白イカ釣りの釣果が落ち着きつつある中、産卵が明けたクエがボツボツと動き始めたようなので、クエ釣りにシフトする船も現れ始めた。それを受けて、今年のチャレンジが始まった。
個人的な話かも知れないが、クエ釣りに関しては、その昔に磯の遠投や宙釣りで狙う石鯛釣りで経験したことが役立っている。それは「エサのチェック」や「タナの取り直し」、「アタッてから喰わせて走らせる」といった基本動作なのだが、それらが身に付けば、キョーレツな引きと対峙するまでにやるべきことが単調で少ない。
四六時中「あーでもない、こーでもない」と考えている、いつもの完全フカセ釣りとは違うので、言葉を悪くすれば大阪弁で言うところの「イラチ」タイプのボク的にはこういった底物系の釣りは、間が持たない部分があるのだが、夜釣りの場合だと、その横で竿出しする白イカやアオリイカが間を詰めてくれる点が助かる。
つまりは「やるべきことをやって、ドーンと構える釣り」と「チマチマと操作し、エギやスッテの入れ替えを行って掛ける釣り」が同時に楽しめるという、ボクにとっては充実した展開になる初秋~中秋の夜釣りは、大いに楽しめるスタイルとなっているのだ。
早速乗り込んだのはお盆過ぎの真夜中に出港する深夜便だった。乗船したのは兵庫県但馬海岸の柴山港から出港する、大吉丸さん。クエ釣りに関しては、日によって半夜便と深夜便の2便を出しており、「暇ができたので空きを見つけてヒョイッと乗り込む」ことが可能なので、乗船機会を増やせる上、定員は6名なので、確率が上がるのは有り難い。
翌日に仕事が控えているというのに、「エエ歳をしてバカ丸出し」の徹夜釣行だった。だが、船上から6人がブラ下げる6本のサシエサに、「近寄らず、触らず」で、今期1回目の釣行では、クエに関しては船内全員が丸ボーズで、良型白イカが少々という結果だった。
次いで、台風10号の通過(消滅?)後に、大吉丸さんへの2回目の釣行日がやってきた。そしてボクが当日乗り込んだのは、またしても深夜便だった。
出港後、15分程度でポイント着。完全フカセにしろ、クエ釣りにしろ、柴山沖はポイントが港から近いため、実釣時間が長く取れるのが嬉しい。
●4代目のタックル(中古竿=¥13200なり)●
早速エサのメヂカを装着して投入を開始するが、船位がズレたのでやり直し。再投入した仕掛が落ち着いたのを見計らって、白イカでも釣ってやろうとイカメタル仕掛けを落下させている最中に、いきなりクエ狙いの竿が穂先をブルンッと震わせる前アタリらしき動きをキャッチした。
その動きをボクと同時に確認していた船長にイカメタルロッドを手渡し、クエ竿に持ち替えて、次の走りに追従させたところでアワセを入れるとズドンッとした衝撃と共にファーストランが始まった。
後ろから「それ大きいのとちゃいますのん?」という船長の声が飛んできたので、ボクもその気になったのだが、抵抗は数秒だけ。後はすんなりと浮いてくる展開だった。
サイズはともかく、今年の初クエ。それも早い時間の登場に一日が楽になった瞬間だった。
●10kg●
「一度アタッた竿に集中する」というのは「クエ釣りあるある」なので、以後も期待をしたが、風向きがコロコロと変わって、ポイントを外れてしまうのか、船長がアンカーを何度か打ち直しても気配すら感じられずに時間がドンドン過ぎて行った。
間を繋いでくれるハズの、期待?のイカ狙いも、白イカ、スルメイカ、そして途中でエギにチェンジしてのアオリイカもポツリポツリと掛かったが、大した数にならず、納竿時間がやってきた。
●イカはフルコンプリートだが…●
目標の30kgオーバーには全く届いていないが、今年の初物をゲットしたことで、少しは展開が楽になった。去年は「釣れ過ぎ」だった柴山沖だが、今年は普通のペースに戻っているのが気になるところ。だが、ポイント数の多い地区だけにクエのストックは十分にあるだろうから、秋の深まりと共に上向いてくれるだろう。そしてその波に乗って「目標達成!」を目指してゆく。
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