イモリを飼い始め、写真を撮ったり動画を撮ったりして情がわいてきて、ネットで飼い方を調べ餌も買ってきたのに、突然ヤツは消えてしまった。ウグイとメダカとミナミヌマエビを同居させている水槽に入れたのが悪かったのかも知れない。玄関前に置いている手作り水槽で水深は30センチ以上だが、中心部に島をつくり、石が水面に出ている陸地も浅底部分も十分に作っていた。
潜って底をしばらく歩いても、間歇的に息継ぎで浮上し水草につかまったり浅いところから首を出していたり石の上に上がってのどを震わせていたりして実にかわいらしかったのだ。右後ろ肢が根元から無く、少しいびつな動き方だった。トカゲの尻尾のようにイモリの肢も再生するのかどうか。川で捕まえた時はすでに無かったから、先天的なのか敵に食いちぎられたのか。
水槽とほぼ同寸法の網戸をふたにしてかぶせていたのだ。いなくなった前日に水槽のガラス壁を少し這い登っているのを見たので『隙間をふさがなければならないな』と思ってはいた。その数日前は、朝方にヤモリが水槽の外側に貼りついていた。そのまた数日前の昼日なたにずんぐり太ったトカゲが水槽の辺りをちょろちょろしていたのだ。
爬虫類であるヤモリとトカゲが両性類のイモリに挨拶をしに来たようだと童話めいた偶然を面白がっていたのに・・・。もしかしたら、ウグイに襲われてしまったのかとも思ったが、悪食のやつではあるが完食まではしないだろう。大きいウグイは二匹いて、上から見ると細いが横からだとコイに近いくらい太い。餌に食いつくときはマグロのような動きだ。金魚用の粒餌でも大口をあけて襲いかかっては引き返すという野生の動き。ダンゴムシなんかも一呑みだ。でも呑んだ後に咀嚼のような口の動きをするからノドに歯があるのか・・・?
メダカもかなり前に二匹が突然消えた。それはウグイに食われたのだと思っている。そうだ、アカハライモリは毒があるのだからウグイが食ったわけではなさそうだ。やはり網戸のすきまをくぐって脱走したに違いない。外に出て体が乾いたら死んでしまうのに・・・。水槽から1m程進めば側溝があるので、そこに入り込むことができたら、流れ流れて棲みやすい浅瀬にたどり着けたかも知れない。ヤツのかわいらしい画像か動画を載せたいと思ったが、パソコンの不具合でリカバリーをしてしまい、それらもすべて消えてしまった。私の記憶の中にしかいない3本肢のイモリよ!