エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

思い出のヤマボウシ  (初夏の里山 その3)

2008-06-04 | Weblog
                《市内のヤマボウシ》
 
観察のフィールドにあるヤマボウシの白い総苞はまだ細い緑色だ。猪苗代湖畔のここは夜間の気温は低く、花の時期も若松市内とは2~3週間程の違いがあるようだ。いま、市内では私の思い出の花ヤマボウシが、清楚に、鮮やかに咲いている。
《総苞はまだ細く緑色》

初めてヤマボウシを知ったのは、【植物と人間(生物社会のバランス)宮脇 昭著(NHKブックス)】を読んだときだった。「はしがき」には、「植物と人間の関係といえば、多くの人はすぐ庭の盆栽や切り花を思い出す。また、多少関心のある人は、例えば箱根のヤマボウシの白い花は美しかったという。人間社会の枠の中で生活できた時代は、・・・・」とある。私はこの本を、ときどき環境教育授業の資料として使ってきた。この本はまとめとして、「よりよく生きるための、健全な社会の発展の基礎は、自然の緑の必要性をみんなが共通に理解し、まず生きている緑の確保から始まる」と結んでいる。
 ヤマボウシの白い花をながめながら、緑の自然の大切さを生徒に説いた昔を思い出した。

 いつもの里山観察フィールドへ行くと、決まって大きな木の木陰に車を止める。いつかその木がミズキであることを知った。ちょうどいまきれいに盛りの花を付けていた。花の位置が高くて集まる虫たちを撮ることが出来なかったが、その甘い香りに誘われてカミキリやコガネムシ類が沢山いた。また、林の中でガクアジサイを思わせるカンボクの花がひときわ凛として美しく目立っていた。

《ミズキ》

《カンボク》