■ ふと気になって高校の耐震化の状況について調べてみた。ネット検索で「県有施設の耐震化の状況について」という長野県のレポートがヒットした。
昨年度(平成19年度)の調査結果として中信地方(長野県内を北信、東信、中信、南信の4ブロックに分ける)の高校名と施設の用途、建設年次、評価値が示されている。評価値というのは耐震性能の区分だそうで、以下のようになっている。
〇 0.5未満は「大地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する」危険性が高い。
〇 0.5以上1.0未満は危険性がある。
〇 1.0以上1.25又は1.5未満は危険性は低いが、災害拠点施設としての機能が確保できない恐れがある。
さてとりあえず母校の状況を確認。
講堂 :建設年次 昭和9年、評価値0.27
管理教室棟:建設年次 昭和8年、評価値1.05
戦前の校舎はリストの中ではこの2棟のみ。意外にも管理教室棟の評価値が高い。鉄筋コンクリート造だが柱の主筋は細く本数も少なくて、フープ筋はピッチがかなり粗いはずだが・・・。
講堂と管理教室棟は共に登録有形文化財に指定されているから、仮に評価値が低くても取り壊して新築などという事態にはまずならないとは思う。が、講堂の評価値0.27は「大地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性が高い」ということだから現状のままでよいということにはならないはずだ。
ではどうする、壁の補強として鉄骨のブレースを入れる?鉄筋コンクリートの壁を打ち増す?まさか・・・。ゴシック様式の意匠が台無しになる。確かに構造的に明快な補強方法なんだろうがそこには創意も工夫も無いし、建築への敬意も感じられない。では免震構造化は?
さて、ここからどう論考を展開したものか、そして結論はどうする?
今回は保留しておこう。