■ 『身体知 カラダをちゃんと使うと幸せがやってくる』 内田樹 三砂ちづる/講談社+α文庫 なんとなく興味があってネット注文で入手した。
ざっと読んで、なるほどと思ったところを以下に記す。
今日読んだこの本(内田樹さんと三砂ちづるさんの対談を収録した本)にこんなくだりがあった。内田さんの発言。**デートというのも基本的に「いっしょにごはんを食べに行くこと」ですよね。どうしていっしょにごはんを食べるかって言えば、ごはんを食べている時に、美味しいかどうかで、その人といて楽しいか楽しくないかがわかるからですよ。**(47頁)
この指摘には素直に頷くことができる。
次は三砂さんの発言。**コミュニケーション能力が持てない、相手のことをきちんと信頼できない、というのはどこから来ているのでしょうか。(中略) いちばん最初の母子経験はとても大切なものではないか、と考えています。(中略)言語化される以前の受容の感覚、自分の思いが相手に伝わっている、という安心感が必要なのだと思います。**(167頁)
内田さんがこの発言を受けて次のように発言している。**本当に大事なのは、他者が発する「ノイズ」を「声」に変換して聴き取るという、強引な力業なんだと思うんですよ。**(170頁)
**母子関係において子どもが最初に発するのは言語ではないです。ノイズです。ノイズをお母さんは声として聴き取っているわけですよ。幼児のコミュニケーション体験というのは、意味をなさないノイズを発しても、それを声として聴き取ってくれた人が「いる」という原事実にあると思うんです。それがコミュニケーションに対する根本的な信頼をかたちづくる。ぼくはそう思うんです。**(170頁)
至極当然、この指摘にも素直に頷くことができる。
発言の全てに共感できたわけではないが、今年は何でも読んでやろうと思っているから、よしとしておく。