これは今年の流行語のひとつで、フリーのジャーナリスト・池上彰氏のニュース解説番組で発せられるフレーズだ。良い番組だと思うし、彼の解説には教えられることが多く感服するのだが、どうしてもあのフレーズには違和感を感じてしまう。講師が説明不足だったところを補うことになる質問なら、「いい質問ですね」ではなく、『すまん、そういう疑問が出る事に思い至らなかった』と胸のうちに記するもので普通なら恥じるところだろう。無邪気に素直な人だから『ラッキー』と思ってそのフレーズが出るのか、それとも番組構成上の『good job』というほめ言葉としてだけ使っているのか。いずれにしても新しい用法を広めたことは確かだ。
少し前のことになるが、今年の町内のレクリェーション日帰り旅行の工程でビール工場見学が組まれてあった。工場を一回りした後にはグラス3杯までの試飲もあって結構なコース。途中の要所要所で工場の女性案内係りが立ち止まって説明してくれるし、質問にも丁寧に応えてくれる。酵母をここで入れて・・・とあってから、ここで酵母を除きます・・・の後で質問してみた。取り除いた酵母は再利用するのか・・・と。
案内係りは質問を受けると、必ず「ありがとうございます」と言ってから答える。私の質問は、彼女にしてみれば『いい質問ですね』と口走りそうな、ツボにはまったものだったようだ。元気な酵母は再利用もするし、元気のなくなったものはそれを使って何々という商品にして売れているとか、用済みビール酵母を混ぜた飼料を与えた豚はとても良い肉質になるとか何とか。もしかしたら産業廃棄物として大量に廃棄されたり焼却されたりしてないかという危惧からの質問だったのだが、彼女はニンマリで私は何だか照れた。
いい質問の反対は何だろうかなどと考える。悪い回答だろうか。よくない設問だろうか。答えるまでもない愚問だろうか。講師を立ち往生させる困った質問だろうか。いずれにしても、あのフレーズは番組の秩序をほどよく保つためのアイテムでしかない。討論や議論の場での、本当にいい質問とは、深い認識と熟慮のもとに発せられる問題提起でなければならないのだろうと思う。そうして即答などできないものの筈だ。
今年も国会議事堂ではすれ違いばかりの議論で、いい質問もいい回答もなかったように思う。来年はどうなるのだろう。激動の年になるようでいて、何事もない年になりそうな・・。でも確実なのは、いきなりテレビを観られなくなる世帯が相当数でるということ。そして今のままなら我が家もそうなのだが・・。
年末にあたり、これを読んで下さる方に申し上げます。ありがとうございました。よいお年をお迎え下さい。 とんび
少し前のことになるが、今年の町内のレクリェーション日帰り旅行の工程でビール工場見学が組まれてあった。工場を一回りした後にはグラス3杯までの試飲もあって結構なコース。途中の要所要所で工場の女性案内係りが立ち止まって説明してくれるし、質問にも丁寧に応えてくれる。酵母をここで入れて・・・とあってから、ここで酵母を除きます・・・の後で質問してみた。取り除いた酵母は再利用するのか・・・と。
案内係りは質問を受けると、必ず「ありがとうございます」と言ってから答える。私の質問は、彼女にしてみれば『いい質問ですね』と口走りそうな、ツボにはまったものだったようだ。元気な酵母は再利用もするし、元気のなくなったものはそれを使って何々という商品にして売れているとか、用済みビール酵母を混ぜた飼料を与えた豚はとても良い肉質になるとか何とか。もしかしたら産業廃棄物として大量に廃棄されたり焼却されたりしてないかという危惧からの質問だったのだが、彼女はニンマリで私は何だか照れた。
いい質問の反対は何だろうかなどと考える。悪い回答だろうか。よくない設問だろうか。答えるまでもない愚問だろうか。講師を立ち往生させる困った質問だろうか。いずれにしても、あのフレーズは番組の秩序をほどよく保つためのアイテムでしかない。討論や議論の場での、本当にいい質問とは、深い認識と熟慮のもとに発せられる問題提起でなければならないのだろうと思う。そうして即答などできないものの筈だ。
今年も国会議事堂ではすれ違いばかりの議論で、いい質問もいい回答もなかったように思う。来年はどうなるのだろう。激動の年になるようでいて、何事もない年になりそうな・・。でも確実なのは、いきなりテレビを観られなくなる世帯が相当数でるということ。そして今のままなら我が家もそうなのだが・・。
年末にあたり、これを読んで下さる方に申し上げます。ありがとうございました。よいお年をお迎え下さい。 とんび