先日、見たことのないムシを見た。イトトンボが飛んでいると思い、あとを追うとクガイソウの葉の上に止まった。さかんに手をこすって身繕いしていた。
早速昆虫図鑑で調べると、「マツケムシヤドリバチ」によく似ていた。その解説には、日本全土、シベリア、欧州、インド、北アフリカに広く分布し、各地にきわめて普通で、成虫は春から秋遅くまで見られるとあった。それにしては、初めて見るムシだった。多分間違いなさそうだ。イトトンボに見えたのは、細く長い産卵管のようだった。また、マツケムシの幼虫に寄生とある。マツケムシ専門なのだろうか、庭にはヒマラヤスギの大木があり、あのグロテスクな毛虫には年によってはときどき悩まされたこともあった。でも、今年は少ないようだ。
《大事に育て羽化を心待ちにしていたアゲハのサナギからヤドリバチが穴をあけて飛び出した。》そのときの少年の驚きと憎らしさがよみがえってきた。
まだまだ、よく見ると知らない虫たちが潜んでいるだろう。まさに「自然に学ぶ庭」で観察を続けたい。