透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

001 火の見櫓っておもしろそう

2010-05-04 | A 火の見櫓っておもしろい

 
001






路上観察 火の見櫓  大町市美麻にて 100504

木造の火の見櫓を見つけた!  

次のようなチェックポイントを挙げて火の見櫓を観察してみよう。

①屋根の形状と頂部の飾り:三角錐 飾り無し。小屋組みを撮ろうと思ったが、まだカメラに慣れていないため(などと言い訳するが)設定を中央重点測光に変更できなかった。ああ、アナログ中年のバカ。→そうか、画像を加工するという手があるじゃないか! アナログ中年、ちょっとオリコウ!?

梁を渡して束(写真には写っていないが)を建て3本の隅木を受けている。各面、垂木を2本ずつ放射状に掛けている。

②見張り台の形状と手すり、その他:三角形 手すり無し。但し斜材が恐怖感を少し和らげているかもしれない。

③主要構造部の平面形、材質、部材の接合方法:三角形 木造 接続部(継ぎ手)は確かそぎ継ぎボルト止めだった。4段の斜材(筋かい)は片掛け。段ごとに向きを変えている(構造上当然か)。

④基礎:御影石の柱と丸太柱をボルトで止めている(きちんと確認しなかったが、たぶん)。埋設部は不明。

⑤周囲の状況、その他:周囲は田畑、道路沿いに単独で建っている。下の写真で火の見櫓の後方に柱と重なって写っているそば屋まで出かけてこの火の見櫓に気がついた。  

今回はチェックポイントを決めていなかったのできちんと観察できなかった・・・。次回からはきちんと観察しようと思う。

火の見櫓にもいろんなデザインがあっておもしろそうだ。 


 追記:現在はこの場所から移設されている。(160605)


本棟造を路上観察する

2010-05-04 | A あれこれ


路上観察 烏おどしと懸魚 山形村にて 100502  

 本棟造は松本平に広く分布している民家、端正で力強いデザインだ。勾配の緩い大屋根の棟端を飾る「烏おどし」。この飾りを「雀おどり」としている文献もあるが、「烏おどし」とは本来別のものと捉えた方がいい(と、以前も書いた)。

「雀おどり」は棟で交差させた破風板の小口を板で塞いだ結果出来るひし形の中を飾ったもの(写真②)。

「烏おどし」には不吉な鳥とされる烏が屋根にとまらないようにおどすという拒絶の意味が、「雀おどり」には雀が屋根で楽しそうに遊ぶのを歓迎するという意味が込められているのだろう。

昔は木でつくられていた烏おどしだが、今はこのように鉄板で包まれているものが多い。包み方はいろいろ。板金屋さんにそれぞれ流儀がある(写真③)。

棟木の小口に付けられている懸魚(げぎょ)に注目。何をモチーフにしているのかわからないが、とてもモダンなデザイン。

長い年月が民家のデザインを練り上げてきた。


雀おどり 茅野市にて


烏おどしと懸魚 朝日村にて




パスタマシーンの幽霊

2010-05-04 | A 読書日記



 書店に川上弘美の新刊があった。『パスタマシーンの幽霊』/マガジンハウス、ちょうど10文字のタイトル!

雑誌「クウネル」に連載中の短編小説を収録した本で、2006年の『ざらざら』に続く第2弾。

「海石(いくり)」
**あたしたちはときどき、穴から出て、町へさまよいだします。五十年に、一度くらい。
あたしはちょうど、穴から出ていって、幾人かのひとと、しばらく一緒に住んできたところです。**
**あたしたちの「好き」は陸のいきものの「好き」とは違うから、だめなんです。**

海石というのは陸にあがって女のひとそっくりになった海の生き物に男がつけた名前。川上弘美の小説にはときどき正体不明な生き物がでてくる。あたしって一体どんな生き物なんだろう・・・。

「ブイヤベースとプーリード」
大学4年生の恵一とあたし。恵一が故郷の岡山に帰って家業を継ぐことになって・・・、でもあたしは東京をどうしても離れたくなくて、別れを決めた。で、フランスへお別れ旅行に行くことに。

フランスでいろいろあったふたりだったが、**もう一度やり直したいと言いだしたのは、どちらからだったろう。マルセイユの港のベンチで、あたしたちは海を見ながら肩を並べ、少しだけ泣いてから、しまいには固くだきあった。
あたしと恵一は、今年銀婚式を迎える。**

お別れ旅行のはずが、結婚しよう旅行に。

若い女性の恋愛模様あれこれ。久しぶりに小説を読んだ。