エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

とある秋の一日

2008-10-03 | 日々の生活
【飛びながら密を吸うホウジャク】


 今日もまた、雲一つない快晴だ。雄国沼へ草紅葉を見に出かけることにした。まだ紅葉は早いだろうか、楽しみに車を走らせた。

 山麓では喜多方高校生のウオークラリーに出会った。たぶん10キロ以上歩くのだろうが、明るく楽しそうに歩く溌溂とした、あどけない青春をながめ、懐かしくもあり、もう一度あの時代に戻れたらなどと思った。若いことはなんと羨ましいことか。

 狭い登山道をもう8合目くらいまで登っただろうか、どうも車の調子がおかしい。気づくと赤い警告ランプで「チェックエンジン」の表示が。しばらく休んだが、表示は消えず、ポンコツ車でもあり心配になった。おまけにボンネットを開けると白煙が・・・、オーバーヒートのようだ。午後、孫たちの幼稚園バスを迎えに出なければならず、時間的にも忙しそうなので、残念ながら引き返すことにした。ほとんどアイドリング状態で坂道を下っていくと、警告表示が消えた。


 折角ここまで来たので、喜多方へ出てラーメンを食べることに。喜多方で勤務していたころは、よくいろいろな店のラーメンを食べ歩いた。喜多方は何処の店も美味しいが、よく行くのが「陽華楼」。昔から変わらないここのラーメンが好きで、よく孫も連れて行く店だ。

 夕方炬燵を出した。秋も深まり、日向は温かかったが夕方になると風が冷たく肌寒さを覚えた。日中も気温は20度に届かず、風が冷たく、夕暮れには何か侘びしさを感じた。温かい炬燵にあたって、温もりの夕餉となった。

 夕方、セーターを羽織り庭に出るとキンモクセイの香りがほのかに漂った。まだ、花穂は開いていないが、昨年と比べると約10日ほど遅いようだ。
 ハナトラノオにホウジャクが密を吸っていた。まるで鳥のようだ。尾の方にワンポイント白い紋が見えた。ホバリングしながら長い密線を伸ばしていた。オオスカシバは昼間だが、ホウジャクは夕方活動するようだ。しばらくぶりにかわいい飛翔を見ることができた。

 夕日をながめながら、庭を巡るといよいよ秋の深まりを実感した。