エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

安らぎの時を迎えたチョウたち

2008-10-02 | 昆虫
       【体長測定 マダラナニワトンボ】


今日の予報は降水確率0%、10時過ぎに、家中の布団を屋根に干した。
被害が心配された台風も去って、久々の秋晴れに居ても立ってもいられず、トンボ池(自称)へ、マダラナニワトンボを見に出かけた。

紅葉が始まったいつもの池の周囲を巡った。ヤマボウシの実が真っ赤に熟し、コブシの集合果が弾け、橙色の実が落ちていた。

   【熟したヤマボウシ】

 アカネ類はかなり増えてきたが、黒い赤トンボ、絶滅の危機にあるマダラナニワトンボは、今日は残念ながら1頭だけしか見なかった。今年の発生は例年より少ない様だが、9月中旬に池の周囲の陸地に打空産卵する1ペアを見ているので、何とか無事に育って、来年も再会出来ることを祈っている。
 その一頭がゆっくり付き合ってくれた。アキアカネと並んで背比べをしていた。定規で体長を測ったら、約3.1cm、アキアカネより1cmほど小さい。絶滅危惧種と知ってから妙に愛おしく、その動きをよく観察している。気温のせいか、ひと頃よりは動きが鈍いようだが、他のトンボが近づくと、縄張りを誇示する様に実に敏速に飛び、黒いので見失いがちである。

 
 【背比べ アキアカネ(左)とマダラナニワトンボ】

帰路、いつもの林道に静寂の秋を楽しんだ。
道の両脇にはアキノキリンソウ、フジバカマが咲き、日だまりのノコンギクには、ミドリヒョウモン、オオウラギンスジヒョウモン、メスグロヒョウモン、ウラギンヒョウモンがゆっくり羽を休め吸密していた。いずれも、翅がかなり傷んでいて、あの暑い季節を精一杯に生き、今安らぎの時を迎えたチョウたちが愛おしく思えた。アキノキリンソウにはこれまた鱗粉のすっかり落ちたオオチャバネセセリが群がっていた。

 いよいよ秋が深まり、ほどなくの紅葉、落葉を思わせた。
 真っ黒に熟したゾバ畑の向こうに、今日も色付き始めた磐梯が麗しく聳えていた。


  
 【ノコンギクにメスグロヒョウモン】

   
 【ミドリヒョウモンとオオウラギンスジヒョウモン(手前)】


 【フジバカマにオオチャバネセセリ】


 【アキノキリンソウに群がるオオチャバネセセリ】