結果は得られないと言うんである。当日も1人それをやって、結果は陽性だったと言うのだ。管も細くなって鼻から挿入するので楽にできるという勧めに、思わず乗ってしまった。

内視鏡検査は毎日朝一番に一人だけやるのだそうで、20日後に決まった。朝一番に1日1人だけというのが、医者1人だけの開業医らしくていい。その日は血液採取をしてもらい、血圧と心電図も測ってもらった。看護士がかなり飛びますねと言うほどの不整脈だったのだが、悪い不整脈ではないと言う。けっこう嫌な感じで気力をそぐ不快感があるのに、そう言われるとがっかりだ。

不整脈と高血圧が重なるといけないのだとかで、毎日測ってみるようにと血圧計を貸すと言う。手首で測るのを持ってると応えたら腕で測らないと駄目だとにべもない。血圧管理手帳という宿題帳みたいなのと、腕巻き式電子血圧測定器を渡されて帰った。以前はレントゲン検査もやってもらっていたのだが、それは別の機会でやれるのでと断わった。被爆は一年に1回にしとこうと思っているのだ。

借りた器機で血圧を朝起きてすぐと寝る前に測る。しかしたったそれだけの事がなかなか20日間守れない。朝はばたばたして忘れてしまったり、夜は気付いたら真夜中だったりあさぼらけだったりなのだ。20日間40回の内、8回も空白がある。空白率2割。

記帳すると折れ線グラフにもなるので判りやすい。私の最高血圧は107・・131。最低血圧は65・・88。脈搏は68~97。
平均値を出せばいいのだが、最高最低のだいたいの感じは、120~78 脈搏が74位の感じ。
血圧管理手帳の示す高血圧のボーダーラインは 135~85。 脈の事はふれていない。
              (つづく)

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする