鳥瞰ニュース

空にいるような軽い気分で・・・

姑息のこと

2009年09月30日 19時34分16秒 | 個人的主張など
意味を取り違えて理解され使用される言葉だという。かくいう私も何となくの理解で、正確な使用をしてこなかったような気がする。広辞苑によれば『一時のまにあわせ。その場のがれ』。

JR宝塚線脱線事故における元幹部の対応などは姑息そのものだ。一時というスパンの長短はあっても、ATS(自働列車停止装置)について資料を出さなかったり、その設置があれば防げたという項を削除させようと働きかけたりする行為はバレルに決まっている。

『姑息』をずるいとか卑怯という意味で使うのは間違いなのだろうか。(一時のまにあわせ)だって結果が悪くなれば、ずるくて卑怯だということになる。意味が強くなってよりマイナーになっただけのことだ。

本当の語源を知りたいと思い三省堂の新漢和辞典を引いた。『目前の安きを求めること。・・・十八史略・・姑息の政・・。女子と子ども』とある。

何となくシュウトメがヨメに対して息巻くようなイメージを思い浮かべたが、全然違った。結局、女子と小人は養いがたしというアレだったようだ。思慮に欠けるという事でしかない。

それにしても、思慮を欠いて目前の安きを求めてしまう言動の暴かれることが近頃多い気がする。総ての情報を隠さずに公開すること。素直に非は非と認めること。これをせずに、非難を浴び罪に問われ堕ちていく人の何と多いことか。

身の回りにもいくらでもいる。拗ねたり居直ったり隠したり口を閉ざしたり嫌いという悪感情から一歩も出ようとしなかったり・・・姑息なヤツは数知れない! と毒づく私もいつまでもどこまでも姑息なヒト。

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モミジにイモムシ

2009年09月27日 11時30分27秒 | 随筆或いはエッセイ

我が家のモミジの下に大量の粒が散らばっている。このモミジはこの家に引越してきて直ぐに田舎の実家から持ってきたもの。実家の庭で亡き母が、5センチほどの背丈しかないのに赤く紅葉した葉を持つこどもを見つけて指さしたシーンが想い起こされる。

落ちている粒はこげ茶色で、直径4ミリ長さは5ミリ強の米俵の形をしている。モミジの実ではないから何かの糞なのだ。画像のイモムシを発見した。一匹しかみつけられなかったが糞の量からすれば何匹もいるに違いない。それにしても、このポーズでじっとしているのは奇妙だ。私のお気に入りサイトで調べても判らなかったので、蛾の愛好家がやっている掲示板にお尋ねの書き込みをして教えてもらった。シャチホコ蛾科ギンモンスズメモドキと判明。

科の名が幼虫のポーズに由来するのが面白い。何回か観察して解ったことだが、葉を食っている時は多少つついても揺らしても一心不乱で嫌がりも驚いたりもしない。このシャチホコポーズは消化中の休憩状態なのではないかと思われる。

俵形の糞を観察すると、これがじつに見事な同一性を保っている。カチカチに堅いのだが、水にふやけると直径長さとも倍以上になって、色は緑がかった茶色になる。肉眼でもはっきりと解る均一形状。断面は6つの筋が入り表面は熟れていないトウモロコシそっくり。まったくもってすばらしい消化器官としか言いようのない精密な仕組みが偲ばれる。

メダカの水槽から吸い上げた水に糞を入れてみたのだが、そこにプラナリアが一匹入っていた。数時間後に見たら糞はふくらみ、水は番茶色が滲み出していてプラナリアは死んでいた。強力な何かが含まれていそうだ。小皿に何滴か水を入れて糞を1粒入れておくと水が全部吸収された。強力な吸水性だ。内容分析を誰かに頼みたい。

肥料なんかにはならないだろうか?あるレタス農家が抜群の糖度を持つレタスを栽培して評判になっているという番組を観たことがある。その人はタイから輸入されるコウモリの糞を肥料にしているとのことだった。ギンモンスズメモドキの糞は何かの特効性薬効性を持っていないだろうか? 誰か研究して欲しい。木の下に敷物を置けば大量に糞は集められるので、当方いくらでも提供はできますが・・・。

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ハナムグリ

2009年09月15日 17時10分54秒 | 随筆或いはエッセイ


はっきりとした天気が続いていたけれど、久々にぐずぐずした天気だ。いつのまにかニラが咲いて、花の盛りを過ぎてしまっていた。その花にハナムグリがじっとしていた。

ムグリとは何ぞや。ジムグリという小さな蛇がいる。尻から体内に入るなどと、子どものころ恐れていたものだった。そう、そのムグリは辞書で引くと潜ることとある。モグルの訛りともある。昆虫学者と爬虫類学者が同郷だったのか?

ハナムグリはかわいいヤツだ。花に頭を突っ込んで、尻隠さずの一心不乱さが笑えるんである。何枚も撮ったがあまり上手くいかなかった。

足の太い高級三脚を使って、しかるべきカメラとレンズで徹底的に根気良く撮ればよい画像が撮れるだろうけれど、手に構えての小型デジカメのマクロ撮影ではこの程度か。

ここで門外漢が一句。
   パッと咲く 韮に霧雨 ハナムグリ

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天ヶ瀬ダム‐4

2009年09月10日 21時14分14秒 | 随筆或いはエッセイ
天ヶ瀬ダムに行ってからかなり日にちが過ぎてしまった。これを終わらせなければ次に進めない。思い出しながら〆を書いてみよう。

トカゲをいじめて後味悪く歩いていると、小さな集落が見えてきた。日の出は遅く日の入りは早いだろうから、どれだけ損をしているんだろうなどと心配してしまうほど東西に狭い谷。

そこの中央にはデンと老健施設。今年7月の集中豪雨では防府市の老人ホームに土石流が流れ込んで死者をだす被害があった。京都は天災の少ないところだけれど、関係者の中には、『よもや』から『もしも』に切り替わって悩む人が多いだろう。谷の中を流れているのは志津川だ。

山を下る途中でメジロとヤマガラの混群が移動していった。他には、たまに山で見るけれど中々双眼鏡で捉えることができなくて何という名の鳥かわからないでいるヤツが一羽。シロハラ位の大きさだけれど、この時期にはいない筈だし、もしかしたらイソヒヨドリかとも思うが判からない。

そんなこんなで1時間余りして、車を置いたダム下の右岸橋詰にもどった。赤レンガ造りの発電所施設下には優雅な仕事リタイア・バードウォッチャー達が小さな組立てイスに腰掛けて歓談中。

これでダム周辺をひとまわりしてきた。ダムというのは膨大なエネルギーをせき止め、不自然で途方もない落差を造っている。だからどうしたと言うこともない。どのような比喩に使おうというのでもないけれど、何だか溜め息が出てしまうんである。

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