透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

環境が人を育てる

2008-06-13 | A あれこれ

 昨日6月12日はアンネ・フランクの誕生日でした(1929年)。そして「アンネの日記」を書き始めた日(1942年)でもありました。誕生日から書き出そうとアンネは決めていたのかもしれません。それからアンネは約2年間日記を書き続けたのでした。おそらく世界で一番読まれている日記でしょう。

 今回は東京都中央区立泰明小学校。

下の写真の後方に写っているのは帝国ホテルだと思います。大都会の真ん中にこんなに「古い」小学校があるなんて驚きです。北村透谷や島崎藤村もこの小学校の出身だと知りました。





「歴史」を感じさせる外観です。3階には半円形の窓がリズミカルに並んでいます。どうしても繰り返しに目がいきますが、いわゆる表現主義の特徴がこの窓などのデザインから読み取れる、のだそうです。

この姿を毎日目にする児童たちはおそらく、気持ちが落ち着くでしょう。「環境が人を育てる」という言葉がリアルに伝わってきます。

「時を経た建築には記憶力がある」と既に書きました。建築に染み込んでいる知識が児童たちに語りかけてくるなどという表現を敢えてしますが、ガラスや金属パネルなど「記憶力の無い材料」から成る学校では到底得ることの出来ない知的で濃密な環境ですね。


泰明小学校 
東京都中央区銀座5丁目 明治11年創立 現在の校舎の完成は昭和4年

教育環境の充実ということが目的で学校を新築する、そのことで長年の時の流れによって培われた大切なものを失ってしまう・・・。いかにも残念です。歴史を継承する解決方法って個々に異なるでしょうがきっと見つかると思います。


 


え~ 磯崎さん低層案ですか

2008-06-13 | A あれこれ


本のカバーをスキャンして必要な部分を切り取りました。

■ あの東京都庁舎のコンペは中央の組織事務所も何社か指名されましたが、実質的には磯崎さん(左 カバー表)と丹下さん(右 カバー裏)の一騎打ちだったと私は思っています。当選案となるのは超高層案、と分かっていて磯崎さんは敢えて低層案を提出したのでした。書店でこんなカバーの本を見つけたら、そりゃ~もう即買います。出版社は文藝春秋(定価2190円+税)。

**建築界の知の巨人の夢と格闘の軌跡を追う、建築ノンフィクションの大作。**(帯より引用)