茶の花がしばらく前からつぎつぎと咲いている。ウチの近くの山には茶の木が多く自生している。放置(放棄?)された茶畑からはびこったらしきものもあれば、どうしてこんな所にあるのかと思われる場合もある。茶の実は鳥が食いそうもない堅さと大きさだが、何がどう運ぶのか。
山仕事をする人が空の薬缶を持って仕事に行き、湧き水を汲み焚き火で沸かした後に自生している茶の葉を摘んでパッパッと散らして飲む・・・という文章を読んだことがある。山で採ってきた茶の木を一本だけ、数坪しかない庭の隅に植えているけれど、それはしたことがない。生の葉っぱを楽しむのは山でないと・・。春の山菜採りの時期に自生茶の芽摘みをしている人を見たことがある。てんぷらにするようだ。これもしたことがない。いつでもできると思うからついつい。
茶の花は堂々と咲くことがない。葉っぱに隠れ勝ちで控えめのようなイジケ加減のような地味目の花だ。ちゃんと見ようとするならしゃがんで見上げるか、枝を持ち上げるしかない。パッと開かずに丸く俯いていて、開いたら芯から抜けて落ちる花もあり、茶色くしぼんでしまう花もある。花に比べて大きい蕊が窮屈だったのか雄しべが縮れている。卵子をめざす精子の群か。何はともあれ恥らう咲き方が気にかかる。