エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

秋の深まる庭

2008-10-24 | 日々の生活


 しばらくぶりの雨音に、庭でカエルが元気を取り戻したかのように鳴いている。
雨の日は落ち着いていい。傘をさして庭に出てみた。

 サザンカが数輪、濡れた緑の葉の間で清楚に咲いている。これまた、つぼみの成育を楽しんできたミゼバヤが満開に咲き、厚い葉も真っ赤に色付いている。
菊の季節が始まる。黄色や赤といろいろ咲き出したが、小菊のつぼみは星のように鮮やかにそしてしっとりと輝いている。この白い小菊は霜が降りるころにはほのかにピンクに変色し、凛としてとても清楚だ。
 いくつも付けたホオズキが透け、網の袋の中の丸い実が見えている。盆栽のハゼやナンキンハゼがきれいに色付いている。ナンテンハギの黄色から赤へのグラデーションはなんときれいな神秘的な色合いだろうか。



 これから一斉に咲き出す秋の花々、花を咲かせ、しっかり実を付けまた春を待つ緑のいのちもある。カエデやモミジ、モクレン、柿・・・あらゆる緑が庭を美しく彩ってくれる。 今、すべての命が、精一杯に生き、秋を迎えている。佇んで色づきはじめた庭を眺めるとき、人生の晩年を見る思いがした。


  【きれいなハゼ、ナンキンハゼ】