鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

アクセルとブレーキの踏み違え事故のこと

2008年12月28日 00時40分52秒 | 個人的主張など
75歳以上の車運転者に高齢者マーク(もみじマーク)の表示が義務化されたのは今年6月からだが、これが老人いじめだと不評で1年間は違反者摘発を見送る方針だったそうだ。来年はその義務も撤回され罰則はなくなるようだ。義務を課したり罰則を設けたら事足れりという浅智恵が独り相撲をしているのだ。

ときどきマスコミで目にする事故報道に、アクセルとブレーキを踏み違えて起きる事故がある。コンビニなどの車止めを乗り越えて店舗に突っ込んでしまったり、咄嗟の事態に、何かを避けるつもりが逆にそこへ突っ走ってしまうということがあるようだ。だいぶ前だが、ブレーキを踏んだつもりでアクセル踏みっぱなしになり暴走のあげく大惨事になった事件が大阪で有った。

運動神経が鈍っている老人の運転によることが、やはり圧倒的に多い。それを防ぐにはどうしたらよいか・・・。高齢者マークなんかで自覚を促そうと役人や警察関係者は考えるのだろう。

車自体を変えたらいいのではないか? 運転する人なら判ると思うのだが、咄嗟のときにブレーキを踏んだら、止まるまで思い切り踏みっぱなしになる。スリップして横に滑り始めても、ブレーキを緩めるなんて事はなかなかできないのだ。

パニックになればなるほど、踏みっぱなしだ。急制動で一番有効なのは、ポンピングブレーキだ。でもそれが咄嗟にはできないから、自動ポンピングのアンチブレーキシステム(ABS)というのが作られた。

それなら、アクセルをブレーキと間違えて踏んでしまったら、アクセルがブレーキになる装置を作ったらよいのだ。アクセルを急激に踏みっぱなしにするなどということは、スピード好きのカーマニアならやることがあっても、一般人はほとんど誰もやらない。だからこそ、アクセルがブレーキにもなる、そんな装置は簡単に作れると思うのだ。

老人でも安全に運転できる車、老人を守る車というのが作られれば良い。そういう事をコンセプトにした車が何故できないのだろう。メーカーの怠慢か、それとも役人の想像力の欠如か。

アクセルがブレーキになる車を作れ! とメーカーには是非言いたい。もうできているのか?特許の関係で作らないのか?採算だけの問題なのか? どなたか・・ご存知の方は教えて欲しい。

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田母神発言は矮小個人テロを誘発する(2)

2008年12月16日 19時32分24秒 | 個人的主張など
間が空きすぎて書きにくくなった。そこでいきなり結論を出し、そこから遡るような形で何とかこのタイトルの文を終わらせてみたい。どんどんタイムリーでなくなり、金融恐慌がらみばかりでマスコミは田母神発言など忘れてしまっているようだ。

さて、矮小個人テロとは元厚生事務次官連続殺傷事件のようなことだ。全く世間からずれた感覚の事件のようだが象徴的な事件だ。短絡的に思慮もなく敵らしき目標を定め、個人的行き詰まりの現状打破を図るためには、あんな形で無理心中を決行するしかないと思い込む人間がいるということだ。

あの犯人の個人的資質の異常性をマスコミは強調して取り上げているように見える。しかしそんなことはあまり意味がない。池田小学校児童殺傷事件も秋葉原の連続殺傷事件も根は同じだ。矮小に変質したヒロイズムを満足させるための無理心中でしかない。

田母神発言がなぜそのような事件を誘発するか。田母神発言自体が浅薄な個人的思い込みによる突出という意味で矮小個人テロと同質だからだ。空幕長という立場にありながらのゲリラ的発言は、過去の歴史も現実世界も白黒はっきりさせて敵と戦うという単純構図を国民に植えつけたいということだからだ。

《たかじんの「そこまで言って委員会」》というテレビ番組に出演した田母神元空幕長は、「日本は自虐史観から開放されないといけない」と言い。辛坊治朗読売テレビ解説委員の、あの論文は慎重さが足りなかったのではないか・・という質問に「慎重さが足りない足りないとよく言われるんですが、私は慎重さが足りないんじゃなくて、身長が足りないんです」とおちゃらけて見せた。

先の1~4について、以上を踏まえて思うところを書いてみよう。
日本は敗戦を受け入れのだ。沖縄を見殺し見捨て、広島の原爆投下、ソ連のいきなりの参戦侵攻、長崎の原爆投下を受けての決断は余りに遅きに失した格好ながら降伏を受諾した日本というのは当時の天皇と日本政府と軍部だ。

1、戦争責任を認め謝罪したいわゆる『村山談話』を国を売る行為だと非難する発言が先の番組内であった。国を代表して国際社会に自国の過去の非を認め、謝罪するという行為が何故売国になるのか。非を認めるという潔い行為を非難し、謝罪する謙虚さを逆に罵る狭量さは子供っぽい。何故あの談話こそ日本(人)的良さ或いは大人の態度と思えないのか。

2、敗戦後の日本人は耐え難きを耐えて多くのモノを受け入れてきたのだ。憲法9条は押し付けられたものだから良くないというのはあまりに幼稚。どのような経緯でできた文言であれ、良いものは良いとして受け入れる度量の大きさを我々は持っていると諸外国(人)に誇れるではないか。

3、「外交の現場を経験してきたものとして言えるのは、憲法9条こそ日本の最大の安全保障だ」と元外交官の天木直人氏が先の番組で発言をした。あの番組の中では最も説得力のある発言だと思えた。「外交はきたないもの・・・」と田母神氏が発言した後での事だったからなおさら納得できた。

4、核爆弾を製造保持したからこそ北朝鮮はアメリカなどとも対等に渡り合って巧みな外交を展開している・・・という発言もあった。そして、北朝鮮のような国がいきなり戦争をしかけてくるかもしれないから、核を自由に使える形にすべきだという発言(非核三原則などはとうに破られて原潜空母により核は日本に持ち込まれているわけだが・・・)すらあった。軍事ほど不経済なものはないのに、まだ軍縮に逆行することを議論しているのだ。

アメリカの巨大産軍共同体がアメリカの世論も対外政策も動かしていかに多くの過ちを起こさせたか・・・。北朝鮮の独裁軍事国家がどういう国内状況を作り出しているか・・・。それらを反面教師として見ながらも何故か同じ轍を踏もうとしているように見える。

再度強調したい。高い地位にいる(いた)人が、思慮のない軽率な発言をした場合、類似の思い込みをする人間が現れて矮小な個人テロもどきの犯罪事件を誘発することが危惧されるのだ。『風が吹くと桶屋が儲かる』よりも、もっと短絡して現実的な事だと思うのだが杞憂だろうか。

コメント (7)
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田母神発言は矮小個人テロを誘発する(1)

2008年12月03日 04時59分16秒 | 個人的主張など
元空幕長の懸賞論文及び国会での証言その他の発言の真意を要約すれば、以下になるだろう。
1、戦争に負けた日本は、勝った側に都合のよい一方的な歴史観を押し付けられている。
2、日本は侵略国家ではなかったし、よい国であった。
3、憲法9条を廃し、自衛隊は自由に武器を使える自立した軍隊になるべきだ。
4、日本は核武装も視野に入れ、武力を背景にしての強気の外交をすべきだ。

田母神氏の最大の誤りは、国というものを人間一人の感情レベルであつかい、話を展開することだ。

1、歴史的事実が様々な角度から検証され、多くの証言が成されているにも関わらず、日本の敗戦が悔しくて堪らないという感情から発した希望的意見を述べているに過ぎない。

2、日本という国をあの大戦に引きずりこみ泥沼の深みに導いたのは、外部要因を別にすれば、民主的ではなかった国の体制と指導者の失政と軍部の独走だ。国民は踊らされ、我慢を強いられ、インチキの報道を伝えられて理不尽に統制されていた。その戦前戦中の体制をあれで良かったというのだろうか? 良い国家体制だったというのだろうか? 日本人が日本にいて、『日本は・・・』と語るときは個別の風景や風土や慣習や政治などを外国と較べるときであって、よい国あるいは悪い国と曖昧に全部を含めるように語るのは騙しのトリックでしかない。

3、憲法9条と自衛隊の存在は完全に矛盾しているということを、誰よりも感じているからこその発言なのだろう。イラク派遣時の〈かんけーねぇ発言〉もそうだが、彼は軍隊が持つ属性をさらりと正確に表現する素直な人間なのだろうと想われる。軍隊は経済や文化や外交を無視して、軍備を尺度とした単純な構図だけで国際関係を推し量り自国の不利を訴え、組織強化増殖をひたすら目指す宿命にあるのだろう。

4、日本政府は唯一の被爆国として、核軍縮、核兵器廃絶を何をおいても叫び続けなければならない立場にある。核戦争は何としても防がなければならない。地球を全く人の住めない星にしてしまうに十分な核爆弾を人類はすでに保有している。核戦争が起きたら、もう世界は終わりだということが知れ渡っている筈なのに、外交の具としてまだ核兵器が必要だと主張するのはあまりに愚かだ。

核戦争は決して起きない。狂気に駆られた独裁者あるいは大統領がボタンを押す決断をしても、必ずやそれは阻まれる。なぜなら誰の得にもならない壊滅的破壊を望む人間が大多数を占めることはないからだ。     つづく

追記;せっかくのインターネットだ。趣味の世界での個人的発見の喜びを書くだけではなく、井の中からだって大空を見上げ大海を想ってのことも主張していこうと思う今日この頃。

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