鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

琵琶湖のテナガエビ(3)

2008年10月26日 01時46分05秒 | 随筆或いはエッセイ
先ずはテナガエビの生存状況。体長3センチ位の1匹だけ死んだが、あとは全部健在。難しいとあるが、実はテナガエビの飼育は簡単なのではないか? 全員休め!という感じの静止状態が時々あるのだが、その時を見定めて正確に数えた。獲ってきたのは29匹。現在28匹である。

惨劇を密かに期待して、ハゼ(?)水槽に入れた2匹は水草に隠れるようにしているが息災だ。ヘビトンボの幼虫の水槽では、逆にヘビトンボの方が死んでしまった。1ヶ月半で死なしてしまった。何が悪かったかは不明。水換えをまめにやらなかったからかも知れない。この水槽の2匹のテナガエビは我が世の春とばかりに元気。

えさは色々なものを試したが、釜揚げのジャコだと食べるようだ。ようだ・・というのは、とびついて食べるというほどではないが、いつの間にか量が少なくなっているからだ。ミナミヌマエビだったら、入れた途端に寄ってきて肩寄せあって食べるけれど、テナガヌマエビは決して寄ってたかることがない。相手と触れたとたんに長い手先のハサミでチャンバラだ。こいつらは皆一匹狼のようだ。皆が静止しているときは、ほぼ等間隔に距離を保って孤独に徹している。

二つのバケツに分けて飼っている方にヒメダカの稚魚を1匹ずつ入れてみた。増えすぎたヒメダカは、この頃とみに地位が落ちてすぐ実験に使われるのだ。入れてすぐに1匹はテナガに捕らえられた。ちょっと目を離した隙だったので、その瞬間は見ていないのだが、生きたまま尻尾から食っていた。途中で他のエビが横取りして半身を食った。

もう1匹は5日ほど経つが逃げ回って生きている。今や、余裕でエビに近づいたりして決して脅えてはいない。食われた方のバケツにはよほど俊敏なテナガエビがいたのか、それとも鈍重なヒメダカだったのか、生きてる方はその逆なのか、偶然だったのか判然としない。たぶん今生きのびているヒメダカは、テナガエビのハサミ攻撃を完全に見切ったのだろうと思う。サムライヒメである。

琵琶湖のテナガエビは、明治の頃に霞ヶ浦産のものを放流して定着したものだということだが、それ以前から居たかも知れないことを示す文献もあるそうで、よく判らないらしい。汽水域に行くことができないと繁殖しないような事を書いているネット記事もあったが、琵琶湖のものは何でも陸封型の筈だから、それは間違いなのだろう。

ネットの友人がテナガエビ漁のシーンをテレビで観たと知らせてくれた。フスマを撒いておびき寄せるそうで、フスマを餌に試してみたらどうかと助言してくれた。以前はスーパーに精米機が置いてあって、横に無料のフスマが置いてあったのに最近は見ない。買うのはどうも・・という気がしているので、いつ試すことができるか未定だ。

今は食卓の横に置いているのだが、そろそろこのテナガエビも、ちゃんと飼う体制をつくろうかと思う。食卓上のプラケースにいるミナミヌマエビは只今抱卵中のメスが4匹もいる。ミナミはブロッコリーとジャコで飼っていけるし、ケンカも共食いもしない。

テナガエビの飼育はやはり難しいのかも知れない。これを書いてる途中でふと見たら1匹死んでいたのだ。これで27匹になってしまった。ケンカが原因なのかどうか・・・この死体は引き上げないでおこうと思う。仲間と言えない1匹狼のそれぞれが奪い合いながら食い尽くすだろう。何だか飼わずに喰ってしまった方がいいような気がしてきた。

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琵琶湖のテナガエビ(2)

2008年10月19日 11時29分15秒 | 随筆或いはエッセイ
持ち帰ってから丸3日経とうとしているが全員健在だ。じっとしている時を見計らって数えたら29匹。小さいやつほど身体が透明で、ハサミさえ見えない。頭より前にハサミがあるテナガのテナガたる個体になるとなかなかに姿がかっこいい。ゴールキーパーやらしたら・・・などとマンガ的空想も湧く。

片手しか無いものもいる。一番大きいやつにいたっては両腕がない。しかしよく見ると小さい腕が生えてるから再生はいくらでもするのだろう。手が長くないから別の種類のも混じっているのか?とも思ったが、身体全体の格好が特徴的に皆同じだから皆テナガエビに間違いない。ウチにいるヤマトヌマエビとミナミヌマエビと比較すると、首の形が独特だ。鎌首をもたげたという感じに角度を付けて首が上にあり、目玉が左右に飛び出していて、何だかプライドが高そうに見える。

食べてしまうのは先延ばしにして、またいろいろと試してみたくなる。先ず一番小さい2匹をハゼの中に入れてみた。このハゼはたぶんヨシノボリだと思われる。以前は吸盤がなさそうに見えたのでカジカだと思い、お七と名付けたのだが、吸盤を使って今はたいていプラケースの壁に貼りついて上を見ているので、名前も変えようかと思う。ハゼなら直美か星周か。雌雄が判ってからだ。

で、ハゼにエビを御馳走したつもりなのに駄目なのである。二日経っても健在だ。入れた当初は勢い込んで突進していったけれど、テナガエビの髯や突き出た目玉が邪魔なのか、くわえられないのだ。それにエビというのは後方に飛び退く時は異常に速い。前進泳ぎだって相当速いが、後退は泳ぎではなく全くの瞬間移動。エビの方が成長してハゼを襲う日がくるのかどうか見守りたい。

飼い始めて3ヶ月程になるヘビトンボの幼虫のプラケース水槽に入れてみた。ここも小さいのを2匹。これも丸1日以上経つが健在だ。ヘビトンボの幼虫は同居させると何でも食ってしまうというような記述を読んだが、そんな事もなさそうな気がしている。ヒメダカを3匹入れたのだが1匹だけは半分に千切られて食われた。あとの2匹は素早いのかもう2ヶ月くらい健在で成長さえしている。サカマキガイはたまに食うのか、5mm位の空殻が何個か底に転がっている。

イトトンボのヤゴも4匹入っているのだが、襲われて逃げ回ったのか尻尾の鰓が1枚無くなっていたり3枚共なくなっていたりするが生きている。もう緑から黒っぽくなってきて背中の羽も天使の羽みたいに目だってきたから全員羽化も間近だ。尾鰓のなくなったイトトンボのヤゴは猛烈な尻振りでようやく泳いでいるが、何倍もの労力を使っても健常時の半分のスピードもでない。それでもヘビトンボに食われず羽化しそうな様子だ。トンボの成虫は鰓がないわけだから、無事満足な身体に変態するのだろうか。ウチのヘビトンボの幼虫はものぐさでのろい。石につかまってひっくり返っているから死んだのかと思えば生きているし、たぶんずっとテナガエビは食われることはないだろう。


ヤゴだけを入れた水槽にも2匹入れた。ここからは何匹かイトトンボが羽化していった。今は他所で獲ってきたコオニヤンマとハグロトンボのヤゴが入っている。コオニヤンマのヤゴはそこそこ大きいからエビを食うかも知れない。でも丸呑みするのにエビは不都合な身体つきだから、ここでもテナガエビは生きのびて、逆にヤゴを襲うことになるのかも知れない。  (つづく)

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琵琶湖のテナガエビ(1)

2008年10月17日 21時21分30秒 | 随筆或いはエッセイ
琵琶湖の東岸湖周道路を車で走っていて水郷あたりの運河にホテイアオイが沢山浮いているのを見つけたので、形のよい一叢を持ち帰ろうと場所を覚えておき仕事帰りに寄った。

拾い上げようと近づいて驚いた。ホームセンターなんかで売ってるやつの10倍以上もある巨大さだ。一番小振りな一叢でさえウチの水槽に入れたらそれだけで一杯になってしまう大きさ。まだネットで調べてないのだが、多分売ってるのはヒメホテイアオイでこれはオニホテイアオイという名前なんだろうなと確信した。

ホテイアオイは茎を横に伸ばして子叢が育ち、有機的というのか宇宙ステーション風に増殖していく。ウチの水槽ではホテイアオイの髯根にヒメダカはどれだけ卵を産みつけたか知れない。私は今までかなりの卵をしごき採っては専用水槽に入れてメダカを孵化させてきた産婆ならぬ産爺なのである。

しかしここしばらくのホテイアオイでの楽しみはイトトンボのヤゴ獲りだ。さっとホテイアオイを水面から引き上げて髯根を調べると緑色のヤゴがくっ付いていることがけっこうあった。何匹位それで捕まえたか。ヤゴで8×5=40匹位になろうか。つまらないギャグでした。しかし数はそれに近い。

横道に逸れそうなので元にもどろう。でかいホテイアオイの連なりを、岸に何となく引き上げてみた。このでかさだもの、でかいヤゴでもいないかと思ったのだ。ところが居たのはテナガエビだった。髯根4つでハサミを別にした体長で15ミリ~35ミリまでのが30匹程も獲れた。

飼ってみようと思ってのことなので、生きたまま持ち帰るには手持ちのナッツの空缶ではそれが限度だった。せっせと獲るだけなら、何百匹でも獲れただろうと思う。

帰ってネットで調べてみると、魚を襲うらしいし共食いもするらしいので、飼うにしても1匹2匹がいいらしい。長いハサミ付きの手が黒くてやたらに長い画像ばかり目についたが、私の獲ってきたのは手も短く、まだ薄茶か透明だから、まだ子どものようだ。成長するとハサミの先まで入れたら20センチにもなるそうだ。

テナガエビ釣りも盛んに行われるらしい。何たっておいしいのだそうだ。琵琶湖では年間何トンとかの水揚げになると書いてある。どうも飼うより喰う方がよさそうだ。喰うにしては小さ過ぎだ。幾分育ててからというのはどうかとも考えるけれど、情が移ってしまいそうでもある。

ネットでみる限り、飼うのは難しいようだ。持ち帰ったエビは二つのバケツに半分ずつ入れ、水もカルキ抜きをしたのを足しておいた。今現在30時間以上経ったが1匹も死んでいない。車中では、およそ500ccの水にぎゅうぎゅ詰めで1時間以上揺られ、ウチでブクブクもしないでいるのに皆生きている。

長い手先のハサミで露払いをして動き回る。いさかいのようなこともするが、狭いバケツの中で等間隔に離れて、それなりにもう秩序ができて落着いているように見える。

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ヒメダカの劣悪環境下における生存実験(その2)

2008年10月13日 11時15分48秒 | 随筆或いはエッセイ
たくさん孵化して成長していくヒメダカを観ていると、やはり中には奇形もあらわれることがわかる。先天的か成長途中の事故か、少ない親からの産だからか、水槽の狭さが原因か、飼われることによる必然結果かなどと想うが比較対照も成しがたいので想うばかりだ。

骨が曲り背中が突き出た奇形があらわれた。上から見ても、くの字に曲っていて、頭もいびつで、眼が対称に付いていない。動きは普通のメダカと変わらない。むしろ動きが天真爛漫でお茶目な気がするのは、すぐに識別できてそればかり観察し、ついついひいき目に見てしまうからかも知れない。

ウチでの第二世代のませた奴らはどんどん腹を膨らませて卵を産むのに、こいつは成長が遅いように感じた。もっともオスかメスかもわからないが、メスの特徴である腹のぽってりした容積が、背中の方に膨らんでいるようで腹の容積比率を観る限りメスに近いように思われる。

少し話はそれるがメダカは小さくても親になり、親も繁殖行動をしながら成長する。サカマキガイなどもそうだと判った。自分で飼ってみて初めてそんなことに気づき驚いている。第一世代に食われぬようにすくいだした第二世代が卵を産み始め、その中でも比較すると『こんな小さいのに、もう卵を腹にいっぱいくっつけている』というのをときどき見る。『誰だ!こんないたいけな・・・』などという感情が湧いたりするのである。

元に戻ろう。梅酒を造るビンに水草を沢山入れて奇形を住まわせた。できるだけ自然に近い環境に置いて餌もやらないでおこうと考えた。同じ位の寸法の正常なヤツも連れに入れた。隔離してしまうのはどうしたものか?・・・という考えもないではなかったけれど、良かれと興味と半々くらいの感じ。

二匹は追いかけっこをすることもあるが、離れていることの方が多くて繁殖行為もしない。同性かもしれないが、♂同士なのか♀同士なのかわからない。♀同士だとしたら、餌をもらえず狭いビンの中で自然発生するプランクトンや藻を喰うだけでは成熟しないのかも知れない。

もう一匹同じような奇形が見つかったのでそれも入れた。奇形ではないが、片目が白眼ばかりのヤツも見つかった。それはやはり片目しか見えないからか動きに落ち着きがない。でもこれは、いつのまにか成熟してある朝、腹にいっぱい卵をくっつけていた。おっと・・また横道にそれた。

計三匹になったビンのなかでは、川ノリのようなアオミドロが大繁茂して、ちょっと見にはメダカの所在さえもわからなくなったので、自然にまかすという方針を変えてアオミドロを取り除いてみた。何と初めに入れた奇形メダカがアオミドロにからまって死んでいた。やはり運動能力は少し劣っていて、はまり込んだ迷路から抜け出せなかったのだろう。かわいそうな事をした。

先の(その1)の原始スープに入れた二匹目も無事だ。死ぬどころか一匹目と同様にフタを取るとゆら~りと姿を現し、しかも急速に成長しているようだ。このスープはタダモノではない。富栄養化スープであることは間違いないが成長ホルモンのようなものがあるのかも知れない。

そこでまた実験を思いつくわけだ。このスープはパワーがあるのだからして、奇形の未熟ヒメダカを入れよう・・となる。奇形が治るやも知れず、大きく成長するやも知れず楽しみだ。アオミドロにからまって死んだヒメダカを『希望』と密かに呼んでいたのだが、この実験にも、ヒメダカの未来が掛かっている。希望でなくて何であろう・・・などと想ったりするのである。

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